育児と仕事の両立はキャリアを考える上での大きな問題。残業が多い、お給料が低い…など、長く働く上での課題も多く抱える保育士さんは、子育てをしながら仕事を続けることについて、どのように考えているのでしょう。今回は100名の読者さまに、ご意見を伺ってみました!
38%が現状で「子育てと仕事の両立は難しい」と回答
まず、保育士さんや幼稚園教諭さんを中心とする100名の皆さまに、現在働いている環境で、子育てと仕事の両立ができると思うかを伺いました。
「仕事と育児の両立ができると思う」と回答したのは全体の43%。一方「両立ができると思わない」と答えた方は38%。4割ほどの方が、子育てをしながら働き続けることに不安を持っていることがわかります。
両立できると感じる理由は?
「子育てと仕事の両立ができると思う」と回答された方に、その理由を伺ってみたところ、産休・育休や職員の交代など、制度面で整っているという理由の他に、身内などに支援者がいるためという回答が多く寄せられました。
- ◆皆さまに頂いたご意見◆
- 両親や家族の協力があったからこそ続けることができた。それが無ければ現在の職場で子育てをしながら続けるのは無理だったと思う。(40代)
- 産休、育休をしっかりとれることで、安心して子どもが産める。(20代)
両立できないと感じる理由は?
一方、「両立ができないと思う」と回答された方にも、その理由を伺ってみたところ、圧倒的に多かった回答が「育児と両立できる業務量ではないから」というもの。持ち帰り業務や残業の多さが、大きな懸念点となっていることが伺えます。
- ◆皆さまに頂いたご意見◆
- 疲れてクタクタなのに持ち帰りの仕事も多く…子どものことを見る暇がない。(20代)
- 時間外での業務があり、さらに家庭に持ち帰っての仕事がある。仕事と家庭の事だけでも無理が出てきている状態で、子育てとの両立は難しい(40代)
仕事と子育ての両立で最も求められるポイントとは?
今回のアンケートでは、仕事と子育てを両立するうえで、大切と考えるポイントを3番目までお伺いしました。その結果を見てみましょう。
結果を見てみると、まずは産休・育休といった制度面の充実、そして配偶者など家族の理解、次いで子どもの状況に応じて臨機応変に対応できる勤務体系、周囲の職員の理解などが、多くの方に求められていることがわかります。
保育士不足の解消のカギにも…?現場の声
仕事と育児の両立のし易さには、職場による差もあるでしょう。しかし自由記述で頂いたコメントからは、現在の保育業界全体が抱える「子育てとの両立の難しさ」も伺えます。
保育業界は特に女性の割合が多くなっています。子どもたちの成長を支える立場にある保育士さん、幼稚園教諭さんですが、働きながら我が子を育てにくい…というもどかしい状況に置かれているのが現状です。
編集者より
経験豊富な保育士さんが長く働けるようにし、保育の質を高めるためには、安心して育児と仕事を両立できる環境づくりが欠かせません。
行政は待機児童問題解消を目指し、保育施設を増やす取り組みを行っていますが、それと同時に「働き続けられる」労働環境の整備がなければ、人材不足や離職率の高さは変わらず、現場により大きな負担がかかることも懸念されます。
とはいえ、そういった労働環境も十分な人材がいてこそ整備できるもの。処遇改善を中心とした、人材獲得へのさらなる取り組みに期待したいところですね。
・実施期間:2015年5月14日~5月28日
・実施対象:
保育士(77.0%)・幼稚園教諭(14.0%)・
その他保育関連職(1.0%)・主婦・その他(8.0%)
・回答者数:100人(平均年齢:33.1歳)
・男女割合:女性/100%・男性/0%
※ご協力いただきました皆さま、貴重なご意見をありがとうございました!