子ども同士のケンカ…保育士さんにとって難しいのが保護者への対応方法です。長期的なトラブルや親同士の摩擦になりかねない問題だけに慎重な対応が求められます。「どうしたらトラブルを防げるの?」と苦悩している方も多いのでは?今回はケンカの際の保護者対応で大切なポイントをご紹介します!
保育士さんの対応、保護者はどう思う?
預かる立場に身を置くと、預ける立場のことが見えづらくなることもあります。保護者によって保育士さんの対応やケンカに対する考え方は様々。
保護者に共通しているのは「我が子を心配しながらも、保育士さんや施設を頼って預けている」こと。ケンカが起こってしまった際も、できるだけ不安を減らし信頼を保つことがトラブル防止の秘訣とも言えるでしょう。
【対応法1】詳細な説明で信頼をキープしよう
保育園から「ケンカをした」「怪我をしてしまった」と聞いたとき、保護者はどんな状況で起きたのか、何が原因なのか、なぜ怪我をするまでに至ったのか知りたいもの。
説明が不十分だと「我が子をきちんと見てくれていなかったのでは」という不信感を生んでしまうこともあるでしょう。怪我の具合や事実の説明だけでなく、
- ◎なぜケンカになってしまったのか
- ◎子どもはどういう気持ちでやったのか
- ◎ケンカの際の子どもの様子やその後の様子
など、出来るだけ詳細に説明し理解してもらいましょう。保護者が帰宅後に子どもと話す際にも、保育士さんから聞いた情報は役立つはずです!
【対応法2】謝罪には反省点と改善点を添えて
管理不足など、保育士さんの側に非があった場合には当然謝罪をしますよね。
しかし謝罪の言葉を繰り返すような謝り方では火に油を注ぐようなもの。
「状況を説明しもっとキチンと謝ってほしい!」と余計に保護者を苛立たせてしまうこともあります。
反省点を明確にして、何に対して謝るのか、今後は具体的にどう再発防止に努めるのか、説明するようなイメージで謝罪をしましょう。
- 謝罪するの際の注意
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- 上司に必ず報告相談した上で行う。
- スピーディな対応を心がける
- 何に対し謝罪するか、原因は何だったのかを明確にする
- 今後の具体的な改善策を明確に伝える
- 問題が大きな場合は上司も同行し謝罪する
今は、心配や不安を与えたことに対して謝罪をすることもクレーム対応策として有名です。ただし取り入れる際は、所属する施設の方針を確認しましょう!
【対応法3】保護者の話は遮らないでに聞く!
状況の説明を十分にしても、保護者から意見やお叱りを受けるケースはあるでしょう。そのときに重要なのは保護者の話を共感的に聴くこと。下記の注意点に気を付けて対応しましょう。
- 保護者の話を聞く際の注意
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- 保護者の話を遮らず感情をすべて出してもらう
- 「そうですね」などの言葉を用いて共感のを示す
- 考えているような沈黙の時間があった際は保護者が話し出すまで待つ
- 「しかし」などの否定的な表現を避ける
【対応法4】連絡帳などで継続フォローを
ある保護者は、何度も我が子が同じ子とケンカをすることに対し「注意して引き離すなどしないのか」と不安を語っていました。また別の保護者は「ケンカではなくてイジメでは?」と心配している様子…。
一度ケンカや怪我が起こると、保護者はその後の子どもの様子や保育士さんの対応が気になるもの…。継続的に見守る姿勢を示し、細かな様子を伝えることで不安感を軽減できるよう、送迎時の会話や連絡帳などを有効に使いましょう。
【対応法5】保護者同士の接触は慎重に!
ケンカがあった際、保護者同士がトラブルになることも多いよう。「相手の親に謝罪に来させて!」「相手の親に謝りに行った方が良いでしょうか…」そんな要求や相談があった場合には、上司などに相談し指示を仰ぐようにしましょう。
今は保護者同士のトラブルを防止するため、ケンカをした相手、ケガを負わせた相手の名前を明かさない場合が多いよう。それに対し不満に思われてしまうケースもあるようです。保護者の意見を受け止めながらも、そういった措置をとる理由も含めた説明で理解を求めましょう。
編集者より
保護者対応が大きなストレスとなって退職した…保育士さんからはそのような声もよく聞きます。保護者それぞれに違う価値観を持っていますので、対応はマニュアル通りにいかないことも多いでしょう。しかし、成長の過程では子ども同士のケンカは避けられない道。日ごろのコミュニケーションで、保護者の理解と信頼を蓄積しておけると良いですね。