保育の基礎知識

無資格でもできる?「保育補助」のお仕事をくわしく解説

共働き家庭の増加に比例して高まっている保育施設のニーズ。
しかしそれとは裏腹に、保育士の離職率は10.3%(厚生労働省「保育士等に関する関係資料」2015年)とやや高め。保育士不足が深刻化し、数多くの現場から悲鳴が上がっています。

そのような昨今、注目を集めているのが保育補助のお仕事。
「保育補助」とはどのようなものなのか? どうすればなれるのか? 保育士との業務内容は? などなど……今さら聞きづらい疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、「保育補助」について詳しくご紹介します。
保育業界に興味がある方、保育園で働きたい方は必見ですよ!

保育補助とは

保育補助とはその名の通り、保育の現場で保育士業務の補助を行うお仕事のこと。
保育が始まる前の準備や、子どもや保護者対応が終わった後の片付け・掃除を基本として、ひと通りの保育に関わって担任保育士の手が回らない部分をサポートします。
園によっては朝の受け入れからトイレ補助・おむつ替え、昼食時のお手伝いやお昼寝の見守り、お迎え時の受け渡しなどを保育士さんと分担することも。

あくまでサブ的なポジションだと思われがちですが、子どもや保護者に直接関わる以上、正規職員と同じ責任が生じます。プレッシャーがある分、やりがいのある仕事です。

保育士との違いは?

保育士と保育補助には「働くために資格が必要か否か」という大きな違いがあります。
保育士になるには国家試験を受け、保育士資格を取得する必要があります。しかし保育補助は無資格でも働ける職種です。

保育士は子どもとの遊びや教育以外にも、培った専門知識を活かして保育計画を作ったり、保護者あての連絡帳に日々の活動を記入したりとデスクワークを行います。そのほか、クラスの担任や主任などを務めることも。
一方、保育補助はそういった事務作業にほとんど関わりません。基本的には子どもと接する実務のサポートが中心です。

家庭的保育補助者との違いは?

保育補助と名前が似ている職種に「家庭的保育補助者」というものがあります。
一見すると同じものに思えますが、保育補助と家庭的保育補助者には、資格の有無と働ける場所の違いがあります。

家庭的保育補助者とは?

主に小規模保育(C型)や家庭的保育で働く職種。「家庭的保育者」のサポートを行う。
家庭的保育補助者になるためには、市町村が実施する基礎研修を修了する必要がある。

小規模保育は、「定員20名以上の認可園」と「定員5名以下の家庭的保育」の中間に位置する形態の施設だホィ。
中でもC型は定員6~10人、保育者は子ども3人につきひとりを配置する基準で運営されているよ。

小規模保育事業所(C型)や家庭的保育事業所で働く場合、保育士資格を持っている人でも、研修を受けて「家庭的保育者」の資格を取得する必要があります。
保育士資格を持っていない人がこの研修を受けることで、「家庭的保育補助者」として従事できるようになる……というわけです。

資格を取る時間がない、もしくは働きたい園が小規模保育や家庭的保育ではない、という場合には、まず保育補助からスタートするのがよいでしょう。

保育補助の仕事内容

保育補助の主な仕事内容は先述の通り、保育士が他の業務で手が回らない際のヘルプです。
朝の登園受け入れやトイレ補助・おむつ替え、昼食時のお手伝い、お昼寝の見守り、お迎え時の受け渡し……何を任されるかはその時々で変わります。
基本的には準備や片付け・掃除といった環境づくりがメインになることが多いようですが、園の状況によってはその限りではないため、「ひと通りの保育を担当する」と考えておくのがよいでしょう。

業務内容的に、正規職員よりもパートタイマー・アルバイトとして働くケースが多い職種です。
とはいえ週5日8時間のフルタイムで働く人もいれば、午前のみ・午後のみの時短シフトで働く人もいます。勤務時間や日数、働き方は所属する園によって変わるので、事前に確認しておくとよいですね。

保育補助になるには?

パペット保育士シッター

保育補助になるのに、何か特別な資格や経歴が必要になることはありません。
保育士と同じレベルの知識や経験があれば望ましい、というのはありますが、基本的に無資格でもなれる職種です。

求人の探し方としては以下のようなものが考えられます。

  • 在籍している専門学校を経由して問い合わせる
  • 私立の園に直接問い合わせる
  • 自治体の保育課に公立園の求人を問い合わせる
  • ハローワークなどで求人を探す

自分で問い合わせて求人を探すのは大変そう……という方には、人材紹介会社に無料で仲介してもらうというのもひとつの手としてオススメです。
とくに、保育士資格をすでに持っている方の場合は引く手あまた。さまざまな求人を比較検討できますよ!

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保育補助の給与

保育士専門の転職支援サービス「保育のお仕事」に掲載されている正社員求人を見ると、平均月給は19万円。最高額は25万円となっています。

パートタイマーの給与としては、時給1,000~1,200円台のところが多いようです。中には1,500円に届く求人もあるので、ご自身の希望と照らし合わせて探してみるとよいでしょう。

特に経験者は給与面でも優遇される傾向にあるよ。

保育補助に向いているのはこんな人


保育補助は資格を必要としない、多くの人に門戸が開かれている職種。
その中でもどんな人が保育補助に向いているのか、ピックアップしていきます。

保育学生

園によっては正規職員と同じくらい密接に子どもと関わる保育補助。
「保育の現場を体感して、自分に保育士の適性があるのか確かめたい」という保育学生さんには、もっとも向いているアルバイトだと言えるでしょう。

また保育補助として現場で働いた経験は、就職活動の際のアドバンテージになりえます
履歴書や面接で「即戦力になれること」「熱意があること」をアピールする上で、現場経験があることはかなり有利なポイント。
保育士として働きたい! という保育学生さんも、ぜひ保育補助のお仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

在学中から働きたい園が決まっている、という学生さんは、お目当ての園で保育補助の仕事をするのもひとつの手だホィ。資格取得後、そのままその園で働ける可能性があるホィ!

子育て経験のある社会人

子育てを終えた社会人の方で、「子どもが好き」「保育業界に貢献したい」という方にもおすすめです。
ご自身が子育てで培った知見を活かせる……というやりがいはもちろん、さまざまな子どもと接することで得られる学びもたくさんあります。充実したパートタイム勤務ができることでしょう。
園としても、子どもに関わった経験のある方を歓迎する傾向が多く見られます。

保育士を目指したい方

経済的な事情で専門学校には通えないけれど、将来的に保育士を目指したい……といった方にも保育補助はおすすめです。

保育士資格を得るための試験には、受験するにあたっていくつかの条件があります。
その中のひとつに「2年以上の現場経験を有していること」というものがあるため、保育補助として2年以上働けば、保育士試験を受けられるようになります。

実際に保育士資格をゲットして働き始める際にも、実務経験があることはメリットになるよね。

潜在保育士

一度は保育の現場から離れたけれど、やっぱりもう一度保育士として働きたい! という潜在保育士の方にも、保育補助のお仕事をオススメできます。

潜在保育士さんの多くは、出産・育児をきっかけに離職し、お子さんの預け先が見つかった(あるいは手がかからなくなった)タイミングで復帰を考えるのではないでしょうか。
つまり保育現場に戻るまで、少なくとも2年以上のブランクがあります。中には5年、10年と現場に縁がなかった方もいるでしょう。

いきなり正規職員としてフルタイムで復職するのはハードルが高いと感じる方は、まず保育補助のお仕事で少しずつ感覚を取り戻していくのはいかがでしょうか。

保育補助として働くメリット

保育補助として働くメリットを順番に見ていきましょう。

保育に関する知識・経験が得られる

現場で実際に子どもと接する保育補助のお仕事には、保育士資格をまだ持っていない人でも保育の知識や経験を身につけられるというメリットがあります。
保育士さんがサポートを必要とする部分をフォローする、という立場から、幅広い保育の経験ができるのが魅力です。
保育士を目指して学校に通っている学生さんには就職前のよい訓練になりますし、就職活動の際には実務経験があることをアピールポイントにできますね。

直接子どもと関わることができる

正規職員として働く保育士さんのお悩みで多いのが、「事務作業や書類業務に追われて、子どもと触れ合う時間がない」というもの。
子どもと接するのが好きで保育士になったはずなのに、それ以外の業務量が多すぎて子どもとの時間を切り詰めるしかない……というケースは珍しくありません。

しかし保育補助はあくまで保育士さんの業務サポートが主な仕事。
書類業務や事務作業を任されることが少ないため、子どもとのかかわりを重視したい人にとっては理想的な働き方ができるでしょう。

保育士試験の受験資格を得られる

保育補助として働いた期間は実務経験にカウントできるため、2年以上働いていれば、保育士試験を受けるために必要な受験資格「2年以上の実務経験を持つ」を満たせます。

専門学校や養成校には通えないけれど保育士資格を取得したい、独学でチャレンジしたい方にとっては魅力的なメリットだと言えますね。

編集者より

保育補助は、これから保育士さんになりたい人・もしくはもう一度現場に戻りたい人におすすめの職種といえます。
長期的にご自身のキャリアを検討したうえで、まずは補助として経験を積むのか? 先に資格を取得するのか? しっかり考えて決めてみてくださいね。

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参考文献・サイト

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