この4月から、いよいよ憧れの保育士の第一歩を踏み出す皆様、おめでとうございます。
一年目の先生と接すると、自分もフレッシュな気持ちになり、そして自分の保育士一年目を鮮明に思い出します。
私の一年目は、5歳児の加配保育から始まりました。
最初、園長先生から言われた時は、ショックでたまりませんでした。
というのも、実習で行った5歳児のクラスがなかなか大変で、実習生の時に「5歳児の担任は絶対にしたくない!」と思い込んでいたからです。
しかも、全く無知な世界の「加配」です。
私が担任していたHちゃんは、生活全般で介助が必要で、クラスの子たちが、他の活動をしていても中に入れず私とほぼ一対一で遊ぶ毎日でした。
今の自分だったら「こんな風にしてみたら、みんなの中に無理なく入れるかな」とか「まぁ…無理に入れなくてもいいか~」など、臨機応変に対応できそうですが、その時は相談もできず毎日孤独でした。
一緒に学校を卒業した友達は、それぞれクラスを持って、毎日大変ながらも、充実しているように見え、羨ましく感じていたのを覚えています
Hちゃんは、箱ブランコが大好きで、毎日二人で乗っていました。最初の頃は全く私を担任だと認識していなかったようですが、毎日一緒に乗っていることで、私の事を認識してくれるようになってきました。
ある日、箱ブランコにいつもの様に向かい合って座り、揺られていた私たち。とても気持ちがよかったのか、いつもはあまり表情を変えずに乗っているHちゃんの表情に笑顔が見られました。
私は、嬉しくて、しばらくブランコをこいでいたことを今でも鮮明に覚えています。
日を追うにつれ、関係が出来てきて、クラスの子を入れながらの活動も出来る様になりました。
出会った頃に比べ成長が感じられ、とても嬉しかったです。
卒園式では、Hちゃんやクラスの子達と別れるのが悲しくて、悲しくて、いっぱい泣きました。
当日を迎えるまでのクラスにあった「そつえんしきまで、あと○にち」カレンダーの数字を見るたび泣いていました。
卒園式では、Hちゃんのお母さんから「先生も、Hと一緒に小学校に行ってくれたら嬉しいのに。」という本当にありがたい言葉を頂きました。
一年目に加配になった時は、あんなに悩み迷っていたのに、今振り返るとHちゃんとの出会いは、保育の神様に与えられた運命だったと思っています。
そして実習生で嫌になっていた5歳児もこの一年目でクラスに入った事で「なんて、面白い年齢なんだ!」と学ばせてもらいました。
この時期は、先輩に「乳児保育は保育の原点だから、学ぶと加配の関わりも良く分かって来るよ。」と教えていただいたり、主担任の先生からも沢山の事を吸収でき、本当に学ぶことの多い毎日でした。「いつか私も年長で主担任出来たら良いな。」といった目標を立てたのも覚えています。
一年目、悩みをたくさん抱え、沢山の失敗をしながら過ごしましたが、振り返るとまさに私の原点で、この時期を抜きに私の保育士人生は語れません!
いよいよ新学期!
一年目の時に抱いた気持ちを忘れずに、新しいクラスの子どもたちと、ドキドキワクワクあふれたクラスを作っていこうと、決意を新たにしています。