取材・インタビュー

「保育って、クリエイティブな仕事だと思う」ロハスキッズ・センター クローバー 高橋先生インタビュー

東京都世田谷区・二子玉川に構えられた認可外保育園「ロハスキッズ・センター クローバー」。
ここでは「自然の移ろいと触れ合い、子ども主体の時間を過ごす」ためのプログラムとして、園の向かいにある多摩川の土手での外遊びが毎日盛んにおこなわれています。
他の園では類を見ない特徴的な保育内容に惹かれ、入園希望者が殺到する人気の保育園です。

そんな環境下で子ども達を温かく見守り、日々の成長をサポートしているのが、「ロハスキッズ・センター クローバー」で保育士として働いている高橋志津子(たかはし しづこ)先生。
デザイン業界から出産を機に転職、保育業界へ飛び込んだ、少し珍しい経歴をお持ちのママさん保育士です。

今回の記事では、働く側から「ロハスキッズ・センター クローバー」の魅力についてお尋ねしました。

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    *シリーズ「保育ノゲンバ」は、保育施設や保育士・園長先生などにフォーカスし、保育の現場(ゲンバ)をお伝えするリポート取材連載です。

「スーパーマン」の助けになりたくて

――出産を機に保育業界への転職を決心されたとのことですが、そのきっかけはどのようなものでしたか?

高橋先生:38歳で出産を経験したときに、ものすごいカルチャーショックを受けたことす。
私は20歳からデザイン業界で働いていて、店舗設計などの仕事をしていたのですが、それまでは自分の時間をずっと仕事に費やせていたんですね。結婚はしていましたが子どもはいなかったので、仕事での人間関係がそのまま自分の世界、社会になっていたんです。出産している友達はいたけれど、それでも「ママ」という存在との接点が希薄でした。

――お子さんのいる人が身近にいなかったために、ご自身が出産して初めてその実情を知った、ということでしょうか。

高橋先生:はい。それまではママって何となく、ストレスもなくのんびり過ごしているようなイメージだったんです。ですが実際にはそんなことはなくて、自分の時間もエネルギーも全部子どもに費やしているということを実体験として知りました。子どもがいるだけでご近所さんにも話しかけられたりとかして、自分の世界が地域にも広がっていって。
そこで、「ああママってすごい存在だったんだな、働きながら子育てしているママはスーパーマンだな」って感じたんです。そして「そんな働くママを助ける仕事がしたい」と思って、一番身近で働くママを助けられる立場の保育士を目指すことにしました。

卒業制作を見に多摩美術大学へ

――素敵なきっかけですね! そんな中で「ロハスキッズ・センター クローバー」を就職先に選ばれたのはどうしてですか?

高橋先生:「ロハスキッズ・センター クローバー」はまだ保育士資格を取得するための勉強中に、友達からの紹介で知りました。ホームページなどを見ているうちに魅力的な園だな、と興味を持って、思い切って訪問見学してみたんです。その時は求人なども出ていなかったのですが、何かできることがないかなと思っていることを園長に伝えたら、そのまま面接を受けることになりました。

園長先生から「ロハスキッズ・センター クローバー」の保育についての考え方やお話を聞いて、自分の子どもを通わせたいな、と思うくらい感動したんです。絵本ひとつとっても子どもの世界をたくさん広げてくれるんだよ、とか、そういった話を夕陽の差し込む室内で聞いて。すごくいい時間を過ごせたな、って思いました。
その後、資格取得を機に正式に保育士として就職することになりました。

いつか支えになる原風景を、今、作ってあげたい

――高橋先生が、保育を行う上で意識されていることは何ですか?

高橋先生:私は今0~2歳児、乳児クラスの担任なのですが、この時期の子ども達って成長のスピードがとても速いんです。成長していこうとするエネルギーがとても強くて、1週間、1か月間でもどんどん変わっていきます。
だからこそ保育士としては、子どもの成長の一歩先を常に行くことを考えています。その子それぞれにとっての旬を掴んで、「今は何をしてあげるのがこの子にとって一番いいのかな?」ということを常に意識していますね。
子どもは自分の力だけでも成長しますけど、保育士がいっしょにいることで、よりよい成長をさせてあげられたらと思っています。

――そばにいる大人や取り巻く環境によって、子どもの成長の質は変わる……。園長先生も仰っていましたね。

高橋先生:子どもが生まれてからの発達や発育、成長の過程はどの時代も変わりません。子育ての環境は変わっても、子どもが学んでいく感情などは不変なんですね。ですが、どういう大人とどのようにかかわっていくかで感情の芽生え方は変わると思っています。それによって、子どもの世界も広がるんです。
新しいことを何でも吸収して育っていく子どもは、それだけでクリエイティブな存在です。ですが、そんな子ども達をどう育てていくか、それによってどういう大人になってほしいか。そういうことを考えられる保育もクリエイティブな仕事だなと思いますね。

――子どもの頃の経験がその後の人生を作っていく。それに関わっている保育士は、とてもクリエイティブな仕事をしていると思います。

高橋先生:私自身、小さい頃のことをよく覚えているんです。母の自転車の後ろに乗って走った砂利道の振動とか、そのときに見た夕焼けとか……そういうものが原風景になっているんですね。それって、大人になっても何かの支えになるんじゃないかなと思っていて。
ですから、0~6歳児の間に、素敵な原風景を子ども達に作ってあげたいなと思っています。

「太陽さん、バイバイ」日々感動する子どもの表現

2歳児のアートプログラム

――1日のお仕事の流れを教えてください。

高橋先生:私は早番に入ることが多いので、おおよそ以下の通りになります。

  • 7:30 出勤 すぐクラスに入って自由遊び
  • 9:15 朝会 おむつ替えなどの支度
  • 10:00 主活動(外遊び)
  • 11:30 昼食 その後午睡
  • 14:30 起床
  • 15:00 おやつ その後は降園時間まで外遊びや自由遊び

高橋先生:今年の夏は猛暑のために外遊びは中止にしていたのですが、今の時期(※取材日は10月下旬)は毎日のように外に出ています。朝の散歩ではサーキットだったりかけっこをしたりと目的をもった活動をしますが、午後の散歩では子ども達に自由に過ごしてもらっていますね。遊具のない中でも、子ども達はのびのび遊びを見つけて楽しんでいます。その中で虫を探したりとか、季節の変化なども敏感にキャッチしています。

――朝と夕方の外遊びで、子ども達は何か変化などを見つけられますか?

高橋先生:とても敏感に感じてくれていますよ!空模様や空気の匂いが朝と夕方で違うこともわかりますし、季節の移り変わりなどもよく気付いています。そのおかげで、子ども達がとても情緒豊かな表現をするんです。雲に隠れた太陽に向かって「太陽さん、バイバイ」って手を振ったり、また雲間からのぞいた太陽に「こんにちはだね」って声をかけたり。ただ太陽が見えた・隠れたではなくて、そういう表現をできるのが素敵だなって毎日思います。子ども達のそういう姿には感動しちゃいますね。

――そういう表現の引き出しが、大人になったときに人間としての深みを生むのですね。

編集者より

終始明るく朗らかにお話してくださった高橋先生。
「働くママの支援をしたい」と一念発起した高橋先生自身もまた、育児と仕事を両立させている「スーパーマン」のひとりです。
眼差しや言葉の端々からにじみ出る、子ども達への愛情やママへの尊敬、そして保育への熱い思い。取材でお話を伺いながら、「ロハスキッズ・センター クローバー」で育つ子ども達は幸せだな、としみじみ思いました。

お忙しいところ、取材にご対応いただきありがとうございました!
◆ロハスキッズ・センター クローバーについてはこちら

※この取材記事の内容は、2018年10月に行った取材に基づき作成しています。

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