保育士の悩み

正規職員と非正規職員~保育士同士の壁は壊せないのか?~

保育士とひとくちに言っても働き方はさまざま。正職員として正規雇用で働く方、パート、アルバイト、契約職員や派遣、臨時職員などの非正規雇用で働く方、保育園ではそれぞれ異なった雇用形態の職員が共に働いています。

今回は正規職員と非正規職員との間に生じる「見えない壁」と、職場における複雑な人間関係について、保育士を中心とする178名の読者の皆さまから本音を伺いました。

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52%は「確執や不満ある」正規と非正規の壁

アドバイス
今回アンケート調査にご協力いただいたのは、正規雇用、非正規雇用それぞれの雇用形態で働く保育士など178名の皆さま。

調査では、全体的な意見の傾向を把握するとともに、正規、非正規それぞれの雇用形態による、不満の感じ方の違いにも触れていきます。

◆雇用形態間で確執や不満はあると思うか

まずは職場において正規雇用職員と非正規雇用職員との間に、確執や不満があると思うか、伺ってみました。

職場での不満の有無(正規)

職場での不満の有無(非正規)

上のグラフは正規雇用の職員に対して、下は非正規雇用の職員に対して調査を行った結果です。

いずれも「確執や不安があると思う」という方が「ない」と思う方を上回っていますが、比較すると、非正規雇用の職員に調査を行った結果では「ある」という回答率が10%ほど高くなっています。
 

◆実際に不満を抱えている職員の割合は?

続いて自分の雇用形態と異なる立場の職員に対し、回答された方が現状不満を抱えているかどうか、伺ってみました。

不満状況(正規)

不満状況(非正規)

正規雇用の場合、非正規雇用の職員に対して不満を持っていたのは33%であったのに対し、非正規雇用職員については、実に57%と6割近くが正規職員に対して不満を持っていることがわかりました。

正規雇用・非正規雇用それぞれが不満に感じる点は?

保育士イラスト
正規雇用、非正規雇用それぞれの職員は、一体どのような点に不満を抱えているのでしょうか。前の設問で「不満がある」と回答された方を対象に、「実際にどのような不満があるか」伺ってみました。

◆正規雇用の不満点は「責任感」

まずは正規雇用で働く皆さまの不満点を見てみましょう。
不満内容(正規)

最も回答が多かったのは「業務における責任感に対する不満」で76%。次いで「業務の振り分け、役割分担に対する不満(66%)」、「業務の引き継ぎや巻取りに対する不満(31%)」が続く結果となりました。

    【回答者の声(一部抜粋)】
  • 昼間だけの保育士は直接保護者と話す機会もないからか、子どもの怪我や体調への配慮に欠け責任感のなさを感じる。また、何か問題があっても自分は非正規雇用だからという態度に不満を感じる。正規か非正規かではなく保育士として仕事をしてほしい!(30~34歳・保育士/正規職員・女性)
  • 働き方は人それぞれだと思うが、働いている以上は一人の職員だし、保護者や外から見れば、正規だろうが非正規だろうが一緒。物でなく人を扱っている以上、責任を持って働いてほしい!(45~49歳・保育士/正規職員・女性)
  • 同じ担任なのに、書類の量が少ないことやリーダーをしなくていいことが不平等。(25~29歳・保育士/正規職員・女性)

ご意見を見ていると、「非正規雇用であるから」と責任感のない言動を取ったり、一定の業務をやらなかったりする職員がいることへの不満が大きいことがわかります。

もちろんすべての非正規雇用職員がそうである訳ではありませんが、「何かあったらそれは正規職員が責任を負えば良い」というスタンスの保育士さんとでは、信頼関係も築けないよね…

◆非正規雇用の不満点は「業務の振り分けや役割分担」

続いて非正規雇用で働く皆さまの不満点を見てみましょう。
不満内容(非正規)

こちらでは最も回答が多かったのは「業務の振り分け、役割分担に対する不満」で73%、次いで「賃金に対する不満(59%)」、「業務量に対する不満(51%)」が続く結果となっています。

    【回答者の声(抜粋)】
  • 準職員なのに正規職員と同じように責任のある仕事をさせられる。例えば行事のリーダーや個人の年間目標を作るなど…(20~24歳・保育士/派遣・女性)
  • 子どもや保護者からしたら正規も臨時もみんな同じだと言われ、全て同じ業務をさせられる。(25~29歳・保育士/パート・アルバイト・女性)
  • 公立保育所で、臨時22年目に入りました。毎年の更新、正職員とは給料、年休も大幅に違い、臨時はボーナスもありません、なのに仕事の内容、書類なども同じです。(45~49歳・その他保育関連非正規職員・女性)

自由記述でも圧倒的に多かったのは「正規職員とまったく同じ業務をさせられる」という不満の声でした。給与形態も福利厚生などの雇用上の制度もまったく異なるのに、業務量だけは変わらないというのはおかしい、というご意見が多く見受けられました。

同じことをやっているのにもかかわらず、待遇だけが違う…不公平に感じるのは自然なことでしょう。この部分に関しては、職場のよりいっそうの配慮が必要と言えそうだね

半数近くが「諦めている」?不満への対処法は

では、雇用形態の違う職員に対して不満を持った場合、どのように対処するべきなのでしょうか。「不満がある」と回答された方に、日頃どのようにその不満に対処しているかを伺ってみました。

対処法(正規)
対処法(非正規)

正規雇用、非正規雇用ともに最も多かったのは「仕方がないことだと諦めている」という回答(正規雇用62%:非正規雇用:47%)。次いで正規雇用では「職場の同僚などに相談する(34%)」、「相談ではなく、不満を共有できる仲間を作る(28%)」、非正規雇用では「家族など職場外の親しい人に相談する(39%)」、「職場の同僚などに相談する(35%)」と続く結果となりました。

不満点を相手に伝えたり、上司に相談したり、体制そのものを変える行動を取るという方は少数のよう。体制として定着してしまっているなど、すぐに不満を解消することが難しく、目を瞑らざるを得ないというケースも多いのかもしれませんね。

壁を取り除くことは不可能なのか…

花のイラスト
正規雇用と非正規雇用、それぞれの職員の間にできてしまう「壁」。これを取り除くことは果たしてできるのでしょうか。「正規雇用と非正規雇用との間にある壁は取り除くことができると思いますか?」という質問を投げかけたところ、次のような結果になりました。

壁は取り除けるか(正規)
壁は取り除けるか(非正規)

上のグラフは正規雇用職員の回答、下のグラフは非正規雇用職員の回答結果です。いずれのグラフでも「取り除けると思う」の割合が「取り除けないと思う」の割合を上回っていることがわかります。

なお、非正規雇用では、「取り除けないと思う」という回答が48%と、正規雇用での40%と比べて若干高くなりました。

雇用形態に合った業務内容・業務量を

子どものイラスト
「職場にどのような対策や配慮があれば、壁を取り除けると思いますか?」という質問に対して、正規雇用では「雇用形態に合った業務量の振り分け(18%)」、「雇用形態に見合った給与設定(16%)」、「本人の心がけ次第だと思う(14%)」が多くの回答を得たのに対し、非正規雇用では「雇用形態に合った配置、業務内容の振り分け(23%)」[本人の心がけ次第だと思う(20%)、「雇用形態に見合った給与設定(16%)」という回答が多くなっています。

必要な対策(正規)
必要な対策(正規)

正規雇用では量的な調整を、一方で非正規雇用では業務の内容や配置そのものを、改善する必要があると考える傾向にあることから、その部分の相違をどのように埋めるか、検討する必要もあるようです。

「本人の心がけ次第だと思う」という回答もそれぞれ多かったホィ。給与設定や、業務の振り分けが適正であっても、業務に対する責任感を持つことなどは、本人の心がけがないと改善されないケースもあるホィね。

正規雇用、非正規雇用それぞれに望むことは?

花のイラスト
最後に職場、あるいは非正規雇用職員に対してどのような改善を望んでいるか、自由記述形式でご意見を伺ってみました。いただいたご意見をいくつかご紹介しましょう。

    【正規雇用で働く回答者の声(一部抜粋)】
  • 保育の現場で働いているという自覚を持ち、積極的に動いて欲しい。休む場合などは他の職員に迷惑をかけないよう状況を考えて欲しい。(20~24歳・保育士/正規職員・女性)
  • 非正規の先生には正規より仕事を軽減すべきだと思う。同じような扱いだと何のための非正規かわからない。(35~39歳・保育士/正規職員・女性)
  • 非正規雇用職員の負担を減らした上で、非正規の方々は経験もあるので、大切な場面では非正規正規関係なくお互いを尊重しあいながら、意見を出し会える雰囲気にしたい。(30~34歳・保育士/正規職員・女性)
    【非正規雇用で働く回答者の声(一部抜粋)】
  • 非正規でも対応できるよう情報共有してほしい。(25~29歳・その他保育関連非正規職員・女性)
  • 保育内容の向上の為の意見交換が平等にできる環境づくり。(45~49歳・保育士/パート・アルバイト・女性)
  • 園の行事などの反省会の席では非正規雇用職員は参加させてもらえない。行事の準備や当日も携わってきているのに排除される。非正規雇用職員も同じ園の職員なのだから隔たり無くしてほしい。そうしない限りいつまでも壁はなくならない。(45~49歳・保育士/派遣・女性)

正規雇用職員のご意見の中には、現状正規、非正規雇用ともに同じような扱いになっているため、その体制を見直すべきというご意見が多く見受けられました。

また非正規雇用職員のご意見で多かったのは、きちんとした情報交換や意見交換の場を設けて欲しいというもの。

正規雇用、非正規雇用間の壁を取り除くためには、単に給与や業務の割り振りを見直すなどの体制面だけでなく、相互理解の場をきちんと設けるなどの配慮も必要と言えそうです。

編集者より

イラスト
今や雇用形態が異なる職員同士が共に仕事をすることが当たり前になりました。それは自由な働き方を実現した一方で、雇用形態間での確執や不満を生み、時に職場での「働きづらさ」につながっている一面もあるでしょう。

アンケートからは、雇用形態間の壁を取り除くことが決して容易でないことが伺えましたが、歩み寄りのきっかけがあれば、より相互理解のきっかけになるのではないかと感じられる部分もありました。

職場は人生において多くの時間を費やす場所。職場が体制について見直すこと、各雇用形態で働く職員が互いに一定の理解を示すことなどで少しでも雇用形態間の壁が低くなることを願います。

【アンケート実施概要】
・実施期間:2017年6月24日~7月4日
・実施対象:
 保育士/正規職員(40%)・保育士/パート・アルバイト(33%)・保育士/派遣(6%)・
保育士資格取得見込/インターン(1%)・幼稚園教諭/正規職員(3%)・幼稚園教諭/パート・アルバイト(3%)・その他の保育関連職の正規職員(4%)・
その他の保育関連職の非正規職員(9%)・その他(2%)

・回答者数:178人(平均年齢:38歳)
・男女割合:女性/97%・男性/3%

※ご協力いただきました皆さま、貴重なご意見をありがとうございました!
※いただいた回答は一部抜粋し、個人が特定できないようご紹介しております。

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