行事や日々の保育の様子など、保育士さんは子どもたちの写真を撮る機会も多いものです。しかし「動き回る子どもたちをうまく撮れない…」「いつもマンネリな写真…」など撮影にお悩みを抱えている方もいらっしゃるのでは?今回は保護者も大満足!子どもたちの写真を上手に撮るためのポイントをご紹介します。
「子ども目線」で生き生きした写真に!
撮影する時に、立ったままカメラを構えていませんか?大人の目線でばかり撮影をしていると背景が地面ばかりになり、アングルもワンパターン。より魅力的な写真を撮るためには、子どもたちと同じ目線から撮影をしてみましょう。背景の空や風景も写り、より生き生きした写真に仕上げることができます。
また、子どもの目線よりさらに下からカメラを構えても良いでしょう。特に年齢の低い小さな子どもたちの場合、成長を感じられるようなダイナミックな1枚を撮影することができますよ!
- ◆撮影を始めるまえに…
- まずカメラのレンズはキレイにしておきましょう!指紋やホコリが付いていると、焦点が合わずにピンボケになってしまう恐れがあります。
- また撮影モードが選択できる場合、走り回る子どもたちを撮影する時などは、シャッタースピードを早くする(スポーツモードなどに設定する)ようにしてくださいね!
一緒に遊びながら撮ると自然な表情に!
カメラに向かってにっこり笑った写真だけが、必ずしも良いとは限りません。真剣に何かに取り組む表情や、お友だちと会話する自然な姿を写した写真もとってもステキです。
時には「こっちを向いて、笑って~!」と身構えずに、子どもと遊びながら、保護者が日ごろなかなか見られない日中の自然な表情を撮影してみましょう。
光の方向に注意しよう!
被写体への光の当たり方で、写真の印象はがらりと変わります。ここでは光の方向ごとの写真の撮り方のコツをご紹介します。光の当たり方は下の図のように、順光、斜光、測光、半逆光、逆光の5つに分かれます。
- ◆順光・斜光◆
- もっとも自然に明るく撮れる、失敗の少ない方向です。正面あるいは斜め前から光が当たっている状態です。西日などの場合にはまぶしくて、目が細くなってしまうこともありますが、日中は適度な明るさがあり撮影しやすいでしょう。斜めから光が当たった斜光も自然な仕上がりになります。
- ◆測光◆
- 子どもの真横から光が当たった状態。子どもの顔に陰影が付くので、立体感のある作品に仕上がりますが、コントラストが強くなりがちで、露出補正を+にして明るくしないと、影の部分が暗くなってしまうこともあります。注意しましょう。
- ◆半逆光◆
- 子どもの斜め後ろから光が当たっている状態です。背景が明るくなるので、ふんわりとした写真に仕上がります。こちらも露出補正を+に設定し、明るさを上げて撮影しましょう。この操作を怠ると、子どもの顔が暗くなってしまうので注意!
- ◆逆光◆
- 被写体の真後ろから光が当たっている状態です。非常に印象的な写真になりますが、背景がとても明るい分、顔が暗くなりがち。こちらも露出補正で調整しますが、少々上級者向きと言えるでしょう。
連写を駆使してベストショットを狙おう!
動きが激しく、表情もあっという間に変化する子どもたち。連写機能が付いたカメラなら、ぜひ使ってみましょう。どうしても起こりがちな「目をつぶってしまっている」「手などが顔にかかってしまっている」「ぶれてしまっている」といったミスショットを防いでベストな1枚を選ぶことができます。
とはいえ、あまり連写枚数が多いと選定が大変になりますので、連写枚数の設定は、少な目にしておくと良いでしょう。
絞りを駆使せよ!F値の調整のポイントとは
一眼レフなどで撮影する場合にぜひとも使いこなしたいのが、「F値(絞り値)」と呼ばれる絞りの開き具合の調整。このF値の数字が大きいほど、光の通る穴は小さくなり、背景があまりぼけないくっきりした写真になります。一方でF値を小さくすれば、背景がふんわりとぼけて、子どもだけにフォーカスされた写真に仕上がります。
シーンにあわせて、例えば集合写真はF値を上げてくっきり、単体の場合は背景をぼかしてなど、使い分けができると良いでしょう。なお、背景をぼかしたい場合、F値の設定は、レンズで設定できる最少で良いですが、F1.8などあまり小さく設定できる場合は、焦点のあうポイントがかなり狭くなります。慣れるまではF2.8やF3.5くらいまでがオススメです。
スマホなどの場合には、背景ぼかしができる撮影モードがある場合や、アプリで調整できることがありますので、利用してみると良いでしょう。
編集者より
忙しい保育士さんの場合、なかなか撮影した写真を一枚一枚編集するのは難しいもの。だからこそ、撮影の段階で構図もしっかりと考える必要があります。
そこでオススメしたいのが、構図の基本の活用。縦横で3つに画面を分割し、その交点4か所にメインとなる被写体を置くことで、安定感のある構図になると言われています。
これは交点の位置が、最も美しい比率とされる”黄金比”に近いからなのだそう。上の写真だとしっかり子どもの目に交点が合っていますね!ちょっとした心がけですぐに実践できますので、ぜひ活用してみてくださいね!