キャリアアップ・資格

「施設保育士」とは?~なりかた・魅力・仕事内容を知ろう~

施設保育士というお仕事をご存じでしょうか?ひとくちに”保育士”と言っても、保育園で働くばかりではありません。乳児院や児童養護施設などで働く保育士もたくさんいます。そういった施設で勤務する保育士「施設保育士」。今回はそのお仕事内容や魅力、大変さなどをご紹介します!

施設保育士は児童福祉施設で働く保育士さん!

ふくろう先生
施設保育士とは、乳児院や児童養護施設といった保育園以外の児童福祉施設で働く保育士さんのこと。「子ども、および保護者の生活と自立を支援するための施設」であり、0歳~18歳までの子どもたちのお世話を担当します。
 

施設保育士が活躍する施設の例
乳児院 保護者の病気や死別、離婚などで子どもを育てることが難しくなった場合など、何らかの理由で保護者のもとで生活することができない、2歳未満の乳幼児を育てる施設です。
児童養護施設 保護者の病気や経済的理由、虐待など、何らかの理由で家庭での生活を続けることが難しくなった子どもたちが生活する入所施設です。条件が整えば乳児から20歳までの子どもたちが利用します。
知的障がい児通所施設 計算や読み書きなど知的行動に障がいのある18歳までの児童が、自宅から通う施設です。

施設保育士はその他、助産施設など、児童福祉施設全般で活躍しています。

施設保育士のお仕事内容は?

子どもたちの生活と自立の支援を行うのが施設保育士のお仕事。具体的には食事や排せつ、入浴などのお世話をする、生活習慣や集団生活を送るうえで必要なルールを教えるのが基本業務です。
 
また、ハウスキーピング(掃除、洗濯、料理)なども行いますし、買い物に行ってお金の使い方を教えることもあります。また退所後にも子どもたちのサポートを行う場合もあります。
 

◆施設保育士は夜勤が多い?◆
乳児院や児童養護施設は、入所施設のため、昼夜を問わず子どもたちの生活を支える必要があります。そのため24時間体制の勤務体制が多いのも、このお仕事ならではです。

 

施設保育士になるには?資格と求められる知識

お花の髪飾りを付けた保育園児の女の子
施設保育士に必要な資格は基本的には「保育士資格」。その他「社会福祉士」「児童指導員任用資格」「保健児童ソーシャルワーカー」「幼児安全法支援員」などの資格があれば役立つでしょう。
 
施設保育士は、保護者と離れて暮らす子どもたちを心理的にも支え、ケアしながら自立を支援します。そのためカウンセリングや心理学、生活指導に関する資格を取ったり、知識を習得しておくと良いでしょう。
 

子どもの自立に関わる!施設保育士のやりがい大変さとは

頑張る保育士さん
ではここからは、施設保育士として働く上での魅力と大変さを見ていきましょう。

◆施設保育士として働く魅力◆
□ 子どもたちの心身の成長をより身近で支えることができる
□ 生活の場において子どもと親密な関係を築ける
□ 保育者だけでなく保護者の代わりとしての役割も担う
□ 看護士や児童指導員など多彩な職員と連携しながら子どもの成長を支えられる
□ 運営主体によっては福利厚生など待遇が魅力な場合もある
□ 夜勤がある場合は、別途夜勤手当などが支給されることもある
各検診や予防接種に連れて行ったり、離乳食の進め方を考えたり、服など身の回り品を買いに行ったり、子育ての経験はありませんが、保護者としての役割を担い、どこか母親になったような気持ちでした。
 
体力的にきついと感じる時もありましたが、それよりも、自分が担当児に本当に必要とされていると日々感じることができ、とてもやりがいがありました。
《参考》乳児院の保育士

 

◆施設保育士として働く大変さ◆
□ 子どもの人生を左右するため責任が重い
□ 24時間365日の体制なので体力的に厳しい
□ 生活の仕方を教えるなど業務の範囲が広い
□ 看護士や児童指導員など多彩な職員との協力が不可欠
□ 夜勤や土日祝日の出勤もある
私が勤める施設は、2泊3日と1泊2日の組み合わせで週に3泊するのが普通です。夜中に子どもの対応を迫られる場面も多く、結局、週に3日は十分な睡眠がとれないことになります。仕事にやりがいは感じていますが、身体がいつまで持つかなぁという感じです。
《参考》大手小町

 
日々の関わりの中で、始めは心を開かなかった子どもたちが、心を開き、様々な成長を見せることに、大きなやりがいを感じる方が多いようです。また退所後にも引き続きサポートをしていくといった、ある意味で保護者に近い大きな役割を担うことで、使命感や充実感を感じるという声もありました。
 
一方で夜間の対応や拘束時間の長さ、責任の重さなど、体力的、精神的な疲労を訴える声も。熱意だけではなく、身体的、精神的なタフさがなければ続けるのが厳しいお仕事であると言えるでしょう。
 

働く環境は?求人の一例を見てみよう!

考え込む保育士と赤ちゃん
ではここで、参考までに施設保育士の求人例を見てみましょう。

乳児院の求人の例
職種 保育士・児童指導員
雇用形態 正職員
給与 187,200円~267,300円
(年齢・経験による)
※交替制勤務手当含む
勤務時間
休日
週休2日制(年間休日108日)
休憩を含めて9時間のシフト制
待遇 昇給有、賞与年2回・社会保険完備・退職金有・単身寮有・夜勤手当有
応募資格 保育士、児童指導員任用資格保持者
児童養護施設の求人の例
職種 保育士
雇用形態 正職員
給与 161,395円~+諸手当(新卒の場合)
勤務時間
休日
4週8休のシフト制(年間休日107日)
週4~5日
24時間内で実働8時間(2交替のシフト制)
待遇 扶養手当、住宅手当、通勤手当有、社会保険完備
応募資格 保育士資格保持者

 
施設保育士の求人に応募するためには、ご自身のお住いの近くなどで、児童福祉施設を探し、直接求人を行っているか問い合わせたり、ホームページから応募をする必要があります。保育園などと比べて施設数が少ない分、求人数が少ない傾向にありますので、施設保育士になりたい!という方は、定期的にチェックしていくことが必要でしょう。
 

編集者より

クローバーを持つ保育士さん
何らかの理由で保護者と暮らせない子どもたちが生活する、乳児院や児童養護施設。子どもたちにとって、そこはまさに「我が家」と言えます。一時的に預かるのではなく、昼も夜も生活を支えるなかでは、やりがいも大きい反面、厳しさも大きいもの。
 
自身のモチベーションや体調の管理など、子どもだけでなく自分自身も大切にできなければいけないお仕事と言えるのではないでしょうか。

参考文献・サイト

ABOUT ME
保育のお仕事レポート
保育業界専門の転職支援サービス「保育のお仕事」です。 「保育のお仕事レポート」は、現場で働く保育士さんのためのメディアとして運営しています。お役立ち情報や最新の求人情報は各SNS(FacebooktwitterLINE@)で要チェック!
保育のお仕事 最新求人