待機児童解消を目指すうえで、大きなハードルとなっている「保育士不足」。
その要因のひとつには、「お給料の低さ」があるといわれており、国や自治体は保育士の処遇の改善に注力しています。
2013年からは国から処遇改善等のために補助金が出されるようになり、少しずつではありますが、保育士の賃金向上に一定の効果があらわれています。
しかし、なかには給与アップが実感できず「私のお給料ってほかの保育士さんと比べてどうなんだろう……」と不安を感じたり、現在抱えている給与への不満から「もっとお給料があがる方法はないの?」と思ったりする方もいることでしょう。
今回は厚生労働省等のデータをもとに、保育士の平均給与がどれくらいなのか、年齢や経験年数、公立・私立の別、施設形態、地域などによってどのような違いがあるのか、くわしく解説します。
保育士のお給料の平均は?ほかの職種と比べてどうなの?
厚生労働省が行った2018年の賃金構造基本統計調査によれば、女性労働者全体の平均月額給与が24.8万円なのに対し、女性保育士(公立保育園の保育士は除く)の平均月額給与は23.2万円(千円単位で四捨五入)。保育士の月給のほうが全体よりも1.6万円ほど安いという結果が出ています。
なお、男性の場合には労働者全体の平均月給が33.8万円なのに対し、男性保育士の平均月額給与は25.0万円と、金額の差がより大きくなっています。
一般労働者平均 | 保育士平均 | 差 | |
---|---|---|---|
男女計 | 30.6万円 | 23.3万円 | 7.4万円 |
女性 | 24.8万円 | 23.2万円 | 1.6万円 |
男性 | 33.8万円 | 25.1万円 | 8.7万円 |
- 『平成30年賃金構造基本統計調査』(厚生労働省)をもとに作成
- データは百円単位で四捨五入(差については、平均値の元数値の差を算出ののち四捨五入)
保育士は国家資格であり、専門的な知識や技術を必要とする職種ですが、看護師(29.9万円/女性)や介護支援専門員/ケアマネージャー(24.9万円/女性)などと比べるとやはり「給与水準が低い」という印象を持つ方も少なくないでしょう。
しかし、これらのデータはあくまでも職種全体の平均値。保育士の平均年齢が低いことが影響している点や、地域・施設形態によって差があることも考慮する必要があります。
【公立・私立別】公立保育園のほうがお給料は高め
一般的に高収入と言われる公立保育園の保育士。私立の保育園で働く保育士と比べ、いったいどれくらい給与に差があるのでしょうか。
まずは公立保育園と私立認可保育園の保育士給与を比較してみましょう。
月収 | 年収 | ||
---|---|---|---|
私立 | 公立 | 私立 | 公立 |
26.2万円 | 28.0万円 | 314.6万円 | 335.8万円 |
- 『平成29年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果について』(内閣府調査)をもとに作成
- データは百円単位で四捨五入
- 私立保育園については認可保育所を調査対象としている
- 公立・私立ともに常勤職員の平均給与月額であり、月額給与のほか平成28年度賞与の1/12が含まれる
- 年収については元データをもとに算出した結果を百円単位で四捨五入したもの
内閣府が2017年に実施した幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査によれば、私立認可保育園の保育士では26.2万円。それに対し公立保育園の保育士の平均給与月額は28.0万円でした。
いっぽう、主任保育士の平均給与月額を比べてみると、私立保育園の場合は39.7万円なのに対し、公立保育園の場合には51.9万円と、12万円以上の差があることがわかります。
月収 | |
---|---|
私立 | 公立 |
36.7万円 | 51.9万円 |
公立・私立の保育士では給与のしくみが違う!
では、なぜこのように公立・私立の違いで保育士の給与に差が出てくるのか……。その理由のひとつには、お給料のしくみの違いが関係しています。
【公立の保育士のお給料のしくみ】
公立の保育園の場合、運営は自治体(市区町村)が行います。
公立の保育絵で働く保育士は地方公務員となり、その給与は各自治体が定める「地方公務員/一般行政職」の給料表にもとづいて決定します。
実際には、職務経験年数に応じて一定の年齢まで毎年給与のベースが上がるようになっており、さらに主任などに昇格する際には大幅に給与ベースがアップするようになっています。
【私立の保育士のお給料のしくみ】
私立の保育園の場合には、運営は自治体ではなく各運営母体(社会福祉法人/学校法人/株式会社/NPO法人など)が行い、人件費は運営資金から、設備投資費など運営に必要な経費を差し引いたうえで決められます。
認可保育園の場合、その主な運営資金は、国や自治体からの公的な補助金と国で定める公定価格にもとづいた保育料です。
【認可外保育園の場合は……】
認可外保育園の場合には公的補助が受けられない(※)ため、基本的には保育料のみが運営資金となります。
(※東京都の認証保育所や神奈川県川崎市の認定保育園など、自治体が独自に基準を設け助成を行う場合をのぞく)
このように、公立・私立で保育士の給与のしくみはそれぞれ大きく異なるためお給料の金額にも差が出るのです。
一般的には経験年数が高くなるほど、公立・私立の保育士給与に差が開いてしまう傾向にあるよ。
だから、公立保育園の保育士さんのように、継続的な給与アップを実現するのが難しいケースも多いんだホィ。
【年齢別】年齢があがるほど給与もアップ!ただし経験年数も関与
保育士全体の平均給与や公立・私立の給与差はわかったものの、「私と同じ年代の保育士さんはいくらもらっているの?」「これからお給料が上がることは期待できるの……?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに、私立保育園で働く保育士について年齢別の平均月給・年収をチェックしてみましょう。
年齢 | 月給 | 賞与 | 年収 |
---|---|---|---|
20~24歳 | 20.1万円 | 47.1万円 | 287.8万円 |
25~29歳 | 21.9万円 | 71.3万円 | 334.6万円 |
30~34歳 | 23.1万円 | 71.4万円 | 348.4万円 |
35~39歳 | 23.7万円 | 76.4万円 | 360.8万円 |
40~44歳 | 24.7万円 | 81.6万円 | 377.8万円 |
45~49歳 | 25.1万円 | 80.8万円 | 381.9万円 |
50~54歳 | 25.8万円 | 84.7万円 | 394.7万円 |
55~59歳 | 25.9万円 | 84.7万円 | 395.7万円 |
60~64歳 | 23.8万円 | 70.8万円 | 356.5万円 |
65~69歳 | 24.1万円 | 75.3万円 | 365.0万円 |
70歳以上 | 31.5万円 | 124.7万円 | 502.8万円 |
- 『平成30年賃金構造基本統計調査』(厚生労働省)をもとに作成
- 保育士(女性)のデータを参照したもの
- データは百円単位で四捨五入
- 月給は基本給に諸手当を含めたうえで、超過労働給与額を除いた金額(所定内給与額)を記載
- 年収については元データをもとに算出した結果を百円単位で四捨五入したもの
統計からわかるように、保育士の月給や賞与額は年齢に応じて変わってきます。
データを見ると年齢が高くなるほど年収が高くなっているように見えますが、注意したいのは、年齢による年収増には勤続年数が大きく関与しているということ。
一般的に同じ保育園で長く働き続ければ勤務年数に応じて年収が上がっていくことが多いですが、一度離職して一定の年齢で再就職した場合など、年齢が高くても勤続年数が少ない場合には、勤続年数の多い同年代の職員よりも低い年収になることがほとんどです。(※ただし60歳~65歳については定年退職後の再雇用などで役職から外れることなどから給与ベースが下がるケースが考えられます)
役職の有無によっても給与額が変わる
2017年の幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査(内閣府)によれば、私立認可保育所の保育士の給与月額が26.2万円なのに対し、主任保育士の給与月額は39.7万円。
平均年齢等の差による影響もありますが、一般的には役職者には基本給に上乗せして役職手当がつき、給与がアップすることが多いでしょう。
【施設形態別】私立でもっとも高給なのは認可保育所
ひとくちに保育士といっても、その就業先はさまざま。ここからは施設形態によって保育士の給与額にどれくらいの違いがあるのか、比較してみましょう。
施設形態 | 月給 | 年収 |
---|---|---|
認可保育所(私立) | 26.2万円 | 314.6万円 |
認定子ども園(私立) | 24.2万円 | 290.5万円 |
小規模保育事業(A型) | 22.7万円 | 272.6万円 |
事業所内保育事業(A型適用) | 21.1万円 | 253.3万円 |
- 『平成29年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果について』(内閣府調査)をもとに作成
- データは百円単位で四捨五入
- いずれも常勤職員の平均給与月額であり、月額給与のほか平成28年度賞与の1/12が含まれる
- 年収については元データをもとに算出した結果を百円単位で四捨五入したもの
2017年の幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査によれば、私立認可保育所の保育士の平均給与月額は26.2万円、私立認定こども園では24.2万円、小規模保育事業(A型)では22.7万円、事業所内保育事業(A型適用)で21.1万円でした。
もっとも給与額が高い私立認可保育所と、もっとも給与額が低い事業所内保育事業(A型適用)とでは、ひと月あたり約5万円、年間で60万円以上の金額差が生じることとなります。
◆それぞれの施設形態の違いについてはコチラをチェック◆
運営規模や公的補助によって給与に差が出る
施設形態によって給与に差が生じる原因のひとつは、園の運営規模と補助金にあります。
認可保育所と比べると小規模保育事業や事業所内保育事業は運営規模が小さく、公的に受けられる補助金額も少額。そのため人件費に大きな予算を割けないケースが考えられます。
預かる年齢が満3歳未満に限られていることや、定員が認可保育所に比べて少ないことなどから、乳児保育で経験を積みたい・アットホームな雰囲気が希望の保育士さんには人気がある小規模保育事業・事業所内保育事業ですが、収入面では認可保育所をやや下回ることが多いと言えるでしょう。
平均勤続年数の差も考慮に入れて
もうひとつの原因として考えられるのが、調査対象となっている保育士の勤続年数の差です。認可保育所の平均勤続年数が8.8年なのに対し、認定こども園は7.9年、小規模保育事業(A型)は5.1年、事業所内保育事業は4.3年と、大きな差があります。
認定こども園や小規模保育事業、事業所内保育事業は、比較的新しい保育施設のため、職員の勤続年数も短いことで給与額が低くなっている可能性も考えられるでしょう。
【地域別】高給与トップ5は大都市圏が中心
保育士さんのお給料は、働く地域によっても差が生じます。それは都道府県ごとに人口や所得の額、消費者物価などが異なるため。
1時間あたりの労働に対して労働者に支払うことが義務付けられている最低賃金も都道府県ごとにまちまちです。
では保育士の場合、給与額が高い地域はどこなのでしょうか?ここからは2018年の賃金構造基本統計調査をもとに、平均年収・月給・年間賞与額の高い都道府県をチェックしてみましょう。
年収の第1位は東京都
まずは保育士の年収が高い都道府県をチェックしてみましょう!
順位 | 都道府県 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | 東京都 | 423.8万円 |
2位 | 京都府 | 398.9万円 |
3位 | 千葉県 | 391.8万円 |
4位 | 広島県 | 378.8万円 |
5位 | 神奈川県 | 375.4万円 |
2018年の保育士(女性)の全国の平均年収額は348.6万円。それに対して1位の東京都の平均年収は423.8万円、なんと東京都の保育士年収額は、全国平均よりも75.2万円も高いという結果になりました。
東京都は待機児童が全国でもっとも多いという背景から、保育士の確保のための取り組みに力を入れています。とくに「保育士等キャリアアップ補助」という独自の補助制度を導入しており、一定の要件を満たした事業者に対して、自治体から補助金を受けられることになっています。
1位の東京都も含め、続く京都・千葉・広島・神奈川と、いずれも大都市圏が年収の上位を占めていることがわかります。
月給の第1位も東京都
では、つづいて平均月給額(所定内給与額)で各都道府県を比較してみましょう。
順位 | 都道府県 | 平均月給 |
---|---|---|
1位 | 東京都 | 28.6万円 |
2位 | 京都府 | 25.4万円 |
3位 | 広島県 | 25.2万円 |
4位 | 千葉県 | 25.0万円 |
5位 | 神奈川県 | 24.8万円 |
1位は東京都で28.6万円、2位は京都府で25.4万円という結果に。2018年の保育士(女性)の全国の平均月給(所定内給与額)は23.2万円ですから、東京都の保育士の給与はひと月あたり全国平均よりも5万4千円ほど高いという計算になります。
年間賞与第1位は京都府
では、年間の賞与額についてはどうでしょうか。
順位 | 都道府県 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | 京都府 | 94.0万円 |
2位 | 千葉県 | 92.0万円 |
3位 | 栃木県 | 81.7万円 |
4位 | 青森県 | 81.5万円 |
5位 | 福岡県 | 81.4万円 |
1位は年収・月給ともに全国2位となった京都府で94万円。2018年の保育士(女性)の全国の平均年間賞与額70.8万円と比較すると23.2万円もの差があることがわかります。
京都府もまた保育士の処遇改善に向け、積極的に取り組んでいる自治体のひとつ。とくに京都市では、市独自に約49億円の予算を投入し、保育士が働きやすい環境づくりを勧めています。
自治体独自の処遇改善制度が利用できない園も……
ここまで年収・月給・賞与の3つの切り口から保育士の処遇のよい都道府県を比較してきましたが、とくに保育の担い手不足に悩む都市部では、都道府県だけでなく各市区町村も、独自の保育士への支援制度を導入しています。
ただし、注意したいのはその自治体のすべての保育施設で、支援制度を導入しているわけではないということ。
ご自身が保育士としての就業を希望する自治体に、どのような支援制度があるのか確認するとともに、「ここで働きたい!」と思う園があれば、その園で支援制度が利用できるのかどうか、確認しておくとよいでしょう。
短時間勤務/非常勤のお給料事情
保育士としての働き方には、パートタイム・アルバイトといった短時間の勤務形態での就労もあります。ここからは短時間労働で働く保育士のお給料事情をチェックしていきます。
まずは時給をチェックしてみよう
厚生労働省が行った2018年の賃金構造基本統計調査によれば、保育士の平均時給(1時間あたり所定内給与額)は1,108円。
これは、すべての職種における短時間労働者の平均時給額1,128円よりも若干少ない金額となっています。
月給で比較してみると……?
つづいて公立・私立別、施設形態別に非常勤として働く保育士の月給を比較してみましょう。
施設形態 | 月給 |
---|---|
認可保育所(公立) | 17.3万円 |
認可保育所(私立) | 16.9万円 |
認定子ども園(公立) | 16.3万円 |
認定子ども園(私立) | 15.6万円 |
小規模保育事業(A型) | 16.7万円 |
事業所内保育事業(A型適用) | 15.9万円 |
- 『平成29年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果について』(内閣府調査)をもとに作成
- データは百円単位で四捨五入
- いずれも非常勤職員の平均給与月額
公私別に見てみると、認可保育所・認定こども園ともに、公立のほうが月給がやや高い傾向にあります。
施設形態ごとの給与差については、常勤の保育士と比べるとさほど大きくはありません。
保育士が安心して働くためには給与の改善が不可欠!
ここまでさまざまな切り口から保育士の給与事情をお伝えしてきましたが、保育士不足や、潜在保育士の増加といった問題を改善するためには、給与・賞与といった賃金面の処遇改善が欠かせません。
東京都の保育士登録者31,550名を対象に都が2014年に行った保育士実態調査によれば、働く保育士が職場に改善を希望する点として、59.0%の回答者が「給与・賞与等の改善」を挙げています。
また、退職した保育士にその理由を聞いたところ、約4分の1にあたる25.5%が「給料が安い」ことを理由に仕事を辞めたと回答しています。
国・自治体の処遇改善で、保育士の給与は改善されつつある
国は多くの保育士が給与に対して不満や不安を抱えている状況を改善しようと、2013年から「処遇改善等加算」という補助金支給制度をスタートしました。
補助金額は年々増え、さらに2017年からは技能や経験に応じた更なる処遇改善策が提示されたことで、2012年の段階から約10%の給与アップ、さらに技能・経験により最大4万円の処遇改善が実現されています。
また、国の政策にくわえ、とくに待機児童問題の深刻な都市部を中心に、独自に処遇改善策を行う自治体も増えてきました。
では、このような「保育士の処遇改善策」によって、実際保育士のお給料事情は改善されているのでしょうか。
2016年から2018年までの賃金構造基本統計調査結果をもとに、保育士の平均給与がどのように変化しているか、チェックしてみましょう。
年 | 月収 | 賞与 | 年収 |
---|---|---|---|
2016年 | 21.6万円 | 58.8万円 | 317.8万円 |
2017年 | 22.3万円 | 66.3万円 | 333.7万円 |
2018年 | 23.3万円 | 70.8万円 | 349.9万円 |
- 『平成30年賃金構造基本統計調査』(厚生労働省)をもとに作成
- データは百円単位で四捨五入(平均値については元数値の差を算出ののち四捨五入)
- 年収については元データをもとに算出した結果を百円単位で四捨五入したもの
2016年と比べると2018年の保育士の年収額は約10%、金額にするとおよそ32万円アップしていることがわかります。
「処遇改善等加算」の支給がスタートする前の2012年の保育士の平均年収307.8万円と比較すると約14%、金額にしておよそ42万円アップしており、ここ数年の処遇改善の取り組みが、保育士の賃金向上に一定の成果をあげていることがわかります。
補助金の適正利用に向けて……
いっぽう、この金額を見て「私のお給料はそんなに上がっていない!」と思った方もいることでしょう。
国が支給している「処遇改善等加算」は保育士に直接支払われるのではなく、自治体を通じて保育園に対して支払われます。しかし、その補助金を保育士に還元することは義務化されておらず、一部の園では設備投資などに補助金を充てており、きちんと保育士の処遇改善につながっていないケースもあるそう。
保育士の処遇改善のためのお金なのに、肝心の保育士に届かないのでは意味がありません。
そのため、このような問題が生じないよう各自治体には、園に賃金台帳の提出を求め、補助金が適正に使われているか調査する動きが広がりつつあります。
また、適正に使われてなかった場合などに補助金の返還を求めたり、補助金を減額したりという対策に乗り出した自治体もあります。
保育士の処遇改善がはじまって数年。課題も見えてはきましたが、適切な対処によって状況が改善すれば、今よりもっと処遇改善を実感できるようになっていくはず!これからの国や自治体、運営母体の取り組みに注目していきましょう。
編集者より
保育士さんが「給与が低い」と不満を持つ背景には、純粋に給与金額が少ないということ以外にも、業務の量・質に対して賃金が見合っていないという不満や、保育士という仕事の価値が正当に評価されていないことに対する不満もあるでしょう。
「お給料の金額をアップさせるだけでは、いまの保育士不足や潜在保育士の問題は解決しない!」そう感じている保育士さんも少なくないはず。
しかしここ数年、徐々にではありますが社会が動きはじめています。
国がいま力を入れている保育士の処遇改善は、保育士という仕事に対する社会の見方に変化をもたらすことでしょう。それがゆくゆくは金銭以外の処遇の改善につながっていけばよいですね。
課題はまだまだ多いですが、少しずつ保育士さんの働く環境がよりよいものになっていくことを……、そして保育士さんが給与額だけで職場を決めるのではなく、本当にやりたい・目指したい保育を追究できる社会になることを願って。
参考文献・サイト
- 厚生労働省『平成29年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果について』(内閣府調査)(2019/9/27)
- 厚生労働省『賃金構造基本統計調査』(2019/9/27)
- e-Stat統計でみる日本『賃金構造基本統計調査』(厚生労働省調べ)(2019/9/27)
- 厚生労働省『幼稚園・保育所等の経営実態調査結果( 収支状況等 )』(内閣府調査)(2019/9/27)
- 東京都福祉保健局『東京都保育士実態調査報告書』(2019/9/27)
- 厚生労働省『地域別最低賃金の全国一覧』(2019/9/27)
- e-Stat統計でみる日本『賃金構造基本統計調査(都道府県×職種DB 2010~2017) 』(厚生労働省調べ)(2019/10/17)
- 京都市『京都市の民間保育園・認定こども園の保育士の給与水準は全国平均の1.34倍! 』(2019/10/17)
- 東京都福祉保健局『保育人材確保の取組について 』(2019/10/17)
- 内閣府『平成30年度子ども・子育て支援事業費補助金交付要綱(案) 』(2019/10/17)