アンジェリカ保育園芝浦園は東京都港区、JR田町駅から徒歩7分程度の場所にある、東京都の認証保育所です。
レインボーブリッジやお台場など有名観光スポットにも程近い、都会の中心にある保育園、一方で都会的な環境にもかかわらず、アンジェリカのこだわりでもある提携農園での給食食材栽培や、食育にもしっかりと取り組んでおられるとのこと、今回はそんな魅力あふれるアンジェリカ保育園芝浦園にお伺いしてきました!
アンジェリカ保育園ってどんなところ?
今回編集者が訪れたのは、食育や英語なオリジナリティあふれる保育プログラムを展開しているアンジェリカ保育園。まずはその特徴についてちょっぴりご紹介しましょう!
- ◆アンジェリカ保育園とは◆
- 株式会社アンジェリカが運営を行う保育園です。東京都23区内に15の施設を運営しています。
保育において大切にされているのは、「アンジェリカの3-4-5(さん・よん・ご)」という合言葉。子どもたちの成長はもちろんのこと、子どもを預ける保護者の気持ちにも寄り添った理念を重んじています。
◆3つの理念◆ | |
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1 | 子育てと仕事を両立している女性の社会での自己実現を支援します |
2 | 多様化する保育ニーズに対応します。 |
3 | 次世代を担う子どもたちの育成に貢献します。 |
◆4つのこころを育てます◆ | |
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自尊の心 | 認め、愛され、大事にされ、いつも聞いてもらえるなどの体験を積み重ねることによって、自分自身への自信を育てます。 |
協調の心 | 集団生活の中で思いやりや責任感を育てます。 |
自立の心 | 自己の主体性を形成する環境とひとりひとりの個性を尊重します。 |
創造の心 | ひとりひとりの可能性を引き出すようにサポートします。 |
◆5つのこだわり◆ | |
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農園 | 日々の給食で使う野菜は埼玉県日高市の直営農場で栽培。農園での研修も実施します。 |
食育 | 食べることの喜びや楽しみ、感謝の「こころ」を育むため、豊富な食育カリキュラムやイベントを実施しています。 |
英語 | 異文化や他者を理解する「こころ」を育むため、 ネイティブの先生が保育士として子どもたちと接する機会を設けています。 |
絵本 | 健やかな「こころ」の成長に欠かせない絵本について、 読み聞かせや貸し出しを通じて厳選した絵本を提供しています。 |
リズム | 子どもたちの表現力を大切に育むため、 オリジナルのカリキュラム「アンジェリカリズム」を提供しています。 |
◆アンジェリカ保育園についてはこちら。
今回取材させていただいたのは「アンジェリカ保育園 芝浦園」!
JR田町駅に到着し、大通りを真っ直ぐ進む編集者。さすがに都会の中心だけあって、高層ビルも多く、道にはビジネスマンの姿が多く見られました。しばらく進むと見えてくるモノレールの線路。後ほどお伺いすると、お散歩の時間では子どもたちもこのモノレールを見て楽しむそう。
年に1度の脱穀体験を見学!
今回は、年に1度、食育の一環として行われる「脱穀」体験が行われるということで、見学させていただけることになりました!都心部の保育施設では珍しく広々としたテラスには見慣れない農業機械が…。子どもたちも興味津津でした。
今回お話をお伺いするのは、芝浦園の施設長兼園長である手塚さんと、アンジェリカ農園農園長の宮田さん。本日はよろしくお願いいたします!
▲芝浦園の施設長兼園長である、手塚利雄さん。
まずは芝浦園について伺ってみました!
――アンジェリカ保育園芝浦園は、東京都の認証保育所なのですよね。現在どれくらいのお子さんの保育をされているのでしょうか?
手塚園長:現在では47名のお子さんをお預かりしています。保育士をはじめスタッフの数は17名ですね。
――施設内にはいくつお部屋があるのですか?
手塚園長:そうですね、奥に2部屋と手前に2部屋、メインの部屋が4つあり年齢別で分けています。
――芝浦という、大都会の中の保育園、園庭はないとお伺いしましたが、戸外遊びは主にどちらでされているのでしょうか。
手塚園長:主に近隣の公園などを使っています。あとはテラスが比較的広いので、今回のようなイベントやプールなどはテラスを利用しています。認証保育園としては環境に恵まれていると感じますね。
▲アンジェリカ保育園芝浦園は、高層マンションの隣にある複合施設、エアテラスの2階にありました。この日はお天気も良く、さんさんと降り注ぐ日差しが、テラスや保育園の窓を明るく照らしていました。
▲突然の来訪者にも「こんにちは!」と明るく挨拶してくれる、かわいい子どもたち。ちょうど4~5歳がお散歩から戻ってきたところだったそうで、お部屋では他の子どもたちがお昼ごはんを食べ始めていました。
脱穀体験スタート!
脱穀の体験をするのは、4~5歳の子どもたち。ペダル式の脱穀機を使って稲からもみを取り外していきます。宮田農園長の説明の後、子どもたちは順番に脱穀を体験していました。
▲器用な手つきで稲を回転させながら、上手に脱穀をしていく子どもたち。「ジーコン、ジーコン」と脱穀機の回る音がリズミカルに響きます。
▲この稲も実は5歳の子どもたちが田植えをしたものだそう。先日埼玉県の農園に稲刈りに行ったのだと、手塚園長が教えてくださいました。お米のできる過程を年間を通じて観察できるのは、都内ではとても貴重なことではないでしょうか。
――今回は脱穀体験を見せていただきましたが、アンジェリカ保育園では他にもプランターで野菜を栽培されるなどさまざまな食育の取り組みを実施されているのですよね。どれくらいの頻度でイベントを開催されているのですか?
手塚園長:夏から秋にかけてはトマトが実るなど毎日のように何かしらのできごとがあるため、イベントというよりは生活の一部のようになっていますね。プランター栽培に関してはもう収穫が終わってしまっているのですが、スイカなども栽培して大きさを日々測ったりしていましたよ。
――スイカ!それはすごいですね!やはり子どもたちの食への意識というのは変わるものなのでしょうか?
手塚園長:やっぱり変わりますね!
――食育に取り組んでいる園は多いですが、特に都会だと、アンジェリカのように農業体験までできるところはとても限られますよね。
手塚園長:そうですね、あったとしても生産者と直接関わるということはあまりないですね。例えば保育園ではよく実施するトウモロコシの皮むきなども、一般的にはトウモロコシを渡してそこから皮をむくだけなのですが、うちの場合は茎からもぎとるところから体験ができます。そこはアンジェリカ農園と提携をしているからこそ実現できることだと思いますね。
▲今回は脱穀したお米を玄米にし、おにぎりにしてみんなで食べるのだそう!またお正月には餅つきにも使用されるとのこと。田植えから自分たちの口に入るまでの一連の流れを体験する中で、子どもたちは食に関する関心や知識を身に付けていきます。
園長とお話をする間にも、どんどん稲がもみ殻に姿を変えていきます。自分たちが田植えを行い、収穫した稲。子どもたちも収穫時の稲との色の違いなど、さまざまな発見をしながら、脱穀体験を楽しんでいるようでした。
▲もみ取りを体験する子どもたち。宮田農園長が詳しいもみの取り方や、現在では機械を使ってもみ取りを行うことなどを子どもたちに伝えていました。
▲年長さんの脱穀を興味深そうに見つめる子どもたち。時折お姉さん、お兄さんが脱穀したもみ殻を見せに行ってあげていてとても微笑ましい!年下の子どもたちももみの質感を触って確かめていました。
――田植えや稲刈りは実際に日高市の農園へ行かれて行うのですか?
手塚園長:はい。遠足のようなかたちで保護者も参加されるんですよ。
――お父さまやお母さまも参加できるのは嬉しいですね!
手塚園長:保護者の方も楽しみにしてくださっているんですよ。お父さま、お母さまが楽しめるからこそ、子どもたちが楽しめるという部分もありますから大切なことですよね。職員にとっても農園に行ってさまざまな体験ができますので、皆楽しんでいますよ。
▲先生もちょっぴり脱穀を体験!職員にとっても食への意識を高める重要なイベントになっていました。
▲脱穀体験は無事に終了。最後は子どもたちが宮田農園長にしっかりとお礼を伝えていました。
――(宮田農園長に)ありがとうございました。子どもたち、生き生きしていましたね!アンジェリカ保育園は都内に複数ありますが、1日何カ所くらい回られるのですか?
宮田農園長:1日に2カ所くらいが限度ですね。こういった脱穀体験や餅つきなどイベントも年に何回かあり、交代で15の園で行うんですよ。
現代では子どもたちの生活もだんだんと農業から離れてしまって、何を食べているのかも分かりにくくなってしまっていますけれども、目の前で実際の野菜や穀物などにふれるという体験をしてもらうことで、食に関して身近に感じてもらえれば良いなと思っています。
――確かに、今は精米されたお米や加工された野菜が当たり前になってしまって、なかなか栽培の過程を知る機会が少なくなってしまっていますものね!
▲穏やかな笑顔が素敵な宮田農園長。アンジェリカの15の保育園を順番に巡って食育の機会を提供してくださっています。
――アンジェリカ保育園では、毎週農園直送で野菜が届けられているそうですね!
手塚園長:はい、今日はちょうど食材が届く日なのでよろしければご覧になりますか?
▲…ということで食材の受け渡しを見せていただけることになりました。食材はきちんと子どもたちが給食室に運びます。宮田農園長の「この野菜は何かな?」の問いかけに「ジャガイモ!」「さといも!」などと元気に答える子どもたち。ホウレン草との違いに気付いて小松菜を言い当てる姿には編集者もビックリ。日頃からの食育の取り組みが、食材への関心へもつながっているのだなと感じました。
▲取材日の給食に使われた食材もアンジェリカ農園で作られたもの。園の入り口にはボードが設置されており、保護者の方が送迎時にどんな食材が使われているのかわかるようになっています。
▲給食室の扉はガラスの部分が大きめ。これは子どもたちが調理中のお部屋を覗きこめるように工夫されたもの。栽培から調理、そして自分たちの口に入るまで、一貫した食育へのこだわりが感じられました。
▲「調理室が子どもから見えるようにすることで、誰がどのように調理しているかを知ることができますし、コミュニケーションが生まれます。そのことが食育にもつながると思うんですよね。」と話してくださった手塚園長。調理室が奥まったところにある園も多い中、アンジェリカ保育園ではとてもオープンな空間となっていました。
▲普段部屋は年齢ごとですが、食事は2~5歳合同で行っていました。
食事の際や、午後の時間には栄養士さんや調理員の方が保育の現場に入ることも多いのだそう。
手塚園長:食育への取り組みとして味噌づくりも行っているんですよ。1年前に今は卒園した年長さんが大豆から味噌をつくるんですね。それを寝かせて発酵させて、豚汁にするんです。そして小学生になった子どもたちを呼んで、「豚汁パーティ」という同窓会を開くんです。
――それはステキですね!食育で卒園後までつながっている。他の保育施設ではなかなか経験できないことですよね。
この取り組みは毎年伝統的に行っているとのこと。味噌づくりでは栄養士さんも指導を行うそうです。次の豚汁パーティの開催は年明け。開催が楽しみですね!
絵本の貸し出しも行っています!
子どもたちのこころを育てるために絵本も積極的に活用しているアンジェリカ保育園。取材に伺った際はちょうど運動会の準備のため、作業室になっていましたが、絵本が置かれた多目的室も設置されていました。廊下には今月のオススメ絵本がずらり。子どもたちの貸出カードも設置され、気にいった本が借りられるようになっています。
自然な職員の姿が見られる掲示板
廊下の壁面には、手塚園長をはじめスタッフの皆さまの写真が掲示されていました。
手塚園長:これはみんなプライベートの写真なんですよ。
――園のなかで職員の方の普段の姿が見られるというのは珍しいですね!
手塚園長:プライベートの写真だと”素”が出ますよね、こんな趣味があって…という私生活の部分を見せることで保護者との距離が縮まることもあるんですよね。この方が親近感が湧くという…そういったねらいもあります。
パネルには2人の可愛いお子さまと写った手塚園長のお写真も。手塚園長は芝浦園のオープニングにも関わられ、一度異動で他園で園長経験を積んだ後に、また芝浦園に戻られたのだそう。
――アンジェリカでは異動もあるのですか?
手塚園長:はい。異動を通じてレベルアップもしていきます。
――勤続年数などで決まっているのですか?
手塚園長:決まっているわけではありませんが、個人のパーソナリティや、その時の保育園ごとの人材ニーズによりますね。
パネルには毎日保育に携わる保育士さんだけでなく、臨時で園を訪れる宮田農園長や、英語のネイティブの先生の写真も掲示されていました。
――こちらはアンジェリカの大切にする英語を担当される先生ですか?
手塚園長:はい。週4回、0歳から英語に取り組んでいます。
――ちなみに0歳ではどのような英語教育を行うのですか?
手塚園長:絵本を読んでもらったり、音楽に合わせて踊ったりというものが多いのですが、もともとアンジェリカの英語というのが、英語を覚えるためにスタートしたわけではないんです。アンジェリカの理念が「こころを育てる」ことにあるので、英語の先生がいることによって外国の方を受容するということが自然にできています。
実際英語の時間は10分~20分程度なんですが、そのあと一緒に遊んだり寝かしつけや、食事補助をしているので、「英語の先生」というより、皆と同じ先生のひとりですね。
――なるほど、いらっしゃるのが当たり前のことになっているのですね!
手塚園長:英語を含め、アンジェリカにはいろいろなカリキュラムがありますが、子どもたちはそれぞれに楽しんで取り組んでいますよ。
取材の際も本当に楽しそうに目を輝かせていた子どもたち。子どもたちの興味や関心を引き出すさまざまなカリキュラムが、心の成長につながっているようです。
アンジェリカ保育園芝浦園で働く保育士さんに密着!
ここでお話は手塚園長から、アンジェリカ保育園で働かれて2年になる斉藤裕基子さんにバトンタッチ!ここからは働く上で知りたい情報をいろいろとお伺いしてみました。
ただいま運動会のための制作真っ最中の斉藤さん。運動会は11月初めの日曜日。それに向けて手作りのトロフィーを作られていました。
――斉藤さんは今、働かれて2年目とお伺いしました。以前は別の保育園にいらっしゃったのですか?
斉藤さん:はい、アンジェリカに来て2年目です。以前は別の地元の保育園にいました。保育士経験は今年で5年目になります。
――ということは上京しての転職だったのですか?
斉藤さん:そうですね、1人暮らしをして都会の生活を楽しみたいなと(笑)
――そうなのですね!アンジェリカで働こうと思われたきっかけは何でしたか?
斉藤さん:大学に求人情報をもらいに行ったときに、たまたまアンジェリカの求人が合って。パンフレットを見せてもらったところ子どもたちが本当に楽しそうにリズムをやっていたんですね。前の保育園もリズムに取り組んでいたので、楽しそうだなと思って応募しました。
――なるほど。リズムについてはご入職前にすでにご存じだったのですか。
斉藤さん:もともとリズムが好きだったので、前職と同じようなリズムに取り組んでいる園であれば、また子どもたちと一緒に取り組みたいなと思っていたんです。今は日々の保育の中でも、よく歌ったりしてリズムに親しんでいます。
――ご入職後にアンジェリカの英語や食育などについて研修などはあるのですか?
斉藤さん:英語に関しては、私もしゃべれないのですが、ネイティブの先生が子どもにもわかりやすく毎週教えてくれるので、子どもたちと一緒に取り組みながら自分たちも学びにしています。食育に関しては農園に行く機会があるので、楽しみながら「サツマイモはこうやって伸びるんだよ」とか「ピーマンはこんな花が咲くんだよ」とか都度勉強になっていますね。
――働く中で、これはアンジェリカ保育園ならではだなという魅力はありますか?
斉藤さん:私の場合には都会に憧れて東京に来たので、都会的な環境に魅力を感じています。園庭などもありませんが、近くには公園があるのでそちらを利用したり、お台場も近いのでレインボーブリッジの近くまで行ったり…こういった経験は都会でないとできませんから、とても楽しんでいます。
新幹線やモノレールも近くに見えるので、そういったところに子どもたちと行くのが楽しみでもありますね!
▲園のある建物の向かいにある公園。他にも近隣にはいくつか外遊びができる公園などがあるそう。珍しいドクターイエローなどもたまに通るのだそう。…斉藤さんは残念ながらまだ見たことがなく、見られる日を楽しみにされているのだとか。子どもたちといつか見られたら良い思い出になりそうですね!
――ホームページには延長保育が23時までと書かれていましたが、長い時間保育をされているようですね。
斉藤さん:そうですね。長めにはなりますが毎日最終預かり時間までというケースは、そんなに多くは発生しないです。
――残業や持ち帰り業務にかかる時間は平均でどれくらいでしょうか?
斉藤さん:そんなにはないですよ。運動会などの行事の際にも、係の保育士さんは他の保育士さんと相談して、通常業務から抜ける時間を確保してもらえたりもしますので、業務時間内に作業ができる環境が整っています。行事の1~2週間前になると2~3時間残業することもありますが、それ以外はあまりないですね。
――職員の方同士の人間関係はいかがですか?
斉藤さん:すごく仲が良くて、例えば体調の悪いときには気遣ってくれます。やれることだけできるように適宜抜けさせていただくこともあるんですよ。栄養士さんとの交流もありますね。0歳児の離乳食などで食べさせづらいものがあると見に来てくれたり、相談に乗ってもらったりしています。
――それはとても良いですね!では最後に、今後どのような方と一緒に働きたいと思いますか?
斉藤さん:そうですね、自分にないものを持っているというか…例えば体を動かすことが得意であったり、制作が得意であったり、いろいろな”得意分野”を持っている先生と関わりながら、自分もいろいろと学んでいきたいなと思いますね。
――ありがとうございました!
編集者より
アンジェリカ保育園は、特徴的な農園体験や食育だけでなく「こころを育てる」理念を大切に、さまざまな取り組みを行っていました。実際に園を見学させていただいて、子どもたちはもちろん先生方も皆生き生きと保育をされている姿が大変印象的でした。今回取材にご協力いただきましたアンジェリカ保育園の皆さま、本当にありがとうございました。
現在アンジェリカ保育園では、一緒に働く職員の方を募集しています。「応募したい」「興味がある」そんな方は、ぜひお気軽にお問合せ下さいね!
※この取材記事の内容は、2015年10月に行った取材に基づき作成しています。