私が保育士になってから20年、保育は目まぐるしく変わってきた気がします。
大人も変わって来たし、子どもたちも変わって来たし、環境も変わって来たし……挙げ始めるとキリがありません。昔の方がよかった部分もあるだろうし、昔があるから今があるとも思います。
保育士を取り巻く環境はどう変わった?
充実した研修が増えるなど、保育士に対する処遇は随分改善されてきました。
特にここ数年はより変化を感じます。保育士の質を上げるという点に重点を置き、講師の先生も分かりやすくお話ししてくださったり、自分たちで考えながら進めていく「ワークショップ」形式を取っていたり、表現あそびの先生も数多くいらっしゃったりと、学びの場が増えていると思います。
まだまだこれからだとは思いますが、以前からすると、こんな風に保育の世界が変わっていくなんてまったく想像出来ませんでした。今の環境をありがたいなと感じます。
ここに関しては、時代に関係なく、環境が充実していることに満足せず、「いかに自分自身学んでいくか?」が一番大切な部分であると思います。
これをどう生かしていくのかは、一人ひとりの保育士の力量にかかっていると思います。
そして、さまざまなことがパソコンで管理されるようになりました。パソコンの苦手な私にはとっても大変です。でも、情報管理について厳しくなってきている時代に私自身もついていかなくてはいけないので、日々健闘しています。最初は苦痛で仕方ありませんでしたが、少しずつでも慣れてくると、パソコンで管理されていた方が便利だと感じることも多いなと思います。
でも、物によっては、手書きの温かみは残して行ってもいいのかなとも感じます。なのでそこは見極めながら、何でもかんでもパソコンで作成するようにはならないようにしたいな、と思っています。
昔の子どもたち、今の子どもたち
そして、子どもたちにも本当に変化を感じます。
色彩感覚の違い、おもちゃの豊富さ、さまざまな情報の多さ……。「恵まれているなあ~」「私も子どもだったらこんな環境で過ごしたいな~」とうらやましく感じることが沢山あります。
そして、子どもたちが自分自身で考え、それを形にしていくことに重点を置く保育園が増えてきたと思います。これからの子どもたちには、自分自身で考える強さを持つことが大切なんだなと私自身感じています。
実際、そのように保育を進めていくことで、より良いものが生まれていると思います。
ただ、やはり心配な点は、運動能力の部分です。
少し歩いただけで疲れてしまうとか、体が硬い子とか、年々増えていると感じています。心もですが、身体ももっと柔軟になっていくと良いなと感じています。
今の子に大切なことは、「嫌いにさせない」ということです。大人もそうですが、子どもも何かを苦手に感じてしまうと、なかなかやりたがらなくなってしまいます。
なので、私自身もその子が出来なくても「苦手にしない」ように心がけています。
時代が移り変わって行っても、子どもたちに「意欲ある子ども」に育っていって欲しいという気持ちは、どの時代も変わらない事だと思います。
保育士自身も、「意欲を持って」時代時代で対応していく強さを持って行けたらと思っています。