保育士の皆さん、毎月のお給料明細はきちんとチェックしていますか?
振込金額だけなんとなく見ている……という方、もしかしたら損をしてしまっているかもしれません。
受け取るべき金額を把握して、しっかりお給料をもらうためにも、今回は給与明細の正しい見方を学んでいきましょう!
保育士の給与明細を見てみよう
上記は一般的な保育士さんの給料明細書サンプルです。
いろいろな項目のある給与明細書。あなたはすべての項目の意味が分かりますか?
ついつい支給額にばかり目が行ってしまいますが、きちんとチェックしないと、雇用契約と違う! などということにもなりかねません。毎月しっかり確認しましょう。
【勤怠】で出勤データをチェック
「勤怠」は出勤日数や労働時間が書かれた項目です。主に下記のような項目があります。
自分の勤務記録と比べ、誤りがないかチェックしましょう。
勤怠の一般的な記載項目 | |
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出勤日数 | その月に出勤した日数が記載されます。 |
勤務時間数 | その月に勤務した時間の合計が記載されます。 |
時間外勤務時間 | 労働基準法で定められた法定労働時間を超えた労働をした場合に、その勤務時間が記載されます。深夜や休日の残業は、割増金額の計算率が異なります。 ・普通:1時間の賃金×1.25 ・深夜:1時間の賃金×1.50 ・休日:1時間の賃金×1.60 |
有給日数など | 有給を消化した日数や残日数が記載されます。 |
公休日数 欠勤日数 |
公休で休んだ日数や欠勤扱いで休んだ日数が記載されます。 |
遅刻早退回数 | 遅刻や早退をした場合に回数が記載されます。 |
タイムカードがない場合は、自分で労働時間などを控えておくとよいでしょう。
計算間違いに気づくことができますし、間違っていることを伝えるときにも役立ちます。
【支給】で支払われるお金をチェック
「支給額」は支払われる金額が記載された項目です。
勤務先によって手当などは異なりますが、主に下記のような項目があります。
支給の一般的な記載項目 | |
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基本給 | 手当などを除く基本賃金が記載されます。 |
特殊業務手当 | 職場にもよりますが、行事などの特殊業務に対して支払われる手当の金額が記載されます。 |
調整手当 | 残業代の一部として一律で支払われる場合や、勤続年数で上がる場合などさまざまなケースがありますが、その職場の規定の調整手当の金額が記載されます。 |
管理職手当 主任手当 |
役職を持つ方に支払われる手当の金額が記載されます。 |
扶養手当 住宅手当 |
職場によってない場合もあります。扶養家族がいる場合の手当や、家賃などの補助金額が記載されます。 |
通勤手当 | 通勤にかかる電車やバスの定期代などが記載されます。 上限がある場合もあり、満額支払われるとは限りません。なお、公共交通の場合10万円までは非課税です。 |
他にも、保育士資格を持っていることによる資格手当などもあります。
手当は職場によって異なりますので、雇用契約時にどのような手当があるのかよく確認しておきましょう。
そして、その手当がきちんと入っているかを、給料明細書でチェックしてください。
【控除】で引かれるお金をチェック
「控除額」は税金など、支給額から天引きされるお金について記載された項目です。
年齢などによっても異なりますが、下記のような項目があります。
控除の一般的な記載項目 | |
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健康保険料 | 病気やけがの医療費負担を軽くする保険。 保険料は会社と従業員で50%ずつの負担です。 保険料算出の基準になる標準報酬月額は、毎年4.5.6月の報酬の平均額で決まります。その年の9月から保険料が変わるのでご注意を。 |
介護保険料 | 寝たきりなどになった場合に介護が受けられる保険。 40歳~64歳までの従業員が保険料を負担します。こちらも毎年9月から保険料が変更になります。 |
厚生年金保険料 | 退職や死亡時などに、本人や家族が年金を受給するための保険。 こちらも4~6月の給与額によって、9月から保険料の変更があります。 |
雇用保険料 | 失業してしまったときに、次の職場が見つかるまでの生活を支えるための保険。 保険料は給与総支給月額×1.35%で算出し、うち0.5%を本人が負担します。 |
所得税 | 個人の所得に対して加算される税金。 12月の年末調整で過不足調整されます。 |
住民税 | 前年の課税所得に基づいて計算されるので、翌年には税額が変わります。自治体によって金額は若干異なります。 |
財形貯蓄 会費等 |
財形貯蓄がある場合は、天引きで貯蓄される金額が記載されます。職員会や組合費がある場合も、その会費が天引きされます。 |
給食費 | 保育士ならではの項目。食費として徴収される金額が記載されます。 |
【その他】調整金や支払い金額の全容をチェック
「その他」の欄では年末調整などの一時的な調整金や、実際振り込まれるお金の全容がチェックできます。
その他の一般的な記載項目 | |
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年末調整還付 | 年末調整で戻ってくる金額が記載されます。 |
年末調整徴収 | 年末調整で徴収される金額が記載されます。 |
税額表 | 扶養控除申告書の提出の有無や、日雇いアルバイトの場合など、働き方の違いによって甲、乙、丙で記載されます。欄がない場合もあります。 |
扶養人数 | 扶養している人数が記載されます。 |
支給合計額 | 【支給】欄の金額の合計が記載されます。 |
控除合計額 | 【控除】欄の合計が記載されます。 |
現物支給額 | 一部を現金で受け取った場合に、その金額が記載されます。 |
差引支給額 | 最終的に職場から支払われる金額が記載されます。 |
銀行振込額 | 金融機関の口座に振り込まれた金額が記載されます。現金での支給がなければ、基本的には差引支給額と同額になります。 なお、振込手数料を給与から差し引くことは、労働基準法の第24条に違反します。おかしな点があれば職場に問い合わせましょう。 |
給料明細書に関するよくある質問
給料明細書に関して、よく聞かれる質問とその回答をご紹介します。
Q1.給料明細書は保管しておいたほうがいいの?
労働基準法により、未払いの給料や残業代の請求の時効は2年と定められています。
給与明細書はそういったものを請求する際の証拠となるものですので、2年間はきちんと保管しておくべきでしょう。
また給与明細書は、未払いの給料や残業代請求の他にも、確定申告や失業給付金申請時に必要になることがあります。
Q2.給料明細書がもらえないことはある?
給料明細書を労働者に渡すことは、所得税法できちんと定められています。
保育園によっては給料明細書がもらえないケースもあるようですが、それはれっきとした法律違反。
もしもらえなかった場合には、必ず忘れずに確認しましょう。
「いくら訴えてもなかなかもらえない……」という場合は「法律で決まっている」と伝えるのも効果的かもしれません。
編集者より
就職したての新人さんや職場で給与改定があった方は、特に「これまでの雇用条件と違う点はないかな?」とチェックしたいもの。
あとからおかしい点があったと訴えても、スムーズに対応してもらえなかったり、「早く言ってくれればいいのに」と印象が悪くなったりすることもあります。
給食費など保育士ならではの項目もありますが、基本的な部分はどの業界の給料明細書でも共通しています。
税金関連など、わかりにくい部分もありますが、理解しておくと今後あなたの役に立ちますよ。
ぜひこの記事を参考に、今月受け取った明細をじっくり見てみてくださいね!
参考文献・サイト
- inQUP「知ってて損はない給与明細の正しい見方8つのポイントと基礎知識」(2020/09/25)
- 保険チャンネル「【FP解説】会社の給与明細の見方教えます。保管って必要?」(2019/12/17)
- DaiKO+PLUS「給与明細をすぐに捨てていませんか? 保管期限と保管方法について」(2020/09/25)
- fuelle「会社から給与明細がもらえない時、どうしたらいい?行政書士が解説」(2019/04/11)