「もう、保育士辞めようか悩んでいます…。向いていないんじゃないかと思って…」「毎日仕事に行くのが辛いです…。」弊社のSNSにもよく、そんなメッセージが寄せられます。仕事を頑張りたい!子どもが大好きだから、もっと知識や技術を磨きたい…そんな想いを持っているにもかかわらず、複雑な人間関係や業務量の多さなど、さまざまな原因から仕事が辛くなってしまっている。そんな状況に置かれた方はいらっしゃいませんか?
ひとりで抱え込んでいませんか?
今、お仕事が辛くなってしまっているあなた。職場のなかでも、プライベートでも構いません。今のお悩みを正直に打ち明けられる場所はありますか?職場には理解者がいない、家族に話しても「好きで選んだ仕事なのだから、もうちょっと頑張ってみたら?」と言われてしまう…そんな悩みを抱えておられる方も、少なくはありません。
もちろん悩みを吐き出すだけでは、問題そのものは解決できません。しかしながら「ツライ」を言葉に出さなければ、それがどんどん積み重なってしまい、吐き出せないことがまた新たなストレスを生んでしまうでしょう。
もしも今あなたがツライ状況に置かれ、それを誰にも話せないでいるなら、日記を書いたり、メモに気持ちをまとめるだけでも一つのアウトプットになります。上手く活用して、ひとりで抱えてきた気持ちを、まずは少し解放してあげましょう。
ツライ=自分を見つめるチャンス!
今抱えている悩みをアウトプットすることは、冷静にご自身の置かれた状況を理解し、前向きな対策を考えるきっかけにもつながります。自分自身で紙に書くなど、感情を吐き出した後にも、他者に心情を話した後にも、以下のことを頭に置いて、今の状況を冷静に見直してみましょう。悲観的になりすぎていた部分や、改善の糸口が見えてくるかもしれません。
- ◆仕事を「辞めたい」と思った時に考えるべきこと◆
- □ いつから「辞めたい」と思うようになったのか
□ どういった時にその気持ちが最も強くなるか
□ 「辞めたい」と思うシチュエーションに関わる人は誰か
□ その人物の中にストレスになる人はいないか
□ 自分に原因がある部分は何か
□ 周囲の人物や環境に原因がある部分は何か
□ 「辞めたい」と感じる原因のうちどれが最も大きなストレスか
□ そのストレスは自分が変わることで改善できるか
例えば、以下のようなケースがあったとしましょう。
⇒だんだんと自信がなくなってしまった
⇒萎縮してしまい余計に怒られる回数が増えた
⇒周囲の先生からも「できない」レッテルを貼られて陰口を言われてしまうようになった
⇒居場所がなく誰にも相談できない…辞めたい…
ケースバイケースではありますが、例えば「気が利かない!」と怒られる理由が、自分でも自覚しており改善できるならともかく、理不尽で自分ではどうしようもできないことである場合、あるいは他の先生の前や、子どもたちの前でなど、わざと公の場で叱責するなどの場合、いつの間にか先輩や環境に大きな非があるにもかかわらず「自分がダメだからだ…」と悲観してしまっていることもあります。
それが分かっただけで状況が改善するほど、状況は簡単ではありませんが、自分にできることは何か、できることがもう考えられないのならば、どうすればこの状況から解放されるのか…考えるきっかけにはなるはずです。
保育士を辞めるか、職場を辞めるかという選択肢
考えた結果「もう辞めよう…」と思った時、二度と同じ目に遭わないように業界を離れよう…と思ってしまうのも自然なことでしょう。しかしながら、今までのことを考えてみてください。専門学校や大学に通って、一生懸命に単位を取り、実習に参加して取られた資格です。そしてあなたは子どもたちや保護者のために、本当に頑張ってこられたことと思います。
まず、人間関係であれ、待遇であれ、それぞれの園でまったく異なることを覚えておきましょう。人間同士のことですから合う、合わないはありますが、風通しがよく人間関係が円満な職場もあれば、処遇が低い保育業界の中でも、比較的安定的な収入が得られる職場もあります。
あなたが「保育士を目指そう」と思った理由は何だったでしょうか。もしもその熱意自体が消えてしまっていないのならば、今の職場に背を向け、新たな環境を探すことも、選択肢の一つであることは覚えておきましょう。
編集担当より
「私が仕事ができないから」「自分が悪いのかもしれませんが…」辞めたいと嘆いておられる方のお話を聞いていると、不思議なことに、ストレスの原因となっていることや人ではなく、ご自身を責めてしまっている方が非常に多くいらっしゃいます。そして、そのような状況であっても、今年度の担任の任期を終えるまではやめられない…子どもたちに迷惑がかかる…と皆さん責任感を持ってお仕事に取り組まれています。
だからこそ、話せる相手がいなくなった時、ご自身では抱えられないほどの大きなストレスが現れた時、身心に不調をきたしてしまうケースも多いのではないでしょうか。
一つ忘れないでいただきたいのは、身心が健康でなくては本当の意味で笑顔になることもできなければ、子どもたちを笑顔にすることも、どんどん辛くなってきてしまいます。だからこそご自身のことをもっともっと大切にしていただきたいと考えております。
たまには頑張っているご自身を褒めてあげましょう。保育のお仕事に関わる皆さまの笑顔を願っております。