「色彩心理カウンセラー」という民間の認定資格をご存じでしょうか。日常生活にあふれる”色”の力を、生活や仕事に活かせる色彩心理カウンセラーは、日々の保育や、子どもたちの精神状態の把握、また働く自身のメンタルケアにも活かすことのできる資格です!今回はその魅力や取得方法、保育への活かし方をご紹介します!
色彩心理カウンセラーってどんな資格?
私たちの身の回りにある多くの色。普段は何気なく接していますが、これらの色は、私たちの心と体に大きな影響を与えていると言われています。それぞれの色が、人にどのような影響をもたらすのか、またどんな心理状況でその色を選ぶのか…そういった人間の「心理」と「色」の関係性について分析されたものが色彩心理です。
- ◆色彩心理カウンセラーとは?◆
- 例えば描かれた絵の色彩表現から、相手の感情や潜在意識を把握し、適切な受容や言葉かけを行い、カウンセリングを実施する色彩心理の専門家。一般社団法人 色彩心理カウンセリング協会などが認定を行う、民間資格です。
どんな場面で使えるの?保育への活かし方
ではこの色彩心理カウンセラーの資格、保育においてはどのような場面で活かすことができるのでしょうか。一部ではありますが、その知識の活用場面の例を見てみましょう!
- ◆保育室の効果的な配色◆
- 色彩が子どもたちの心身に与える影響を学ぶことで、子どもたちを落ち着かせる、など目的に応じた適切な保育室の配色に役立てることができるでしょう。壁面制作の配色などにも応用できます。
- ◆子どもの心理状況の把握◆
- 子どもたちが描いた絵などから、その子の心理状況を把握することに役立ちます。例えば環境が変わって、普段は選択しないような色を使って絵を描いた…そんな時にその子が今どのような精神状態なのか、理解するのに役立つでしょう。必要なアプローチを検討する上で非常に参考になるはずです。
- ◆行事への活用◆
- 日常の保育室だけでなく、入園式や卒園式、運動会、お遊戯会など、年中行事の飾りつけにも、知識を活かすことができるでしょう。保護者の感情にどう訴えかけるか、子どもたちにどのような感情で取り組んでほしいか…そのようなねらいを持った取り組みができます。
- ◆自分自身のメンタルケア◆
- 疲れた時にふと目が行った花の色、手に取った商品のパッケージの色…そんな日常の中の行動が、自分自身の精神状態に気付くきっかけになります。日ごろ忙しく動き回っている保育士さんや幼稚園教諭さん。自分自身が気付かないうちに溜めていたストレスや自分の深層心理に気付くことができれば、心の健康維持に役立てることができるでしょう。
色彩心理カウンセラーになるには
色彩心理カウンセラーの資格を取るには、どうすれば良いのでしょうか。基本的にこの認定資格を取得するには、スクールなどで所定の講座を受講したり、検定試験に合格する必要があります。今回は一般社団法人 色彩心理カウンセリング協会の認定試験のステップをご紹介します。
◆色彩カウンセリング協会のシステム◆ | |
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3級 認定講座 |
色彩の基本や、カウンセリングの基礎を5時間で学びます。修了後は認定証が発行されます。 受講料:50,000円(税別)教材費、認定料込 土日や平日、夜間など柔軟に受講のタイミングを選べます。 |
2級 養成講座 |
3級認定講座の内容を更に深め、色の心身への影響やカウンセリングスキルなどを学びます。5時間の講座を2日間受講するコース。協会の認定する2級カウンセラーになるためには、受講後に2級検定試験に合格する必要があります。
受講料:80,000円(税別) |
1級 養成講座 |
2級で学んだ知識を更に深め、より実践的なカウンセリングを学んでいくコース。受講後に1級検定試験に合格すれば、色彩カウンセラー3級講座を開講することができます。6時間の講座を2日間受講します。 受講料:120,000円(税別) 検定試験受験料:18,500円(税別) 日中10:00~17:00まで協会本部にて受講します。 |
CPCA インストラクター 認定講座 |
色彩心理カウンセリングの認定インストラクターを目指すコース。3級を10名育成していることが受講条件。別途検定試験があります。 受講料:180,000円(税別) 検定受験料:28,500円(税別) 協会本部にて受講します。 |
編集者より
色彩は人が思うよりも人の精神に働きかけるものです。毎月行う壁面制作や、行事の準備に、色の力を少し活かせたら…より質の高い保育につながるかもしれません。また、カウンセリング能力を向上できるため、保護者対応や子どもへの働きかけなどにも活用できるでしょう。
資格を取得したからと言って、就職に大きく有利に働いたり、保育業務のレベルが一気に上がる、というものではありませんが、キャリアアップの一環として、興味がある方は学んでみてはいかがでしょうか。