アンケート

睡眠不足が当たり前?保育士100人に聞いた帰宅時間&就寝時間

残業や持ち帰り業務が多いと言われる保育業界。保育士さんの中にも、家に帰るのがいつも遅い、帰宅後も仕事があり睡眠時間がなかなか取れない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は保育士を中心とする100人の読者の皆さまに、日頃の帰宅時間や就寝時間について伺いました。

最も多い帰宅時刻は19:00~20:00

仕事が終わらずに困る女性
今回は保育業界で働く100名の皆さまを対象に、毎日の生活パターンに関するアンケートを実施しました。まず普段の帰宅の時間帯について伺ってみたところ、最も多かった回答は「19:00~20:00」で42%、次いで「20:00~21:00」「18:00~19:00」がそれぞれ20%でした。
 
帰宅時間
 

※過去に保育業界で勤務していた方にはその際の平均的な帰宅時間を、またシフト勤務の場合には夜勤を除く遅番の際の帰宅時間をご回答いただいております。

 
全体的に見ると、保育業界以外の一般企業などに比べ、帰宅が大幅に遅いということはないようですが、一方で21:00以降に帰宅するという回答全体の14%ありました。
 

約8割は23:00~翌1:00に就寝


続いて日頃の就寝時刻について伺ってみたところ、「23:00~24:00」が40%、「24:00~翌日1:00」が37%と双方あわせて8割近くになりました。
 
就寝時間
 
平成23年に総務省が実施した「社会生活基本調査 生活時間に関する結果 」によれば、就寝時刻の全国平均は23:15。これに比べ、今回の調査における平均就寝時間帯が極端に遅い訳ではありませんが、翌日が早番などのケースもある中で、日をまたいで就寝される方が4割以上いらっしゃるということは、注目すべき点でしょう。

平均的な睡眠時間は5~6時間が4割

一方で1日の平均睡眠時間を伺ってみたところ、最も多かったのが「5時間~6時間(38%)」次いで「6時間~7時間(27%)」「4時間~5時間(15%)」という結果になりました。先ほどの総務省の調査データで、アンケートの平均年齢に近い30~34歳女性の平均睡眠時間を見てみると、7時間34分。アンケート回答者の9割以上は平均を下回る睡眠時間しか確保できていないことが分かります。
 
平均睡眠時間
 

【参考資料】
総務省/平成 23 年社会生活基本調査 生活時間に関する結果
 
※調査は無作為で選出された約8万千世帯に居住する10歳以上の世帯約20万人を対象に実施されています。

理想的な帰宅時間&確保したい睡眠時間は?

考え込む保育士と赤ちゃん
最後に理想的な帰宅時間、最低限確保したい睡眠時間を聞いてみたところ、理想的な帰宅時間については「18:00以前(54%)」が最も多く、次いで多かったのが「18:00~19:00(34%)」。また最低限確保したい睡眠時間については「6時間~7時間(41%)」が最も多く、次いで「7時間~8時間(33%)」という結果になりました。
 
理想帰宅時間
 
確保したい睡眠時間
 
子育てや家事、あるいは制作の持ち帰り業務など、帰宅後にもやるべきことは多くあります。理想としてはやはりなるべく早く帰宅し、少しでも自分の時間を確保したいという思いがあるのではないでしょうか。

◆帰宅時間や睡眠時間に関するご意見◆

帰宅が遅い上に持ち帰り仕事もあるので、生活のほとんどが仕事に拘束されているのが現実。(30代女性)
子どものお迎えがあるので決まった時間に帰るが、座る間もなく家事をして寝るのは12時頃…体調を崩しやすい。(40代女性)
帰宅後は家事中心であり、書き物などは朝3時などに起きて取りかかる日がほとんど。そのせいで体調を崩してしまうこともある。行事前などは帰りが更に遅くなるため、今後仕事を続けていくのが厳しいと感じている。(30代女性)
遅番で帰宅が遅く、次の日が早番だと睡眠時間はほとんどない。(30代女性)
帰宅時間が遅い→家事がたまる→疲れ果て寝る→疲れがとれないまま出勤→平日の悪循環→休日に何もする気が起きない。…負の連鎖のループから逃れられない。(40代女性)

 
自由回答では、持ち帰り業務の多さや、日中の業務負担の大きさ、家事などプライベートでのタスクから、なかなか睡眠時間が確保できない、自分の時間が持てずに疲弊しているというご意見が多数ありました。
 
幼い子どもがいる場合などは、寝かしつけと共に就寝するものの、夜中あるいは早朝に起きて仕事や家事に取り掛かるというケースも多いよう。アンケート調査における帰宅時間や就寝時間は、極端に遅いものではありませんでしたが、保育士さんの業務の負担は、その時間だけでは計りきれないものがあると言えそうです。
 

編集者より


今回のアンケート回答者の97%は女性。自由回答からは仕事だけでなく、家事や子育ての多くの部分を自身でこなしている方も、多くいらっしゃることが伺えました。
 
買い物に掃除、夕飯や明日のお弁当の準備、洗濯にアイロンかけ、子どもをお風呂に入れて寝かしつける…。そのような帰宅後の忙しさのうえに制作などの持ち帰り業務があったのでは、言葉どおり「寝る間も惜しむ」しか手段がなくなってしまうでしょう。
 
昨今保育士不足が社会的な問題になっていますが、給与水準の低さに加えて、このような家庭との両立の難しさも、定着率の悪さ、潜在保育士の多さにつながっているように感じます。行政には卓上論だけではわからない、保育現場の抱える課題にも目を向けて対策を検討していただきたいと思います。
 

【アンケート実施概要】
・実施期間:2015年12月17日~2016年1月6日
・実施対象:
 保育士(73.0%)・幼稚園教諭(17.0%)
 元保育士・幼稚園教諭(9.0%)・その他保育関連職(1.0%)
・男女割合:女性/98.4%・男性/1.6%
・平均年齢:31.5歳
 
※ご協力いただきました皆さま、貴重なご意見をありがとうございました!

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