コラージュは写真や絵などを切り抜き、画用紙などに貼って作品を作る創作技法。好きなアイテムを選んで、自分なりの表現方法で再構築していくことで、想像力が鍛えられる表現遊びです。今回はねらいを持った設定保育にも、雨の日の室内プログラムにもピッタリなコラージュの魅力をお伝えします!
コラージュは子どもの自己表現にぴったり!
まずはコラージュとはどんなものか、おさらいしておきましょう。
- ◆コラージュとは◆
- コラージュは、もともとはフランス語の「coller(のりで貼るの意)」に由来する言葉で、雑誌や新聞などから写真や絵を切り抜き、それを画用紙などに貼り付けて新しい作品を作る表現技法のことです。
20世紀初頭に生まれた美術表現で、現在は心理療法や自己啓発、美術教育などいろいろな場面で活用されています。
では子どもたちにはどのような影響を与えるのでしょうか?少し考えてみましょう!
- ◆コラージュが子どもに与える影響◆
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□ ハサミをつかう、細かなパーツを貼るなどで手先の器用さを育む
□ 物のかたちに関心を持つことができる
□ 物の色に関心を持つことができる
□ 自分の好きなものを選ぶことで自己主張や自我の発達に役立つ
□ 選んだアイテムの色や形から何かを思い浮かべることで想像力が鍛えられる
□ 〇〇を作ろう!と計画だてて制作をすることで計画力が身に付く
年齢別の取り組み方へのアドバイス
子どもの成長にも良い影響を与えてくれるコラージュ。しかし発達段階によって、取り組み方は変わってきます。
□ 保育者が用意した雑誌から好きなアイテムを選ばせ、保育者が切り抜く
□ 保育者があらかじめアイテムを切り抜いて「コラージュボックス」に入れておき、そこから選ばせる
□ 事前に自宅で素材を探して持ってきてもらう
テーマ別の取り組み方へのアドバイス
ひとくちにコラージュと言っても、さまざまな取り組み方があります。ねらいに応じて、取り組み方を変えてチャレンジすると良いでしょう。
- ◆作るものをあらかじめ決めて取り組む◆
- 「チューリップを作ろう」などテーマを決めておく方法です。チューリップの花の色は…茎や葉っぱは…など、テーマの色について考えること、またそれに合う色はどれか選ぶことで、色彩に対する理解・関心につながります。
- ◆素材から想像を膨らませて自由に作成する◆
- お気に入りのアイテムを選んで、その色や形を何か別のものに見立てるという過程のなかで、想像力を鍛えることができます。
- ◆色紙などを自由な形に切り抜いて作成する◆
- これは「はらぺこあおむし」の絵本をイメージすると、分かりやすいでしょう。見立てるという工程はありませんが、どのような形をどのような色の組み合わせで表現しよう、と考える中で、色や形への関心、想像力が育ちます。
やってみよう!コラージュの基本的な手順
では、ここからはコラージュのやり方を具体的にお伝えしていきましょう!
基本的なコラージュのやり方からご紹介します。まずは上の写真のように、雑誌などからイラストや写真を切り抜きましょう。
お気に入りのアイテムが揃ったら、画用紙などに自由にレイアウトして貼り付けていきます。写真では特にテーマを決めずに貼り付けていますが、表現するものを決めておいても良いでしょう。
エリック・カール風?色紙を使ったコラージュ
続いて色紙を使ったコラージュの方法をお伝えしていきます。
まずは画用紙に絵の具で自由に色を付けていきます。多少雑な色付けの方が、コラージュしたときに風合いが出るので、子どもたちにも自由に色塗りを楽しんでもらいましょう!
絵の具が完全に乾いたら、画用紙をいろいろな形に切り抜いて行きましょう。年齢に応じて、テーマを提示して自分で形を切り出させたり、保育者が代わりに切り出してあげたり…工夫をしてみましょう。
切り出したパーツを画用紙に貼り付けていき、絵を完成させます。今回は花を作ってみました!色紙以外に、ビーズやフエルトなどの異素材を使ってみても良いですし、雑誌などから切り抜いた素材と組み合わせても良いでしょう。
編集者より
子どもによってハサミの使い方の得意、不得意や、丁寧さなど、個性が現れることでしょう。しかしここで大切なのは、自己表現を楽しんでもらうことです。上手くやらせようと矯正するのではなく、どうか自由な表現の時間を見守ってあげてくださいね。楽しい制作の時間が過ごせますように!