4月から導入された”子育て支援員”をご存知ですか?ニュースなどでも取りあげられているこの新たな資格制度…世間では賛成、反対、様々な意見が飛び交っています。本日は話題の”子育て支援員”についてご紹介するとともに、賛否それぞれの意見を伺ってみましょう。
子育て支援専門員って?
「子育て支援員」は、2015年4月より国が新たに設けた、全国共通の認定制度です。育児経験のある主婦などを対象に、14~30時間程度の研修を受ければ、「子育て支援員」として認定され、小規模保育などの現場で保育士のサポートができるようになります。
背景は保育人材の不足
制度設置の方針の背景にあるのは、慢性的な保育人材の不足です。
2015年開始の「子ども・子育て支援新制度」では、保育所や学童保育施設を増やすとしています。
事業の拡充に伴い人材の確保が必要となるものの、保育士不足は依然として深刻な状態が続いています。このため政府は、子育て支援員資格を整備することで、担い手を確保する仕組みを整えると同時に、子育て中の女性や、子育てが一段落した主婦の社会進出を後押ししたい考えです。
“子育て支援員”研修内容や年収は?
では具体的に子育て支援員の研修内容や収入はどうなのでしょう。まず年収に関しては、小規模保育でフルタイムで働く場合250万円程度が想定されています。
また研修に関しては、基本研修の他、保育事業の内容によって「放課後児童コース」「社会的養護コース」「地域保育コース」「地域子育て支援コース」の4種類に分かれます。なお研修は自治体などが実施し受講料はほとんどかからない見込み。
- ◆基本研修
- 8科目8時間
- 子育て支援員になるための基本研修。子どもの発達や保育の原理などの基礎を学びます。
- ◆放課後児童コース
- 6科目9時間
- 放課後児童クラブで働く補助員を養成します。子どもの発達理解と児童期の生活と発達などについて学びます。
- ◆社会的養護コース
- 9科目11時間
- 乳児院や児童養護施設等で働く補助的職員を育成します。社会的養護を必要とする子どもの理解や、家族との連携について学びます。
- ◆地域保育コース
- 16科目~18科目21~22時間+実習2日以上
- 小規模保育事業・事業所内保育事業・一時預かり事業での保育従事者、家庭的保育事業での補助者、ファミリーサポートセンター事業での提供会員などを育成します。小児保育や保護者対応など幅広く学び、座学だけでなく2日以上の見学実習も必要です。
- ◆地域子育て支援コース
- 基本型:9科目24時間
特定型5科目5.5時間
拠点6科目6時間 - 利用者支援事業(基本型)は相談支援などを行う人材、・利用者支援事業(特定型)は保育に特化した利用支援を行う人材、・地域子育て支援拠点事業は利用者の身近な立場から寄り添った支援を行う人材を育成します。その特性ごとに各々の研修プログラムが組まれています。
編集者より
反対意見にもありましたが、現在の保育士不足の原因には、その処遇に対しての改善がなかなか進んでいないことが挙げられます。子育て支援員の処遇に関しては、当初180万円程度だったものが250万円程度に引き上げられましたが、合わせて保育士さんの処遇改善についても、さらなる改善を願いたいところですね。
支援員の研修はまだまだこれから。今後ますます注目が集まりそうです。