保育の基礎知識

元保育士さん・幼稚園の先生が作者の【おすすめ絵本7選】

子どもたちに、日々絵本の読み聞かせをする保育士さんや幼稚園教諭さん。「今日はどんな絵本を読んであげようかな…」「園で購入するのに良い絵本はないかな…」と、迷ったことはありませんか?

すてきな作品を世に送り出している絵本作家さんの中には、保育園や幼稚園で働いた経歴をお持ちの方もたくさんいらっしゃいます。今回は絵本作家になった保育士さん、幼稚園教諭さんの作品をご紹介します!

『おいしいまんまるさん』

おいしい まんまるさん

まんまるさん まんまるさん あかい まんまる なーに? 

ページをめくるごとに、さまざまな色や形の食べ物が登場します。「赤くて丸い食べ物は?四角くて白い食べ物は?」身近な食べ物を当てっこするのは、とても楽しい読み聞かせ体験になることでしょう。色やリズムも楽しく、普段口にする食べ物への興味も引き出せる、オススメの作品です!

この絵本の作者は現在埼玉県の県立小児医療センターで、病棟保育士として活躍されている五味(ごみ)ヒロミさん。以前には5年間幼稚園教諭を務めたご経験もあるそうです。

3児の母でもある五味さん。病棟保育士として働きながら、絵本の教室や講座に通って、絵本作家になる夢を実現したんだって!

『おいしいまんまるさん』はそのデビュー作なんだよ!

『おいしいまんまるさん』
作者 作:五味 ヒロミ
絵:わたなべ あや
出版年 2017年
出版社 岩崎書店
対象年齢
目安
0~2歳くらい

『いない いない おかお』

いない いない おかお

赤いキュートな表紙、てのひらに乗る小さなこの絵本は、イラストだけでなく赤ちゃんのお顔の写真がたくさん載っているのが特徴です。笑ったり泣いたり、ちょっぴりユーモラスな顔をしてみたり…赤ちゃんの多彩な表情にあわせて「いないいないばあ」遊びができます。

リズミカルな文章に、読み聞かせをしている子どもたちもきっと笑顔になってくれるはず…。0歳から楽しめる作品です。

この絵本の作者は元保育士の北川チハルさん。結婚を機に3年務めた保育園を退職された後、子育てに奮闘するなかで絵本作家への道を志したのだそう。作家活動の他にも学校などでの読書サポート、子育て支援、おはなしライブなど幅広く活動されています!

『いない いない おかお』
作者 作:北川チハル
写真:三原 由宇
デザイン:LaZOO
出版年 2013年
出版社 アリス館
対象年齢
目安
0歳から

『ばらのことり』

この絵本の主人公は、おとうさんと二人暮らしをしている女の子、ふうこちゃん。

ある日亡くなったお母さんが好きだったバラの茂みでお花を摘んでいると、花の中で小鳥のひなが雨に濡れて震えていました。ふうこはおとうさんとその小鳥のお世話をすることに。ご飯をあげて、体を温めて…献身的にお世話をするふうこ。そしてある日保育園から帰ると…。

亡くなったお母さんへの想い、小鳥のお世話をするなかで成長するふうこの姿、絵本に散りばめられた細やかな描写が、読み手の心にじんわりと響く、すてきな作品です。

作者のよこみちけいこさんは、営業や塾講師、保育士などさまざまな経歴の持ち主。現在は二児の母として子育てをしながら、絵本や紙芝居を創作しています。他の絵本作品としては『かあさんのまほうのかばん』『たっちゃんまってるよ』など。

『ばらのことり』
作者 作・絵:よこみち けいこ
出版年 2003年
出版社 福音館書店
対象年齢
目安
5歳から
※備考 こどものとも567号に掲載

『どうぶつしんちょうそくてい』

どうぶつしんちょうそくてい

今日は動物園の身長測定!ちょっとでも自分を大きくしようとする動物たちの姿が可愛く、読んでいて元気をもらえる作品です。作品内の動物たちの身長は、動物園の協力を得たリアルな数値なのだそう。保育園や幼稚園での身長測定前に、ぜひ読み聞かせたい1冊ですね。

この絵本の文章を担当しているのは、絵本の読み聞かせで全国を駆け回る、聞かせ屋。けいたろうさん。絵本読み聞かせ公演や、絵本読み聞かせ講座、保育者研修会など、幅広く活躍されています。元保育士でもあり、この作品も保育士時代の経験からヒントを得たそうです。

『どうぶつしんちょうそくてい』
作者 文:聞かせ屋。けいたろう
絵:高畠 純
出版年 2014年
出版社 アリス館
対象年齢
目安
3歳から
「絵本は人と人とをつなぐもの」 聞かせ屋。けいたろうさんが語る読み聞かせの持つ力とは「幼い頃に読み聞かせをしてもらったことを、今でも覚えている」という大人は多いことでしょう。ワクワクしながら次のページへと思いを馳せた記憶...

『バスまってる』

バスまってる

わくわくしながらバスをまっているぼく。傍らには可愛く寄り添うネコの姿も。「♪まってる まってる まってる まってる」歌を歌いながらバスの到着を待っていると、そこにやってきたのは…?

ほんわかとした可愛らしいイラストと、繰り返される愉快な歌に、誰もが楽しい気分になれる作品です。巻末には絵本のオリジナル手遊び、歌を収録したCDも付属。クラスみんなで楽しめること間違いなしです!

この絵本の作者は、元幼稚園教諭のきたがわめぐみさん。骨折のために入院していた時に子どもたちからもらった絵が嬉しくて、ご自身でも絵を描かれるようになったのだそう。手遊びや歌を盛り込んだ楽しい作風は、元幼稚園教諭さんならでは。

『バスまってる』
作者 作:きたがわ めぐみ
出版年 2015年
出版社 えほんの杜
対象年齢
目安
1歳頃から

『おおきくなるっていうことは』

おおきくなるっていうことは (ピーマン村の絵本たち)

卒園や進級の際の読み聞かせにも定番の『おおきくなるっていうことは』。洋服が小さくなったり、できなかったことができるようになったり…。子どもたちは自分の成長を実感して、保育者や保護者はその成長を喜んで、互いにあたたかい気持ちになれるすてきな作品です。

保育園や幼稚園でも人気のこの絵本の作者は、日本ではじめて男性保育士として活躍された中川ひろたかさん。5年間保父として保育園に勤務されていたそうです。現在は絵本作家の他、詩人、ラジオDJなどマルチにその才能を活かされています。

中川ひろたかさんは、他にも『みんなともだち』(童心社)、『ないた』(金の本社)『ワニのスワニー』(講談社)などたくさんの絵本を出版されているよ!
『おおきくなるっていうことは』
作者 作:中川 ひろたか
絵:村上 康成
出版年 1999年
出版社 童心社
対象年齢
目安
3歳から

『ぐりとぐら』

 
ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

最後は言わずと知れたロングセラー絵本『ぐりとぐら』のご紹介です!料理すること、食べることが大好きなのねずみ、ぐりとぐらが森で大きなたまごを見つけて…

その心あたたまる絵に、登場する動物たちの愛らしさに、そして物語のなかに出てくるおいしそうなカステラに、懐かしさを覚える保育士さんや幼稚園教諭さん、保護者の方も多いのではないでしょうか。

登場する動物たちと一緒に、貴重な体験をしているような気持ちになれる作品です。

この絵本の作者である中川李枝子さんも、実は元保育士さん。東京都立高等保母学院を卒業後、新設の「みどり保育園」の主任保母となり、実に17年もの間保育士として活躍されていたのだそう。

『そらいろのたね』(福音館書店)、『いやいやえん』(福音館書店)、『こぎつねコンチ』(のら書店)など、有名な作品をいくつも世に送り出されてきた中川李枝子さん。保育士さんや幼稚園の先生なら知らない人は少ないかもしれないホィね!
『ぐりとぐら』
作者 作:中川 李枝子
絵:大村 百合子
出版年 1967年
出版社 福音館書店
対象年齢
目安
3歳から

編集者より

絵本

元保育士さんや、幼稚園教諭さんが作った絵本には、どこか保育の現場で培われたノウハウがギュッと詰まっている気がします。

子どもたちの心の成長に必要なことを知り尽くしているからこそ、すばらしい絵本が作れるのかもしれません。明日どんな絵本を読んであげよう…と迷った時には、時に先輩保育士さん、幼稚園教諭さんの力を借りてみるのも良いかもしれませんね!

子どもたちがこれからも1冊でも多くのすてきな絵本に出会えますように…。

参考文献・サイト

ABOUT ME
保育のお仕事レポート
保育業界専門の転職支援サービス「保育のお仕事」です。 「保育のお仕事レポート」は、現場で働く保育士さんのためのメディアとして運営しています。お役立ち情報や最新の求人情報は各SNS(FacebooktwitterLINE@)で要チェック!
保育のお仕事 最新求人