私は現在、0歳児の担任をしているのですが、クラスの中に他の子に噛みついてしまうお子さんがいます。
その子は「ギャー」と大きな声で泣いていることが多く、怪獣のようだと私は思っていて、心の中でこっそり「ギャオちゃん」と呼んでいます。
今回はそんなギャオちゃんの様子と、噛みつきに対する対応についてのお話です。
どうして噛みついちゃうの?
子どもが他の子に噛みついたり叩いたりするときによくあるのはおもちゃの取り合いです。ギャオちゃんも他の子におもちゃを取られたり、他の子が持っているおもちゃを取りたくなったりすると噛みつきます。
しかしそれだけではなく、他の子同士でおもちゃを取り合ったりケンカしたりしているところにも離れた場所から突然現れて一方を叩いたり噛みついたりします。
さらには、これといった理由が無くても通りすがっただけの子やたまたま近くに手を出しただけの子に噛みつくことがあります。これといった理由が無いときは、噛みつく前から機嫌が悪く攻撃的な目になっていることが多いです。
ギャオちゃんの目つきが変わると要注意サインなので、徹底的に誰かが横について見るようにしています。噛みつくスピードが非常に速いので、寸前に食い止めることに成功するとサッカーのゴールキーパーが相手のゴールをスーパーセーブしたときのような達成感があります。
とはいえ、スーパーセーブで10回食い止めたとしても、1回でも実際に噛みつかれてしまったら意味がありません。
頻繁に噛みつこうとしているときはギャオちゃんだけベビーサークルに入れて、他の子と隔離して遊ぶこともあります。
噛みつく相手は特定の子だけでないのですが、見ていると自分より体が大きい子には噛みつかないようで、一番身長が高い子はギャオちゃんに噛みつかれたことがありません。1・2歳児の子にも噛みついたことはありません。
どうする?噛みつきが起きたときの対応
ギャオちゃんが友達に噛みついてしまったときには、「このおもちゃで遊びたかったの?」などと気持ちに寄り添いつつ、噛みつくのはいけないということを子どもにもわかるように説明します。
そして代わりの行動として、おもちゃを友達に差し出して「どうぞ」をすることや、自分がおもちゃを欲しいときには両手を前で重ねて「ちょうだい」をすることを教えています。頭を叩いたときは、叩く代わりに頭を撫でて「いいこいいこ」をすることを教えています。
そうすると「ハイ、ドージョ」と言いながらおもちゃを渡したり、いいこいいこしたりするときもあり、そのようなときには「ギャオちゃん、どうぞができて偉いね」と褒めます。他の子にも「どうぞ」を教えているので、子どもたち同士で「どうぞ」し合っているときもあります。
しかし、「どうぞ」と言って自分から他の子におもちゃを渡していても、その直後に渡した相手の子に噛みついたり頭を叩いたりすることもあるので、一筋縄ではいきません。
また、激昂しているときは、噛みつきを保育者に制止されると激しく泣き出す、自分の頭を床にガンガン打ち付ける、という態度がみられることもあります。
噛まれた子への対応は?
噛まれた子の保護者には、「自己主張はできるようになったけれど口頭ではまだうまく表現できない時期にこういうことは起こり得るのですが、とはいえ大切なお体に傷がついてしまって申し訳ございませんでした。」と謝罪しています。
今のところは大きなクレームにはなっていませんが、噛みつかれた子どもの保護者の方にしてみれば歓迎できる事態ではない訳です。
今後もどうにかギャオちゃんの噛みつきがなくなるよう、どうにか立ち向かっていくつもりです。