保育士さん転職時の園見学の方法・コツ・ポイント、服装など
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保育士さんの転職活動時に大事になってくるのが、保育園や施設の見学です。見学の方法・流れ、チェックすべきポイント、電話のかけ方、服装、注意点などについて確認しておきましょう。

園見学のメリット

保育士さんが転職活動時に園を見学するメリットは、自分がその園で働いたときの環境を最もリアルに体感できることです。

見学では、園のサイトやパンフレット、説明会などとは違って、園の日常を垣間見させてもらうことができます。見学に来た保育士さんはこの中で、その園がどのような保育をしているのか、スタッフ同士の人間関係はどうか、労働環境としてどうか、などといった点を、実感をもって理解することができるのです。

見学をしたとしても、実際に働く以上にその職場を理解することはできません。しかしどんな職場でも、とても良い点や大きな課題がある場合、そのサインは短い時間の間にも必ず現れているものです。見学ではこうしたサインをキャッチしにいくわけです。ぜひ、気になる園は見学をして、実際に自分に合うところなのかをチェックしておきましょう。

園見学の方法・流れ

園見学の大まかな流れは以下のようになっています。

  1. 見学する園を決める
    自分のスケジュールや転職希望日、保育園の採用スケジュールなどと相談して、無理なく見学に行ける園をいくつかに絞ります。
  1. 見学する園に連絡する
    見学に行く園に電話で連絡します。
  1. 見学準備をする
    情報を集める、持ち物や身だしなみを整えるなど、見学の準備をします。
  1. 見学する
    当日、見学に行きます。
  1. 見学した園にお礼状を出す
    お礼状は義務ではありませんが、園の方からの印象が良くなりますので「働いてみたい!」と思った園には出しておくことをおすすめします。

保育士さんの就活全体の流れについてはこちらの記事をご参照ください。
新卒・中途でこんなに違う!就職活動の流れのキホン | 保育のお仕事レポート

園見学のコツ

園見学のコツについて解説します。

準備編

見学当日以前までに必要な準備は以下のとおりです。

見学先のことをよく知る

パンフレットやサイトを見るなどして、園の経営方針や経営状況、雰囲気、行き方などについてよく調べておきます。

魅力を感じた点、質問したい点などをメモにまとめておいたり、行き方の地図や連絡先などをスマホや携帯に保存しておいたりするとより良いでしょう。

見学先に電話をかける

見学先に電話をかける

見学を申し込む電話のかけ方の印象は、良くも悪くものちの採用の際の判断に影響します。見学する園に迷惑になったり失礼になったりすることのないよう、気遣いを見せることができるようにしましょう。会話例は以下のとおりです。

邪魔を詫びる(お忙しいところ失礼いたします)

名乗る(私、保育士で転職を考えております○○と申します)

話して良いか確認(ただいま少しお時間いただいてよろしいでしょうか?)

用件を伝える(このたび、ぜひ○○園さまの見学をさせていただきたく、お電話申し上げました)

気遣いのポイントは、園ができるだけ忙しくない時間を狙うことです。たとえば午後2事前後なら子どもがお昼寝していて少し落ち着いている園も多いでしょう。

他に注意すべきポイントは以下です。

・静かな場所から落ち着いてかける
ガヤガヤした場所から慌ただしくかけると、相手は自分が尊重されていない感じを持ってしまうかもしれません。電話のための場所と時間をきちんと確保することを心がけましょう。

・メモと筆記用具の用意を
重要な内容をメモできるよう、メモと筆記用具を手元に用意してからかけましょう。

・重要な内容は復唱して確認を
特に連絡先や案内してくださる方のお名前、時間や場所については間違えては大変なので、必ずゆっくり復唱して確認するようにしましょう。「(確認のため)復唱させていただきます」と一言断ればOKです。

・切るときは相手が切るのを待って
ビジネスでは、特にこちらからかけた電話の場合、相手が切るのを待つのがマナーです。ただし、双方が気を使って互いを待ってしまい、切るタイミングを失うことがあります。長引きそうなときは「失礼しますと言いあって3秒待ってから静かに切る」という対応を取ってもかまいません。

・リラックスして
きちんと敬語を話そうと身構えすぎて緊張してしまう人もいると思います。敬語はできるに越したことはない、程度に捉えましょう。敬語の知識的な正しさよりも、きちんと気遣おうという気持ちが伝わることのほうが大事です。

服装・身だしなみ

服装・身だしなみ

保育士としての清潔感や熱意が示せる、控えめで爽やかな服装・身だしなみを心がけましょう。

服装の基本はスーツですが、中途の場合は園によっては「スーツでなくていい」、あるいは「スーツNGなので私服で」と指示される場合もあります。というのは、中途の場合は新卒と違って、スタッフの募集をしていることをスタッフや保護者さんに伏せておきたいなどの事情がある場合があるからです。こうしたことも考慮し、電話連絡のさいに「服装はスーツでよろしいでしょうか」と確認しておくことをおすすめします。

見学で求められる服装も身だしなみも、採用面接の際に求められるものとほぼ同じです。
面接前にチェック!内定GETのための身だしなみ&振る舞い方のコツ | 保育のお仕事レポート

持ち物

当日持っていくべき主な持ち物は以下です。

・魅力を感じた点や質問事項をまとめたノート
・手帳、筆記用具(メモ帳、ペンなど)
・上履き
・ティッシュ・ハンカチ・タオル
・エチケットブラシ(特にスーツの場合)
・替えのストッキングなど(女性)
・ソーイングセット(出先でスーツや服のボタンが取れたりしたときのため)

当日の朝になって慌てないよう、前日までにすべて揃っているかしっかり確認しておきましょう。

当日編

当日は明るい表情や笑顔を保ち、案内してくださる方やすれ違う方・園児にはきちんとあいさつをするようにしましょう。携帯やスマホはマナーモードか電源OFFにすることを忘れずに。

社会人としてのマナーある振る舞いにも気をつけましょう。

・上着や帽子の処理
寒い時期には、相手に顔を見せる前にコートやマフラー、手袋などを脱いでおきます。帽子はどんな季節も、特殊な事情がないかぎり脱いでおきましょう。スーツの場合、暑い時期でもジャケットは常に羽織っておきます。

・靴の脱ぎ方
靴は相手にお尻を向けないように揃えて脱ぎ、邪魔にならないように処理します。どのようにすればいいか尋ねて、指示のとおりにします。(端に脱いでおく、下駄箱に入れる、袋に入れて持ち歩くなど)

・椅子などがあるとき
相手が立っているときには自分も立っていること、また、「お掛けください」など指示されるまでは勝手に座らないことに注意します。

・見送ってくれたとき
見学の終わりに園の出入り口まで見送ってくださった場合は、深めにお辞儀してお礼を言ってからその場を離れましょう。姿が見えなくなるまで見られている可能性もあるので、それまでは気を緩めることなく、好印象を与えられる振る舞いをしましょう(すぐに携帯を見たりしない、寒い季節はコートを着ないでおく、暑い時期にはジャケットを脱がないでおくなど)。

後日編

見学を終えたあとのお礼状は義務ではありません。出さなくてもかまわないのですが、見学の結果「働いてみたい!」と思った園にはお礼状を書いておくことをおすすめします。園側からの印象が良くなり、内定を獲得できる率が上がる可能性があります。

お礼状の出し方は採用面接後とほぼ同じです。詳細は過去記事で説明しています。

デキる求職者はココが違う!面接後に出すお礼状の書き方とポイント | 保育のお仕事レポート
https://hoiku-shigoto.com/report/male-nurse-career/thank-you-letter/

園見学でチェックするべきポイント

園見学でのチェックポイント

短い時間でできるだけのチェックを

保育士養成施設の新卒と違い、中途の場合の見学は時間が30分程度のところもあるなど、全体に見学時間が短く簡素な傾向にあります。以下のチェックポイントをざっと把握しておいて、当日は可能な限り漏れなくチェックできるようにしておきましょう。

以下をリストにして書き出しておいて、照らし合わせながら見学するのも良いでしょう。ただし、案内してくださる方にはなるべく見つからないように、さりげなく控えめに。どんな職種の人も、自分の働く職場をあまりに露骨にじろじろと観察されていい気持ちのするものではありません。

園見学でのチェックポイント

保育内容

・子どもが幸せそうに過ごしているか
まずは子どもの表情や様子をよく見て、「幸せそう」「楽しそう」「リラックスしている」かをチェックしましょう。保育園選びではここの要素が最も大事です。

保育があまりうまく機能していない園の中には、見学者がいる間だけ在職のスタッフがよそ行きの振る舞いをしようとするところも残念ながらゼロではありません。しかし、スタッフと子どもたちの普段の関係性は子どもたちの自然な表情やふるまいに自ずと出ます。スタッフがいかにも優しげに接していても、複数の子どもの表情が暗い・固いとか、スタッフと距離をとろうとするとか、泣いたり怒ったりした子どもに対しスタッフがうまく対応できていないように見えたりすれば、要注意です。

子どもが寂しそうにひとり遊びしているのにスタッフが関わろうとしない、あるいは楽しそうにひとりで遊んでいるのに必要以上に干渉しているなどの場合には、子どもにとってあまり良い環境でない可能性もあります。しかし、のびのびと楽しそうにひとり遊びに熱中している子がいるようならその園ではおおむね良い保育環境がかなっていると考えて良いでしょう。

自分の望んでいるような保育がその園で叶いそうか、ていねいに観察しておきましょう。

・スタッフの声の大きさは適正か
保育園では、スタッフがきちんと大きな声を出せることは大事です。しかし、場面に合わせて小さな声も使えているかも想像以上に大事です。子どもが静かにしているのに大きな声を張り上げている、必要以上に大きな声で叱っているなどの場合は少し要注意として覚えておきましょう。

職場環境としての要素

・あいさつがきちんとしているか
感じのよいあいさつは社会人としての基本です。皆がこれをできていれば、それぞれが社会人として最低限のことを身に着けており、また、その職場に皆が雰囲気よく回っていくだけの余裕や包容力があるということです。

・保育士やスタッフの表情
子どもの表情を見るのが大事なのと同じように、保育士さんだけでなくほかのスタッフの皆さんも、表情が生き生きとして明るいかを見るのも大事です。よそ行きの笑顔のあとふとした瞬間にも明るい表情が自然と出ているかを見るようにしましょう。

在職のみなさんの自然な表情には、やはり日ごろの職場や仕事内容への満足感ややる気などが現れてくるのです。

・十分な清掃が行われているか
十分な清掃が行われているかは、余裕と高い意識のある保育環境・職場環境のバロメーターのひとつとなります。最低限の清潔さと整頓が行き届いているかをチェックしておきましょう。

・どんな世代の保育士・スタッフが働いているか
保育士やスタッフの世代に偏りがないかを見てみましょう。極端に若手ばかり、ベテランばかりという場合は少し要注意です。

たとえば若手ばかりの場合、長く働きづらい環境であったり、逆にベテランばかりの場合は子育て世代が続けづらいなんらかの原因があったりする場合もあります。また、自分がその職場での少数派に属する場合(若手ばかりの中にベテランとして入るなど)、多少居心地が悪くなるかもしれないことを想定しておく必要があります。

・男性保育士がいるか
男性保育士がいるかどうかは、その園が職場として開かれているかや、保育の質に深みがあるかなどをはかる大きなバロメーターのひとつとなります。

男性保育士がいる場合は、彼らが職場でどう扱われているか、明るく生き生きした表情でいるかもよく見ておきましょう。男性保育士の扱いが丁寧な園は、つまり少数派なスタッフへの扱いが丁寧な園ということです。

・お道具類が揃っているか、質はどうか
子ども用、スタッフ用ともに、お道具やおもちゃ、絵本、文房具などといった日々使うものが揃っているか、質が高いかどうかをチェックします。

シリーズものの絵本やおもちゃなどで欠けがあったり、壊れているものが放置されていたり、100円ショップのものばかりで揃えられたりしている園の場合は、環境の質を上げるために払うべきコスト感覚が十分でない可能性があります。

・制作物の手の込み加減
壁に飾られたりしている制作物に手が込んでいるのは基本的には素晴らしいことなのですが、あまりに凝っている場合、在職のスタッフが制作物のために過重な残業や持ち帰り仕事をしていることがあります。制作物を作るのがあまり得意でない人、長時間の残業をなるべく避けたい人はチェックしておくとよいでしょう。

全体として「雰囲気がいい」というのが大事

見学の時間は限られているので、上記のすべてをきっちりチェックするのはなかなか難しいこともあるかもしれません。そういった場合は、「全体として良い雰囲気を受け取ったか」を判断材料としましょう。

見学の中で得る、肌感覚レベルでの合う・合わないといった勘は、今後その園で働いていくにあたって重要なものです。どんな職場でもそうかもしれませんが、特に子どもたちに触れる保育園では、人間としてその職場をどう感じるか、前向きに生き生きとやっていけそうか、といった漠然とした感覚が大事な位置を占めてくるのです。

注意点

意外と盲点になりがちなのが、「ひとりが無理なく見学に回れる園は限られている」ということです。スケジュールなどの観点から、気になった園全てを見学できるわけではないということを頭に入れておきましょう。

しかし、気になった園の情報はできるだけ詳しく知っておきたいものです。そんなときには、保育業界と信頼関係を築いており、業界事情に詳しい、保育士専門の人材紹介会社やキャリアアドバイザーに頼るのがおすすめです。

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リラックスして体当たりを

気になる園の見学にあたっては緊張することも多いかもしれませんが、ぜひリラックスして臨んでください。ここまで事前に情報を調べているあなたはきっと大丈夫です!保育のお仕事では、あなたの保育士としての飛躍を心よりお祈り申し上げております!

参考資料

保育のお仕事
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