保育士の悩み

保育士の妊娠報告「安定期を待ってから…」では遅すぎる?

「赤ちゃんができた!」それは女性にとって大きな喜びや幸せを感じられる特別なできごと。それと同時に戸惑いや不安など、さまざまな気持ちが湧いてくることも少なくありません。今回は働く保育士さんの悩みのひとつ、職場への妊娠報告について適切な時期やその理由をお伝えしていきます。

妊娠が発覚!安定期を待つべき?

ハートのイラスト
病院で妊娠と正式に診断されたの後、働く女性が悩むことのひとつが「仕事をどうしようか」「職場にはいつ報告しようか」ということではないでしょうか。

仕事を辞める場合にも、続ける場合にも、職場には妊娠を報告しなくてはなりません。しかしどのタイミングで伝えれば良いのでしょうか?

報告は安定期に入ってから…?

「安定期」とは、一般的に胎盤が完成し、つわりなどの妊娠初期のマイナートラブルが落ち着いてくる、妊娠5カ月(16週)以降から、妊娠7カ月までの時期を言います。

いままで、職場への妊娠報告はこの「安定期」に入ってから、あるいは染色体異常などによる妊娠初期の流産の可能性が低くなる4カ月程度から行う場合が多いとされてきましたが、保育士さんの場合には、長時間の立ち仕事や、残業、時には運動会の準備や重い機材の運搬など、妊娠中にはできるだけ避けたい負担の大きい業務が多いもの。

報告をせずに無理をすると、母体や赤ちゃんに負担がかかるだけでなく、体調が悪いときに周囲に心配をかけてしまったり、誤解が生じてしまったりといった可能性もあります。

ご自身と大切な赤ちゃんを守るためにも、職場への報告は妊娠の確定診断を受けたら、なるべく早めにするのが良いでしょう。

報告は直属の上司にするのが一般的です。まだ初期でお腹も目立たず、胎盤もできあがっていない不安的な時期のため、信頼できる数人だけに伝えておくのも良いでしょう。

伝える際には、仕事を今後どうするのか?辞めるならば退職をいつにするのか、続けるならば産休・育休はいつからいつまで取るのかなど、きちんと相談することが必要です!

妊娠初期はマイナートラブルが多い!

保育士さんのイラスト
個人差もありますが、妊娠5カ月くらいまではつわりや頭痛、極度の眠気や便秘、むくみ、精神的な不安定さなどのマイナートラブルを多くの妊婦さんが経験します。場合によっては食事をまったく摂れなくなる、起き上がれないほど体がだるくなるということも…。

そんななかでハードな保育士の仕事を完璧にこなすことは、とても大変なことです。事前に上席などに報告し、体調がすぐれない際のフォロー体制などを話し合うことで、ご自身の体の負担を軽減し、周囲との調和をはかることも大切でしょう。

妊娠初期が大切な理由とは…

アドバイスする保育士
妊娠初期は、特に妊娠4週から12週頃は「器官形成期」といい、赤ちゃんの中枢神経や臓器など体が作られていく大切な時期。不摂生で栄養が偏ったり、感染証にかかりやすい環境に身を置いたりすることは極力避けなくてはなりません。

初期の流産については、その多くが染色体の異常など、赤ちゃんの側に原因があることが多く、お母さんの仕事や運動などが原因となることはほとんどないと言われています。しかしまったく影響がないとは言い切れません。

極端に重いものを運んだり、激しい運動をしたり、自転車で通勤をしていて転倒をしてしまったり…そのようなリスクは避けたいものです。まだ胎盤ができあがっておらず、体も不安定なので十分に注意する必要があるでしょう。

ストレスも赤ちゃんに影響する?

また、まだ具体的にはわかっていませんが、妊娠中に慢性的な強いストレスにさらされ続けると、赤ちゃんの発達に影響を与えたり、早産や流産の可能性が高まるとも言われています。

仕事が極度なストレスになってしまっている場合には、早期に産休に入ったり、場合によっては一度退職を検討するなど、今後についてじっくり検討してみるべきかもしれません。

辛いときには母性健康管理指導事項連絡カードを

鉛筆をもった動物のイラスト忙しい保育業界の職場では、妊娠報告をしても、業務の負担をまったく軽減してもらえなかったり、つわりでつらいにもかかわらず「気持ちの問題、甘えだ」などと取り合ってくれなかったり…嫌味を言われたり…そのようなマタニティハラスメントを受けることもあるかもしれません。

そのような場合には、母子健康手帳に付いている「母性健康管理指導事項連絡カード」を活用しても良いでしょう。これは診断書と同じ意味があり、深夜勤務の制限やこまめな休憩時間の取得など、医師が必要とした措置を事業者に伝えることができるものです。

男女雇用機会均等法では、妊娠中の労働者が医師の指導を受けた場合に、雇い主はそれに従って適切な措置を講じる必要があるホィ。仕事の軽減や時差出勤、休憩時間の延長など、医師と相談しながら、無理なく働けるように調整していこうホィ!

編集者より

花のイラスト
編集者の場合には、特に力仕事でもなく今後のこともじっくり考えたかったため、安定期に入ってから職場への報告をしました。しかしつわりや満員電車での通勤はツラいものがあり、欠勤や遅刻が増えては「理由が言えないのがもどかしいな…」と感じていました。

自分自身の体の辛さはもとより、最も心配なのはやはり赤ちゃんのこと。我が子を守ることができるのは、やはりお母さんしかいません。「ツラいな」「お腹の子が心配だな」と感じたら、無理はせずに早めに相談することが大切なのではないでしょうか。

参考文献・サイト

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