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そろそろいや~な花粉のシーズン。毎年花粉症に悩まされる方にとっては、頭の痛いことなのではないでしょうか。近頃では子どもの花粉症も増加し、保育園や幼稚園でも対応を求められるケースが増えているそう。今回は本格的な花粉シーズンを前に、子どもの花粉症に関する情報をまとめてみました。

1歳児でも花粉症に?子どもの花粉症が増加中

子どものイラスト
花粉症は大人だけに発症するものではありません。ある程度花粉を体内に取り込んだ1歳頃からは、子どもであっても花粉症を発症する可能性があります。
 
この幼児期における花粉症…実は年々増加傾向にあるとされているのをご存じでしょうか。スギ花粉症を例に取ってみてみましょう。「鼻アレルギー診療ガイドライン」によれば、1998年時点の5~9歳のスギ花粉有病者は7.5%だったのに対し、2009年では13.7%と増加しています。
 
また大手製薬会社のロート製薬が0~16歳の子どもを持つ父母を対象に行ったアンケートでは、2452人の子どものうち「花粉症である」と親が実感しているのは全体の32.7%に及んだそう。これらのデータを見ても、子どもの花粉症が増えていることがわかりますね。
 

今さら聞けない花粉症のメカニズム

ふくろう先生
花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が体内に入ることが原因で起こるアレルギー反応の一種。人間の体には本来、外部から侵入してくる外的に対して、それをやっつけようとする免疫の働きがあります。ただ人によっては、花粉などの特定物質が入ってくると免疫の異常反応が起こってしまい、くしゃみや鼻水などの不快な症状が現れるのです。
 

花粉が体内に入ると、体は花粉を異物とみなして「抗体(IgE抗体)」を作るホィ。これが鼻や目の粘膜にある肥満細胞とくっついて、アレルゲンをとらえるんだホィ。
 
でもアレルゲンが多くIgE抗体がある一定の量に増えてしまうと…脂肪細胞からヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質が放出されてくしゃみや鼻水が出たり、鼻づまりや目の充血が起こったりするんだホィ。

IgE抗体が一定量を超えるまでは花粉症を発症しないと言われていますが、その「一定量」というのは人それぞれ。
 
遺伝的にアレルギー体質でであるか否かや、免疫機能が正常に保たれているかどうかなど、いろいろな要因が関わってきますので、人によって発症のタイミングが大きく異なります。

 

◆免疫力が強いと花粉症になるの?◆

「アレルギー反応は、免疫機能と同じようなものだから、免疫力を高めると余計に花粉症になりやすくなるのでは?」「花粉症にならないためには免疫力を弱めればいいのでは…?」といった声を聞きますが、それは危険な誤り。免疫力を弱くしてしまっては、花粉以外の体にとっての有害物質にたいしても抵抗力がなくなり、病気になりやすくなってしまいます。
 
アレルギー反応が起こってしまうのは、免疫力が高い、低いということではなく、免疫が誤って過剰反応を起こしてしまっているため。予防のためには、免疫力を正常な状態に「整える」こと、そしてその状態を「保つ」ことが大切なのです。
 

◆子どもに花粉症が増えている原因は?◆

幼児期の花粉症が増えている原因としては、以下のように考えられています。現代社会ならではの環境の変化が大きな要因になっていることが伺えますね。
 

◆花粉症増加の要因の一例◆
幼児期の過保護
都会型生活
アスファルトで舗装された道、外遊びの機会が減るったこと、また幼児期に清潔すぎる環境に置かれるなどで、免疫が自然の中で試され、学習する機会がなくなっている。
低体温の増加 低体温で免疫力が低下すると、正常な免疫機能が果たせなくなりアレルギーになりやすくなる。
スギ花粉の増加 昭和30年代に盛んに植樹されたスギが花粉を多くつけるようになったこと、また建築資源としての価値が下がりそのままになっていることなどが環境要因となっている。
ストレス社会 大人も子どももストレスにより自律神経が乱れやすくなり、結果として免疫バランスが崩れやすくなっている。
住環境
食生活の変化
ダニやハウスダストの増加、偏食やインスタント食の増加が要因でアレルギーの予備軍となっている。

 
なお、理研横浜研究所の谷口克センター長の発表した、子どもを花粉症にしないための9か条によれば、細菌感染の機会を増やしたり腸内環境を整えることが、花粉症予防に役立つとされています。
 

◆子どもを花粉症にしないための9か条◆
1 生後早期にBCGを接種させる
2 幼児期からヨーグルトなど乳酸菌飲食物を摂取させる
3 小児期にはなるべく抗生物質を使わない
4 早期に託児所などに預け、細菌感染の機会を増やす
5 適度に不衛生な環境を維持する
6 猫、犬を家の中で飼育する
7 狭い家で、子だくさんの状態で育てる
8 農家で育てる
9 手や顔を洗う回数を少なくする

 
今は衛生面に対して過敏になる傾向にありますが、幼児期は母親からもらった免疫力から卒業して、自分自身の免疫力を付けていく時期でもあります。あまりにも衛生的な環境下に子どもを置かないことも、花粉症の予防には大切なようです。保育園などではこれら実践することは現実的ではないかもしれませんが、参考までに覚えておきましょう。
 

まずは免疫機能を正常に保つ生活を!

動物のイラスト
ではここからは具体的に花粉症を予防する、あるいはすでに発症してしまった子どもたちにとっても、その症状を緩和する方法をお伝えします。
 
先にもお伝えしたように、免疫機能を正常に保つことはアレルギーを起こりにくくしてくれます。そのため以下のことに注意して、花粉症の予防と症状改善に努めましょう。

◆花粉症予防と症状緩和のために実践したいこと◆
□ 食生活の見直しをする
…くしゃみなどの不快症状を引き起こすヒスタミンやロイコトリエンの分泌が増える動物性タンパク質や脂肪の取り過ぎに気を付けましょう。
 
□ ヨーグルトを食べる
…乳酸菌は腸内の免疫細胞のバランスを整えてくれます。継続的に食事に取り入れるように心がけましょう。
 
□ ポリフェノールを取り入れる
…炎症物質の分泌を抑制してくれるポリフェノールを豊富に含む食材(トマト・ニンジン・大根・サツマイモ・ホウレンソウなど)を食事に取り入れましょう。
 
□ 体を温める
…体温の低下は、正常な免疫の働きを阻害してしまう要因になります。適度な運動や、体を温める食材の摂取で、体を温めるようにすると良いでしょう。外遊びが難しければ室内での運動遊びでもかまいません。
 
□ 質の良い睡眠を心がける
…家庭環境などから、慢性的な睡眠不足になっていたり不規則な睡眠になっている子どもはいないでしょうか。睡眠の乱れは免疫機能の中でも重要な役割を果たす細胞の活動を鈍らせてしまいますので注意しましょう。
 
□ 思いきり笑う
…笑いには免疫機能全体のバランスを整える効果があると言われています。また脳内でセロトニンと言う物質が増え、ストレスを解消してくれる役割もあります。ストレスは自律神経の働きを鈍らせ、免疫バランスの乱れを引き起こしますので、積極的にみんなで笑えるようなプログラムを計画するのもオススメです。

 

保育園で実践できることには限りがありますから、おたよりや掲示物などで、積極的に家庭に呼びかけていくことも必要ですね!

 
 

花粉とうまく付き合うために今すぐ実践したいこと

保育士のイラスト
上記でご紹介した免疫機能を正常に整える取り組みは、効果が実感できるようになるまでにどうしても時間がかかってしまいます。そのため、あわせてなるべく原因物質となる花粉にふれないための対策を行うと良いでしょう。
 

◆花粉症予防と症状緩和のために実践したいこと◆
□ 外遊びはできるだけ午前中に
…花粉は午後に飛散しやすくなります。風の強い晴れた日などには特に増えますので、比較的飛散の少ない時間帯を選ぶことが大切です。
 
□ つば付きの帽子を着用する
…上から降ってくる花粉が顔にかかりにくい、つば付きの帽子を着用すると良いでしょう。
 
□ 外出後は衣服を払う
…衣類に付着した花粉を室内に持ち込まないよう入り口で良く払いましょう。外に干した
シーツなども注意が必要です。
 
□ 手洗い・うがいの実践
…手やのどに付いた花粉を洗い流すよう、外出先から戻ったら手洗いとうがいを心がけましょう。
 
□ 空気清浄機や加湿器を活用する
…空気が乾燥していると花粉が舞いやすいため、加湿器や花粉を吸いこめる空気清浄機を使用するのも良いでしょう。
 
□ 衣服の素材に気を配る
…フリースやウールなどは花粉が繊維に絡みやすい素材。ナイロンやポリエステルなど表面がすべすべした、花粉が付きにくい素材を選ぶよう、保護者の方にもアドバイスすると良いでしょう。
 
□ 髪を束ねる
…花粉は髪にも付着しますので、女の子の場合にはすっきりとまとめると、花粉の付着を抑えられます。

 
 

これなら今日、明日からでもすぐに取り組めるホィ!本格的にスギやヒノキの花粉が飛び始める前から、習慣づけておきたいホィね!

 

編集者より

眠った幼児を抱く保育士さん
今や国民病とも言われる花粉症。今回調べてみて、大人から子どもまで、発症者が増えている要因の一つが現代的な都市型の生活であることに、驚かされながらも「なるほどな…」と考えさせられました。
 
花粉を浴びないということばかりに注目が集まる傾向にありますが、規則的な生活や食生活など、基本的な心がけで花粉症を予防したり症状を和らげたりすることができます。保育園での生活においても注意するとともに、保護者への情報提供などで、ツライ花粉症シーズンを乗り切っていきたいものですね。
 
たかが花粉症とはいえ、ひどくなると日常生活にも大きな支障をきたします。子どもたちだけでなく、「毎年症状がひどい…」という保育士さんも、今回ご紹介した内容をぜひ参考にしてみてくださいね!
 

◆保育のお仕事人材紹介◆

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参考資料

厚生労働省
ロート製薬
ヘルスケア大学
Benesse子育てインフォ
妊娠、出産、育児ママ応援サイト
AllAbout暮らし
免疫プラザ
 
 

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