だから保育はやめられない
読了の目安:約2分2秒
[記事公開日][最終更新日]

私は、今まで働く場所を変えては来たものの、学校を卒業してから、20年ほど保育の仕事をしてきている。

保育に固執しているわけでは決してない。
逆に視野を広げる為、別の世界も必要だと思っている。

天職だと思っているわけでもない。むしろ、向いていないのではないか?と思う時も沢山あったし、今も思う時がある。

毎日必ず「この関わりで良かったのか?」といった疑問もある。そして、この仕事はその疑問に対して完全な答えがない。どうなんだろうと、もやもやして終わる事もある。

なんで保育を続けているのだろう…。
それは、保育士をしている人には絶対に経験したことがある

「子どもと心が通う瞬間」

あの、何とも言えないあったかい気持ちになる瞬間。
私はその「瞬間」にもっともっと出会いたくて、保育を続けているんだと思う。

数年前の卒園式で、クラスの子どもが担任だった私にお花をくれた。
その時の言葉が今も忘れられない。
 
「せんせい、いつもはげましてくれて、ありがとう。」
 
なんだか、バタバタしている年で、自分の中でも、不完全な事も多かったなぁ…と感じていて、子どもたちが満足出来る様に出来ていないのではないかと思っていたが、私はこの一言で、すべてが救われた。めちゃくちゃ泣いた。涙が止まらなかった。

本当にありがたかった。
私の方が、子どもたちにいっぱい励まされている!

その子と心が近づいた、
その子が自分を信頼してくれた、
その「瞬間」がたまらなく愛おしく、あ~~~~~~この仕事をしてきて良かったと思える。

私は、この日家に帰ってから、自分の親に保育士の道に行かせてもらえたことに対して、お礼を言った。

先日、研修で一緒になった一年目の先生と話した時も、この「瞬間」の話を聞けた。

持ち上がりの先生と、一年目の自分が担任のそのクラス。

その先生とまだ完全に関係が出来ていなかった子(A君)が友達とけんかになり、先生が仲介で入った。上手く自分の気持ちを伝えられなかったA君に代わり、相手の子に気持ちを伝え、また逆に相手の子の気持ちを伝え…とじっくり関わった。その後、A君は自分から先生に寄って来て、先生の手をギュッと握ったそうだ。

「その時、この子と気持ちが通じたって思ったんですよね。頼ってくれたというか。」

とても良い表情で話してくれた。
この嬉しくなる気持ち、すごく分かる。

経験があるとか、ないとかそういうことではなく、この仕事をしている人はきっと経験してきているこの「瞬間」。

この瞬間に出会いたくて、私は保育をし続けている。これからも、もっともっとこの瞬間に出会いたい!この瞬間に出会う為に、自分自身もっともっと勉強が必要だとも感じる。本当に終わりがない。

だから、保育はやめられない。
友だち追加

The following two tabs change content below.
伊東香里

伊東香里

三重県出身。三重県内の公立保育園臨時保育士、私立保育園常勤保育士として20年程勤務。そのうち13年間を5歳児担任として過ごす。時々地域センターにて子育てイベント講師を行うほか、地元FMラジオにパーソナリティとしても出演。2017年4月より上京し、都内の保育園で勤務中。 趣味は身体を動かすこと。バドミントン・登山・フラダンスなど。