ずっとお世話をしてきた子ども達が、晴れやかに卒園していく3月。
新年度とともに、はじめましての初々しい子ども達が入園してくる4月。
桜の花が満開になる頃、保育士さんは毎年、出会いと別れに大忙しです。
長く勤めるほど、多くの子ども達と関わっていくことになる保育士さん。
そんな中で、子ども達が卒園した後も交流を続けていける方は、あまり多くないのではないでしょうか。
「あの子達、私のこと覚えてるかな……？」
保育士としてのキャリアを積み上げていくとき、ふと、そんな疑問を抱いたことはありませんか？
今回『保育のお仕事』は、姉妹サイト『ほいくらいふ』と合同で、高校生を対象に待機児童や保育士不足の問題についてアンケートを実施しました。
（ほいくらいふの記事はこちら→現役高校生の約8割が「保育士の業務負担を認識」高校生が考える保育士不足解決のアイデアとは）
今の高校生は保育士にどのような印象を持っているのか？当時の先生のことは覚えているのか？
ピックアップしてまいります！
保育園・幼稚園の思い出で特に記憶に残っていることは？
「保育園・幼稚園の思い出で特に記憶に残っていることを教えてください」という質問には、以下のような回答が寄せられました。
- 男子二人が私を取り合った人生唯一のモテ期があったこと。（高1女子）
- お昼寝の時間が非現実感があって楽しかった。（高1男子）
- 先生のことが当時憧れであり、二十歳になったら結婚しようよなどいつも話していると、いいよといつも回答してくれました。（高1男子）
- お泊り保育で、みんなでカレーを作ったりキャンプファイヤーをしたりしたこと。（高1女子）
- 頭をぶつけたとき先生が夜なのに病院までついてきてくれた（高2男子）
- ブランコから落ちた時に、元気になるまで一緒にいてくれたこと（高2女子）
- テレビの取材がきて、その時ハマっているものを質問されて三つ編みってこたえた。（高2女子）
- 入院したときにお見舞いに来ていただいた。お土産を頂いたが病院食ばかりだった自分にとって、そのクッキーがとてもおいしかったのを覚えている。（高2男子）
- お相撲さんとの相撲対決（高2男子）
- 幼稚園にて栽培しているピーマンを焼いて皆で食べたこと。（高1男子）
どれも微笑ましい思い出ばかりですね！
学芸会やお泊り保育、卒園式などの行事を挙げている高校生が多かったようです。
他にも友達と遊んだことや好きだった子との思い出、先生に優しくしてもらえて嬉しかった……などの意見も見られました。
中には「友達の体操着で鼻をかんでしまった（高2男子）」など、トラブルやハプニングについて触れている回答も。
あの頃の保育園・幼稚園の先生に伝えたいメッセージ
「あの頃の保育園・幼稚園の先生に伝えたいメッセージはありますか？」と質問すると、以下のような回答が寄せられました。
- 人間の基礎となることを教えていただき自分の子供かのように愛していただきありがとうございました。（高2女子）
- 先生の目を盗んでは木に登って落ちていて申し訳なかった。（高2女子）
- 面倒を見るのが大変な子供、それに何十人も一斉に見なければならない大変さ、保護者対応、、、本当に大変だなと今になっては思いますが、「ふつう」に過ごせたことが何よりの幸せだと思いました。ありがとうございました。（高2男子）
- 私がいたクラスの担当をしてくれた先生がとーーーーっても子供が大好きなのだと小さかった私ですら分かりました。だから、そんな先生と2年間も過ごせてとても幸せでした。今の明るい性格を持てたのは、その先生のおかげです。本当に有難うございました。（高1女子）
- 日本では保育園や幼稚園の先生が不足していて大変だと思いますが、がんばってください。（高2男子）
- お手数かけました。これからも優しい気持ちで接してほしいです。（高2男子）
- 今でも頑張っている先生をとても尊敬しています。これからもがんばってください！（高2女子）
- あの時怒ってくれたおかげで成長できました。（高1男子）
- 「小さい頃は毎日のように褒めてもらい嬉しかったです」と素直に感謝を伝えたいです。（高1男子）
- おげんきでしょうか。保育園時代、たくさん可愛がってくれてありがとうございました。抱っこもおんぶも大好きでした。大変お世話になりました。
回答の多くが「ありがとうございました」と「あのときはごめんなさい」でした。先生との思い出がどれだけ強く子ども達の心に残っていたか、よくわかりますね。
また、中には
- 「今でも関わりがあり、一緒に出かけたりできる仲になってくださりありがとうございます。（高2女子）」
- 「今でもたまにどこかで会うと名前を覚えてくださってて嬉しいです。また通いたいです。（笑）（高1女子）」
といった回答も！
卒園から10年以上経っても交流があるなんて素敵ですよね。
保育士・幼稚園の先生になりたいと思ったことはありますか？
「保育士・幼稚園の先生になりたいと思ったことはありますか？」という質問に、「はい」と答えた人は27％。4分の1にものぼりました！
編集者より
保育士の仕事は、子どもが在園している間だけで完結するものではない……今回のアンケートは、それがはっきりわかる結果となりました。
保育士の発言や態度・行動は、子ども達の人生に大きく影響します。
卒園して直接的な関わりがなくなったとしても、子ども達の中にはずっと「保育園の先生」が生き続けることになるのです。
高校生達が保育園時代のことをよく覚えていたように、今あなたが面倒を見ている子ども達も、こうして過ごしている毎日をいつか未来で思い返すことでしょう。
保育士は、一人一人の人間の人生に大きく関わっていくお仕事です。
その責任とやりがい、そして教え子が立派に育っていく喜びを、改めて感じられたのではないでしょうか？
アンケートにご協力いただきました皆様、ありがとうございました。
・実施期間：2018年2月22日～3月4日
・実施対象：都内の私立高校に通う高校1・2年生
・回答者数：289人
・男女割合：男性/64.7％・女性/35.3％
