待機児童問題や人材不足の深刻さからニーズがますます高まる保育士さん。その一方で給与水準の低さ、体力的な仕事のつらさ、業務量の多さなどから離職の道を選ぶ方も多い現実も。そんな中保育士を続ける方のモチベーション維持に大きな影響を与えているのが、仕事の”やりがい”だと言われています。本日はそんな保育士というお仕事のやりがいと魅力をさまざまな視点からご紹介します。
保育士さんの声から見る!保育士ならではの魅力
日々反省することも落ち込むこともある中で「明日も頑張ろう!」と思わせてくれるような保育士さんのやりがい…皆さんいろいろな部分で仕事の魅力を感じているようです。まずは保育士さんの声を集めてみました!
◆ 子どもと関われるということ
- ■「先生、大好き!」
-
子どもをギュ〜ッと抱きしめた時には幸せを感じますし、子どもが喜んでいることを一緒に喜べた瞬間がとてもうれしいです。また「先生大好き」という子どもの言葉で「大変だけど、この仕事を選んで良かった」と、心からのうれしさとやりがいを感じます。
《出典》仁愛女子短期大学|女子力
- ■子どもの素直さに気付かされること
-
子どもと一緒に過ごすうちに、小さな花が咲いたとか吹く風が心地よいとか、今まで気にかけることもなかったささいなことに、感動するようになりました。「わあ、きれい」「虫さん見つけた」「おいしいね」など、子どもの何気ないつぶやきの数々に、なぜか心がふんわりとして、ほのぼのした温かな気持ちになりほほえんでしまいます。 私が落ち込んでいると気づくと、「先生には○○ちゃんがいるからね」と抱きついてくれたこともあります。私が癒されていますね。
《出典》キラリン★|現役保育士のお仕事レポート
- ■子どもたちの笑顔がうれしい
-
保育士としてのやりがいを感じるのは、やっぱり子どもたちの笑顔を見たときです。例えば、それは朝の会話中にもあります。私の顔を見て、「せんせい、おはよう!」と、とても元気な声であいさつし、周りに集まってくれるんです。それに、自分が紹介した手遊びなどを喜んで実践してくれたときもうれしいですね。何気ない保育園の日常かもしれませんが、そんな場面に出会う度に、「保育士の仕事に就いてよかった!」って思っています。
《出典》リクナビ進学|先輩インタビュー
◆ 人の成長に関われること
- ■日々成長の感動がある!
-
保育士は本当にやりがいがある仕事だと思います。
保育園で勤務していると、親御さんよりも子供と接する時間が長いことも多く、親御さんより先に子供の成長を見ることができたりします。
昨日できなかったことが今日はできるようになっていたり、初めての言葉を発する瞬間を共に過ごせたりと日々感動しています。子どもが、初めて私のことを名前で呼んでくれるようになった時は本当にうれしかったです。
《出典》保育士の資格取得!
- ■卒園後も続く絆
-
子どもたちとの関係は卒園しても続いています。例えば外で出会うと声をかけられたり「中学生になりました」と園に報告しに来たり、ボランティアや職業体験等で保育を仕事として見に来た時などに、つながりを実感しています。
卒園後の子どもの成長を見ることは私たちにとってうれしいことです。ニュースを通してスポーツ大会や文化活動で活躍している子どもの姿を見ると「あのやんちゃだった子が立派になったな、頑張っているな」と感慨深く当時のことを思い出します。
《出典》香川県健康福祉部健康福祉総務課 福祉・介護の仕事辞典
◆ イベントを通じて喜びが得られる!
- ■予測不能な中うまく進行できた達成感
-
運動会の例ですが、なかなか時間通りに進めていくというのは難しいことです。子どもが主体にしていくことですから、何があるかわからないものです。その予測不能な状態で行事がうまく進行することができたときはやりがいを感じます。
また、そんなときは保護者の方からも感謝の言葉をいただくこともできます。「うちの子があんなに張り切っているの見たことなかったです。」のような言葉をいただいたときはうれしさや喜びは数段とアップします。
《出典》careergarden
- ■季節の移り変わりを身近に感じられる
-
「よかったなぁ~、なんだか得したなぁ~」と感じたことは1年間を通して行われる行事が季節の移り変わりを他のどの仕事よりも身近に感じ、触れ、楽しむことができるということです。忙しい日々の生活の中でもゆったりと季節を感じられるのは、とてもうれしいことです。これが、保育士としての1つのメリットではないかと私は思います。
そして、保育士は、保育士以外の職業にも度々変身することができるすごい職業なんですよ!遠足や動物園などの園外保育の時は、バスガイドとなって…夏祭りの時はまるで出店の人です。そんな経験なかなかできませんよね。
《出典》ベテラン保育士が教える 保育士ってなに!?
◆ 社会貢献的役割
- ■保護者のサポート、友人や自分の子育てにも…
-
保育士は子どもを育てるのと同時に、保護者をサポートする仕事でもあります。とても信頼され、感謝されることが多いです。保護者と子どもの成長を一緒に見守り、共有できます。これもまたやりがいや毎日の活力へとつながります。それから、自分の友達の子育てのサポートができたり、自分自身の子育てにも役立ちます。
《出典》保育士になるには
- ■社会貢献できている実感
-
一時保育や、地域交流にも積極的に参加し、社会のニーズに応えていく。正直、現場は大変なときもありますが、社会貢献できていると実感できるのは、うれしいことだと思っています。
《出典》Pigeonhearts Corporation
仕事に疲れたら…成長した子どもたちの声を聴こう!
成長し卒園していく子どもたちの心には保育士さんの思い出がたくさん詰まっています。卒園の時に別れを惜しんで泣いてしまう子も多いのではないでしょうか。そんな子どもたちは大人になってもその感謝を持ち続けています。
- ■寂しさを感じなかった
-
私は親が働いていたため1歳ぐらいから保育所に預けられましたが、さみしい気持ちよりも楽しかったことを覚えています。保育所に憧れの先生がいて、「先生みたいになれたらいいな」と思うようになりました。
《出典》キラリン★|現役保育士のお仕事レポート
- ■先生のおかげで…
-
昔の先生たちにあいさつしてきた!進路話したらめちゃくちゃ喜んでくれた。あたしが絵がすきなのって、なんだかんだずっと描き続けてられるのって、あの保育園や先生たちのおかげだから、本当に。がんばろう。
《出典》Twitter|ありこさん@arcxxxsis
保護者の方からも感謝されています!
子どもを想うがゆえにトラブルになることも多いと言われる保育士と保護者。一方保育士さんに心から感謝している方もたくさんいらっしゃいます。
- ■先生に教育していただいています
-
1歳の娘を10時頃寝かしつけていたが、保育園の先生から9時台に寝るよう言われた。子供の脳が一番発達する時間が10時からだそう。ありがとう、先生!無知な私は先生に娘と併せて教育していただいてます!
《出典》Twitter|ヒラメのおかんさま@Ramemama
- ■先生のおかげで安心して仕事に行けた
-
今朝、保育園へ行ったら異動になって他の保育園に行ってしまった先生が息子に会いに来てくれた。息子は、この先生が大好きで一途に思ってたんだよね、親子で大好きな先生がいるとホッとして仕事に行けた。息子は忘れてしまってるっぽいけど、私は涙を流してしまった…あんな優しく声をかけてくださり…涙が止まらないよ。
《出典》Twitter|きょうこさん@roku0616
編集者より
現役の保育士を続けておられる皆さまからは、日々頑張っておられる中での大変さをお寄せいただくことも多くあります。本当にお辛いことも多いかと思います。ただ、今回さまざまな方の言葉を集める中で、皆さまなくして子どもたちの今の笑顔はあり得ないことを痛感しています。
世の中に仕事多しと言えど、これだけ多くの方に感謝され、人の人生に影響を与える仕事は多くはありません。どうか保育士というお仕事を選ばれ、頑張っておられるご自身に誇りと自信を感じていただけたらと思います。それと同時に行政には、早急に保育士さんの処遇の改善に全力を尽くしていただきたいと願います。