取材・インタビュー

ICTもお手の物!最新設備・ツールを使いこなす保育園「コビープリスクールよしかわみなみ」取材レポート

再開発が進み、街並みが美しく整えられているさなかの埼玉県吉川市。
2012年にできたJR武蔵野線・吉川美南駅を最寄り駅として、閑静な住宅街の中に真新しい園舎を構えているのが、認可保育園「コビープリスクールよしかわみなみ」です。

およそ保育園とは思えないようなおしゃれな外観や、園舎内にふんだんに取り入れられた最新設備に目を引かれますが……その本質はどこまでも子どもファースト。
子どもの育ちや過ごす環境についてこだわり抜くため、保育の質の向上を突き詰めていった結果がツールを使いこなすことに繋がっています。

今回はそんな「コビープリスクールよしかわみなみ」に取材してきました!

    *シリーズ「保育ノゲンバ」は、保育施設や保育士・園長先生などにフォーカスし、保育の現場(ゲンバ)をお伝えするリポート取材連載です。

「コビープリスクールよしかわみなみ」とは?

コビープリスクールよしかわみなみは、社会福祉法人「コビーソシオ」が運営する私立認可保育園です。
園舎の老朽化に伴い移転することとなった「コビープリスクールよしかわ」を前身とし、リニューアルオープンする形で2019年3月に開園しました。
移転により園の場所が大きく変わったこと、吉川市内にはすでにもうひとつ同系列の保育施設があったことなどから、園名が改められたそうです。

コビーソシオは東京都目黒区に本部を置く法人で、2011年1月に設立されました。2019年5月現在、グループ法人の株式会社コビーアンドアソシエイツと合わせて全国32園の保育施設を展開しています。

できたての園舎内を見学します!

開園からまだ二ヵ月の新しい園舎を、園長の三鍋明人(みなべ あきひと)先生に案内していただきました。

ホテルや美術館のフロントを彷彿とさせる、シックな色調の落ち着いたエントランス。
飾られている絵やインテリアは法人代表が直々に選んでいるそうで、内装のこだわりが細部からも見て取れます。
このことについて三鍋園長は、

子どもたちが長い時間を過ごす場所だからこそ、皆が心地よく過ごせ、感性が磨かれる空間づくりを目指すというのが法人としての考え方です。園舎は安全性と快適性を徹底的に追求し、子どもたちの五感を刺激し、健やかな心と身体育むしかけをふんだんに取り入れています。

とコメントされていました。
子どもを子ども扱いせず、ひとりの人間として見て、環境づくりをされています。

ひとつの部屋にも、用途別の部屋にもできる柔軟な保育室

1階の保育室。各部屋を仕切る扉はすべて全開・全閉できるようになっている

コビープリスクールよしかわみなみの園舎は二階建てで、主に1階を0~2歳児が、2階を3~5歳児が使用しています。しかし、この園が他と大きく異なるのは、子どもの年齢ごとに教室を分けていないこと
使用する階は安全面を考慮して年齢でおおよそ分けられていますが、保育室は用途に合わせて分けられています

ダンスなど身体を伸び伸びと動かせる広いホール
さまざまな楽器をそろえたミュージックルーム
制作を行うためにテーブルが並んでいる保育室
室内遊びを楽しめる保育室
さまざまな形のソフト積み木は、子どもたちの遊びの幅を広げてくれる

用途別に専用の部屋を作ることで、目的に応じた最適な環境で子どもたちが活動できることはもちろん、子どもたちが園内を自由に移動するなかで、異年齢児同士や担任以外の保育士との交流を自然に生み出すことができます。

最新機器を取り揃えた室内

コビープリスクールよしかわみなみが徹底している「保育の質の向上」を語る上で欠かせないのが、園舎のいたるところに設えられている最新機器です。

iPadを用いた英語の授業。子どもたちも楽しんでいる

エントランスのiPadで登降園の時間を管理するほか、カリキュラムに含まれている言葉遊びの時間でも教材としてiPadを使用しています。
見学に伺った際は英語保育(毎週木曜日、法人専属の外国人講師によって実施されています)の時間でした。

先生の問いかけに対して子どもがiPad画面内の解答をタッチすると、それに合わせて愉快な音が鳴り、教室には笑い声があふれます。
子どもたちは目で見るだけでなく、音を耳で聞いて、より楽しく言葉遊びを行うことができるのですね。

また、子どもが制作などの保育活動を行うための部屋にはプロジェクターが備えられています。大きな画面で一斉にお手本を見せてあげられるのが画期的ですよね。

そのほか、子どもが一日を快適に過ごせるようにするための設備も充実しています。
コビープリスクールよしかわみなみでは、時間帯に合わせて照明の色や明るさが自動で変わるよう設定されています。朝は明るくて白い光が、夕方は少し落ち着いたオレンジの光が灯り、室内にいても子どもたちが時間の経過を感じることができるのです。
同様に、ゆったりと流れているBGMも時間帯に合わせて変わるように設定されています。

食育にも力を!「子どもの目線」に合わせたキッチンスタジオと自家菜園

子どもたちの目線から、調理室の内部がしっかり見えるように工夫されている

ホールから見える「キッチンスタジオ」と呼ばれる調理室にも、子どもの食育に大きく関わる工夫がなされています。それは、給食室の床が30cmほど低く作られていること。
これによって子どもの目線から、調理スタッフが昼食を作っている手元をしっかり見ることができるのです。
取材に伺ったのはちょうどお昼ご飯の準備中。キッチンスタジオは施設の真ん中にあるので、保育室から調理の様子を視覚や嗅覚など五感で感じることができ、子どもたちに「今日は何を作ってるのかな?」と自然と食に興味を持ってもらえるそう。

また、人工芝の眩しい広々とした園庭の隅には、子どもたちが自分で野菜を育てる小さな菜園があります。今年はとうもろこしを育て、ポップコーンづくりに挑戦するのだとか。
その他、園庭に植えられている木も、実のなるものを選んで植えているといいます。四季折々の変化を感じられるような工夫が盛りだくさんです。

子どもの未来を見据えた、多彩な保育内容

年齢の異なる子ども同士の交流で『思いやり』と『優しさ』を持つ子どもへと育てるというのが、コビープリスクールが掲げる保育方針。そのために実施されているのが『マトリクス保育』です。

一般に縦割り保育と呼ばれる「異年齢交流保育」と、横割り保育と呼ばれる「年齢別保育」を融合したもので、コビープリスクールの創始者・小林典子先生が考案しました。
これにより子どもたちはリーダーシップや思いやりを学ぶとともに、基本的な生活習慣や創造性、知的能力や運動能力を培うことができます。

コビープリスクールよしかわみなみの園舎では、保育室の仕切りをすべて移動させることができます。普段は用途別の部屋として分けられていますが、大きなひと繋ぎの室内として使用することも可能なのです。
柔軟に変えられる保育室は、保育方針であるマトリクス保育を実践するうえでも使いやすくなっています。

普段は1階を0~2歳児、2階を3~5歳児が使用していますが、午後から行われる異年齢保育の時間には子どもたちがみんな1階に降りてくるそう。

そのほか、コビープリスクールではさまざまな特徴を持った保育が実践されています。

ICT機器を使った先進的な保育

教材として先生が扱うだけでなく、子どもたち自身がiPadを用いる機会も少なくありません。
絵を描くアプリを使用してクレヨンでは表現できない色づかいを学んだり、カメラ機能によって散歩の際にさまざまなものを写真に撮ったりと、その使い方はさまざま。

気付きを得たり、アイデア出しに役立てたりするためのツールとして、ICT機器を保育に取り入れていますね。たとえば何かを調べたいと思ったとき、どのようなツールが使えるかを知っていれば、子どもたちの行動の選択肢が増えるわけです。

先日も散歩中に「時間経過によって雲が動いている? いや動いていない?」という疑問が上がった際、子どもたちの中から「タイムラプス(静止画を繋いで高速のコマ送り動画にするもの。iPadにも搭載されています)で撮って確認すればいいのでは?」という意見が出たそう。
自分たちの疑問を解決するためにどのようなツールが使えるか考えられるのは、これから成長していく上で大きなメリットになりますね!

グループ全体で行われる、大規模な行事にあわせて

コビープリスクールでは、全国の系列園の子どもたちを集めてサッカー大会が行われています。そのため毎週金曜日を「サッカー保育」の日とさだめ、人工芝の園庭にサッカーゴールを設置して子どもたちに楽しんでもらっているそう。
コビープリスクールよしかわみなみでは園が休みの際に園庭をクラブチームに貸し出すこともあり、園庭脇にはロッカールームやシャワールームも設えられています。

働く目線で見る魅力

働く保育士さんの様子も、他の園とは少し違った印象を受けます。

コビープリスクールよしかわみなみでは、保育士さんにエプロンの着用を義務付けていません。
食事の配膳などでは必要に応じて使い捨ての紙エプロンを使用し、普段は統一されたユニフォームを身に着けています。白いシャツと淡いキャメル色のチノパン、女性は好みのスカーフで首元を彩ることができます。

子どもたちにとって先生は憧れの存在。格好いい大人としてきちんとした格好をしているべきだろうということで、ユニフォームを決めています。

一日中同じエプロンをつけているよりも、用途に合わせて使い捨てのものを使う方が衛生的にもよい、とのことでした。

インカム。周囲の音も聞こえる最新型を使用

また、保育士さんが身につけているインカムも特徴的かつ先進的です。
こちらはイヤーカフ型のもので、園児の声や周囲の音を遮断することなく、園舎内で先生同士の連携を取ることができます。
お迎え対応のためにわざわざ1階から2階に担当の先生を呼びに行ったり、手が離せないときの応援を2階から1階に呼びかけたり……といった手間をなくすことができるんですね。インカムなら子どもたちから目を離さずに連絡がとりあえるので、コミュニケーションを闊達にすることに加え、防犯など安全対策としてさまざまなリスク回避にも役立ちそうです。

コビープリスクールよしかわみなみの保育士・藤井美歩先生は、

手が離せないから2階まで飲み物を持ってきてほしい、というようなちょっとしたことも、インカムを通じてお願いしやすいです。日々連携を取っているおかげか、他クラスの情報を共有してもらいやすい環境だと思います。

とコメントされていました。

編集者より

子どもも保育士さんも過ごしやすい、落ち着いた空間づくりに成功している「コビープリスクールよしかわみなみ」ですが、ICT機器を保育に取り入れるのは、実は移転前から長く続けていることでした。
次回の記事では、自ら子どもたちにiPadの使い方をレクチャーされているという園長先生・三鍋明人さんに、保育への熱い思いをお聞きします!

◆「コビープリスクールで働きたい!」と思った方は……◆

コビープリスクールでは、保育士はもちろん、放課後児童支援員、調理スタッフなどを募集中!
この記事を読んで「コビープリスクールで働きたい!」と思った方は、ぜひ株式会社 コビーアンドアソシエイツのホームページをチェックしてみてくださいね!

【コビープリスクール・採用ページはコチラ】https://www.coby.jp/recruit/

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