キャラクターはアンパンマンが最強?
私は現在、乳児を担当しているのですが、子どもたちを見ていると1~2歳児の子たちにもそれぞれお気に入りのジャンルやアイテムがあることに気づきます。
キャラクターでいうと、私が担当している子どもたちに特に人気があるのは「アンパンマン」です。食器からカバン、靴下、パンツまで身の回りの物がすべてアンパンマンになっている子もいたりします。
仕事を始めたばかりの頃、トイレに行くのを嫌がって泣いている子どもをトイレに誘導することができなくて、途方に暮れたことがありました。しかしトイレに貼ってあったアンパンマンのイラストに、何度も助けられました。
あんなに泣いて嫌がっていた子でも、「アンパンマン見に行こうか」と声をかけたり、抱っこしてアンパンマンのイラストを一緒に見たりすると、気持ちが切り替わってトイレに入るようになったのです。
また、「とんとんとんとんアンパンマン」の手遊びも、絵本を読む前や話をする前などに使うことが多いです。
アンパンマンにはまったく頭が上がりません。
他のキャラクターで人気があるのは、キティちゃん、ドラえもん、きかんしゃトーマスなどでしょうか。
どうして恐竜が好きなの?
子ども達がもう少し大きくなって3歳以上になると、図鑑で調べる必要のあるマニアックな興味対象が登場します。
例えば、「鉄道」はその中でも細かくジャンル分けがあり、お母さん同士の会話でも「うちの子は在来線担当で、新幹線はあまり興味ないみたいです」という話が出てきたりもするほど。
マニア度はかなり高そうです。
他にもマニア向けなジャンルとして昆虫、植物、動物、恐竜などがありますが、中でも私が注目しているのは「恐竜」です。
他のもの、例えば電車であれば外出時に電車を見たり乗ったりする機会があるし、動植物なども実物を見る機会があるので、興味を持つ理由がわかりやすいですよね。
しかし恐竜は現存していないので、子どもが目にすることができるのは絵本や図鑑の中か、博物館にある骨やレプリカくらいです。
子どもたち、というより現代人にとって身近とは言えない恐竜が、なぜ人気なのでしょう。
先日、こんなことがありました。
3歳のSくんは恐竜が大好きで、私のところに大きな図鑑を持ってきて、恐竜の名前や大きさ、肉食草食どちらなのか読んで欲しいと、目をキラキラさせて聞いてきます。
図鑑の最後に恐竜が展示されている博物館のリストが載っていて、Sくんは復元した恐竜の展示が一番たくさんありそうな博物館の写真を指差して、どこにあるのか私に尋ねました。
「京都だね」と答えると、普段おとなしくて自己主張をあまりしないタイプのSくんは「遠いから、『連れてって』って言ったらお母さんに怒られちゃう」と少ししょんぼりしていました。
Sくんが住んでいるのは東京都なので確かに気軽に行ける距離ではなく、そのことを本人もわかっていたようです。
しかし、Sくんは結局、恐竜を見るために勇気を振りしぼってお母さんと話をして、夏休みに博物館に連れて行ってもらう約束をしていました。私は「おとなしいSくんに自己主張する勇気を与えてくれた恐竜の力はすごいな」と感心してしまいました。
恐竜がなぜ子どもたちの心をひきつけるのか、その理由は私にはまだわからないのですが、今日も子どもたちは目をキラキラ輝かせて恐竜の本を読んで欲しいと持ってきます。