保育ノウハウ

お盆ってなあに?子どもたちに伝えたい日本の伝統行事

そろそろお盆休みのシーズン!祖父母の家に帰省するために、お休みする子どもがいる園、園自体お休みになる施設など、園によって状況はさまざまかと思います。ところで皆さまはお盆についてどの位ご存じでしょうか?今回は日本の古き良き伝統行事でもある「お盆」についてご紹介します!子どもたちに「お盆ってなぁに?」と聞かれても答えられるようにしておきましょう!

お盆とは先祖を供養する年中行事

疑問を抱く保育士の画像
現代においては、家族旅行のシーズン、帰省ラッシュなどのイメージが強いお盆ですが、本来は亡くなった先祖の霊を迎え、供養する行事です。おじいちゃん、おばあちゃん、そのまたおじいちゃんやおばあちゃん…もしもいなかったら自分が今ここに存在することのない先祖の存在に、感謝し想いを馳せる行事、それがお盆の本来の姿なのです。

日本のお盆は、仏教や神道など、古くからのいろいろな風習が合わさって形成されていると言われています。一般的には親戚が集まり、お花やお供え物を持ってお墓参りに行ったり、「迎え火」「送り火」などをたいて、先祖の送迎の儀式を行ったり、盆踊りに参加したり…地域によって差がありますが、そのようにして過ごします。

【お盆の時期】お盆は地域によって時期が違う?
お盆の風習は地域によって特徴が異なります。一般的にお盆休みとされるのは、「旧のお盆」である8月中旬ですが、地域によっては、お盆を7月に迎えることもあります。
新のお盆 東京や一部地域におけるお盆の時期です。中日である15日の夕方か、送り日である16日の夕方に送り火を焚き、先祖の霊を見送ります。
旧のお盆 一般的なお盆休みと呼ばれる時期。旧暦におけるお盆シーズンです。迎え日である8月13日の夕方には送り火を焚いて先祖を迎え、送り日の16日夕方には、送り火を焚いて先祖の霊を見送ります。

お盆のお供えものの意味とは

お墓参りの男の子
近年では目にする機会も減りましたが、よくお盆には、キュウリやナスに割り箸やマッチなどを刺したものが供えられます。また、盆提灯(ぼんちょうちん)とよばれる飾りを飾ることもあります。その役割を確認してみましょう。

◆キュウリとナス◆
キュウリに割り箸などで4本の足を付けたもの、ナスに同様に足を付けたものは、先祖の霊があの世とこの世を行き来するための乗り物とされています。

キュウリは馬の代わりで「早く家に帰ってくるように」という願いが、またナスは牛の代わりで「少しでも遅く帰るように」「お供え物を持って帰れるように」といった願いがそれぞれ込められています。
キュウリとナス

◆盆提灯(ぼんちょうちん)◆
盆提灯は先祖の霊が迷わず帰ってこられるよう、目印として飾られるものです。(宗教などによっては意味合いが異なるようですが、いずれも先祖に感謝をささげる意味で飾られるものです。)置き型のタイプや、吊るすタイプなど、形状はさまざまです。なお、マンションなどで迎え火、送り火を炊くことが難しい場合には、盆提灯がその代わりとなります。
盆提灯
◆迎え火・送り火◆
お盆で先祖を迎える際には、家の前で「迎え火」を炊きます。またお盆の最後の日には、「送り火」を炊いて先祖を見送りますが、地域によっては「灯籠(とうろう)流し」といって、火を灯した灯籠を、お供え物などと共に、海や川に流します。長崎県精霊流しなどが有名な例ですね。

盆踊りもお盆の風習の一環!

盆踊り
今やお盆のシーズン以外でも、夏祭りなどで楽しまれている盆踊り。これもまた本来はお盆に帰ってきた先祖の霊を慰める役割があったのだとか。また、古来豊作を願うという意味も込められていたそうです。

実は徳島のあの有名な「阿波踊り」も盆踊りの一種。そのほかエイサーなど地域ごとに踊りのスタイルはさまざま。現在では娯楽の要素が大きい、誰でも楽しめる夏の行事として多くの人々に親しまれています。

編集者より

花束
お盆休みと聞いて、お供え物や盆提灯をイメージする方は、今や少ないのではないでしょうか。そもそもお盆に休みを取れない職種の方も多くいらっしゃる現代では、伝統的なお盆の意味合いは薄れつつあると言えるのかもしれません。

編集者自身も、お盆といえば、旅行や帰省のイメージで、今回調べて、あらためて曽祖父や曾祖母、そのまたさかのぼった先祖の存在に思いを馳せる行事なのだということを知りました。

現在では信仰色も弱まって、慣例のようになっているお盆ですが、子どもたちに「お盆ってなぁに?」と聞かれたら、噛み砕いて伝えてあげられるよう。私たち大人もしっかり理解しておきたいですね。

参考文献・サイト

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