保育ノウハウ

【例文付き】保育士の目標設定はどう立てる? 自己評価までの流れとポイントも解説

日々の保育に追われる中で、定期的にやってくる「目標設定」。毎年経験していても、「今年は何を目標にしようか」「どう書けば自分の成長につながるだろうか」と、ペンが止まってしまう方もいるのではないでしょうか。ご自身のスキルアップや保育の質の向上のために大切なことだと分かっていても、具体的な目標設定や、その後の自己評価をどう進めれば良いか、迷うこともあるでしょう。

この記事では、保育士の先生方が目標を立てる際の具体的なポイントや、経験年数に応じた目標の作成例を分かりやすく解説します。さらに、目標達成に向けた自己評価の進め方やその目的についてもご紹介しますので、目標設定から自己評価までの一連の流れをスムーズに進めるためのヒントとして、ぜひご活用ください。

【この記事で分かること】

  • 保育士の目標設定が重要な理由
  • 保育士が目標設定する際のポイント
  • 保育士の目標例文と作成のコツ
  • 目標設定後の自己評価の目的・方法

保育士の目標設定が重要な理由

保育士は、子どもたちと関わりながら成長を支える責任ある職業です。しかし日々の業務に追われていると、自分がどのような保育を目指すのかを見失ってしまうこともあるかもしれません。そのようなときは目標を設定し、保育に対する軸を明確にしましょう。

自分の理想とする保育像を見つめ直すことで、日々の業務にも前向きに取り組めるようになります。また、子どもたちの成長をより深く支えるためにも、自分自身の成長を意識していくことが大切です。ここでは、保育士にとってなぜ目標設定が重要なのか、その理由を5つの観点から解説します。

<保育士の目標設定が重要な理由>

  • 仕事のモチベーションが上がる
  • スキルアップにつながる
  • 自己評価・人事評価に生かせる
  • 後輩保育士の育成に役立つ
  • 園全体の目標達成に近づく

仕事のモチベーションが上がる

目標があると、日々の業務に意欲的に取り組めるようになります。例えば、「子どもの発語を促す保育をする」という目標を立てると、言葉を引き出す絵本を選んだり、子どもとの会話量を増やしたりと、意識するようになるでしょう。こうした取り組みが実を結び、目標が達成できると大きな達成感を得られるのです。

目標を持たずに仕事を続けていると、どうしても業務がルーティン化してしまいがちですが、目標を定期的に設定することでゴールが明確になります。小さな成功体験を積み重ねられるので、モチベーションの維持にもつながるでしょう。

スキルアップにつながる

目標設定は、自分の足りない部分や課題点を客観視することにも役立ちます。目標を達成するためには「できていないこと」や「苦手なこと」を把握し、改善のために必要な行動や対策を考えることが大切です。

保護者とのコミュニケーションに課題があれば、「積極的な挨拶を心掛ける」「慌てず落ち着いて話す」など、改善のために何が必要か考え、行動に落とし込んでいきます。苦手分野や伸ばしたい能力を意識できると、自分に必要な研修や学びにも積極的に取り組めるようになり、結果的にスキルアップに結び付くでしょう。

自己評価・人事評価に生かせる

保育士の仕事は成果を数値で表すことが難しく、上司や管理職がどのように評価をすれば良いのか判断に迷うケースも少なくありません。そこで、保育士自身が目標設定をし、達成度や自己評価をまとめておくことで、客観的な判断材料になります。

面談や評価シートを記入する際も、過去に自分がどんな目標を持ち、目標達成のためにどう取り組んだかを説明できると、説得力のある自己アピールができるようになります。保育士は昇給やキャリアアップの際に、「保育の質」や「成長意欲」が重視される傾向にあるため、自主的な目標設定と評価は大きな武器になるでしょう。

後輩保育士の育成に役立つ

経験年数が増えていくと、後輩指導の機会も自然と増えていきます。その際に役立つのが、過去の自分の目標設定や自己評価です。自分が過去に悩んでいたポイントや、つまずいた経験は後輩の成長にも役立ちます。

指導する際の参考にしたり、後輩へのアドバイスに活用したりもできるため、目標は言語化したものを記録として残しておきましょう。また、こうした知見の共有は、職場全体の人材力向上にもつながっていきます。目標を振り返る習慣があれば、自身の成長にも気付きやすくなり、指導にも自信を持てるようになります。チーム全体の保育力を高めるためにも、経験を積極的に生かしていきましょう。

園全体の目標達成に近づく

保育園には年度ごとに目指すべき方針や教育目標があります。園によっては、園全体で取り組むべき課題が明文化されていることも少なくありません。

こうした園の目標と個人の目標をリンクさせることで一体感が高まり、保育士一人ひとりが目標達成のために主体的な行動をとれれば、園全体の目標達成にも貢献できます。また保育士自身も園の方針や方向性を意識しやすくなるため、日々の業務にも生かしやすくなるでしょう。

さらに、共通のゴールを共有することでチーム内でのコミュニケーションも円滑になります。保育の質や子どもへの対応に一貫性が生まれ、保護者からの信頼向上にもつながるはずです。そのためにも、園内での定期的な目標確認や話し合いの場を設けることをおすすめします。

保育士が目標設定する際のポイント

目標を立てることは重要ですが、自身の成長や評価につながる目標を作成するには、いくつかのコツがあります。ここでは、目標を設定するために知っておきたいポイントを見ていきましょう。

<保育士が目標設定する際のポイント>

  • まずは自己分析をする
  • 上司や同僚の他己評価も参考にする
  • スモールステップの目標設定をする
  • 数字などを入れて具体的な内容にする

まずは自己分析をする

目標を立てるための第一歩は、自分自身を客観的に見つめ直すことです。得意不得意やできていること、もう一歩足りない部分など、日々の保育を振り返り、整理することから始めましょう。

例えば、「子どもとの関係は良好だが、保護者対応に不安がある」「制作活動は得意だが行事運営は苦手」など、課題点や反省点を洗い出すことで、自分に必要な目標が浮かび上がってきます。また、園内での役割や立場も考慮し、「自分に求められていること」や「周囲にどう貢献できるか」といった視点を持つことも大切です。

【監修者・礒部はるかのアドバイス】
自己分析の際は、自分の弱み・強みを洗い出す他、目指す「方向性」を定めましょう。自分の今後のキャリアを見据えて、まず達成したいことを考えます。そして、その達成に「何が必要なのか(スキル、経験)」「どんな環境が必要なのか(人的ネットワーク、時間、スキルアップ研修)」をリストアップします。こうして方向性を決めることで、次のステップが見えてくるはずです。

上司や同僚の他己評価も参考にする

自己分析だけでは見えてこない課題もあるため、上司や同僚など第三者の意見も取り入れてみましょう。客観的な意見やアドバイスをもらうことで、自分では気付かなかった強みを知るきっかけにもなります。

特に、複数担任のクラスやフリー保育士の場合は、他者からのフィードバックを受ける機会が多いですが、一人担任の場合はなかなか聞ける機会がないため、定期的にアドバイスを求める姿勢が重要です。人事評価や面談のタイミングで尋ねるだけではなく、日頃の保育を通じて積極的に周囲の意見を聞きましょう。

スモールステップの目標設定をする

高過ぎる目標は達成が難しく、結果としてモチベーションの低下につながります。例えば「クラスの保護者全員と信頼関係を築く」といった目標は理想的ですが、達成までのプロセスが曖昧なため途中で挫折しやすくなります。

そのため、まずは達成可能な小さな目標から始めることがポイントです。「1日1回、保護者に自分から声をかける」など、具体的かつ段階的な目標設定にすることで成功体験を積み、自信につなげていきましょう。声かけの内容も「子どもの今日の様子を伝える」「変化に気付いた点を共有する」など、明確に決めておくと効果的です。こうした積み重ねが、保護者との信頼構築につながりやすくなるでしょう。

数字などを入れて具体的な内容にする

曖昧な表現では行動に移しにくく、評価や振り返りもしづらくなります。目標を立てる際は、必ず「いつまでに」「どのように」「どのくらい」といった具体的な数値や期限を含めるようにしましょう。例えば、「保育の質を高める」ではなく、「3カ月に1回は研修に参加し、実践できる内容を保育に1つ以上導入する」など、行動を明確にすると日々の保育への意識も変わってきます。

さらに、取り組んだ内容を記録しておくことで、次回の目標設定や自己評価にも役立ちます。成果が見えると達成感が得られ、モチベーションの維持にもつながるでしょう。また、他の職員と情報を共有すれば、園全体の学びにも広がりを持たせることができます。

保育士の目標例文と作成のコツ

目標の重要性やポイントが分かったら、次は実際に目標を設定してみましょう。以下で、経験年数に応じた目標設定のコツを、例文と併せてご紹介します。

<保育士の目標例文と作成のコツ>

  • 新人保育士(1年目~2年目)の場合
  • 中堅保育士(3年目~4年目)の場合
  • 中堅保育士(5年目~6年目)の場合
  • ベテラン保育士(7年目~9年目)の場合
  • ベテラン保育士(10年目以上)の場合
  • フリー保育士の場合

新人保育士(1年目~2年目)の場合

保育士として働き始めて1~2年目の先生は、新しい環境の中で覚えることがたくさんあり、日々の業務に慣れるだけでも精一杯かもしれません。そのような中で「目標を立てて」と言われても、何から考えれば良いのか、迷う方もいるでしょう。

新人保育士は、社会人としてのマナーや職場での立ち居振る舞い、報連相への意識など、社会人としての基礎を身に付ける時期です。子どもとの関わりはもちろん大切ですが、新しい環境に慣れ、保育や業務の流れを覚えることが優先されます。

まずは先輩保育士の保育を参考に、真似ることからスタートし、自分なりの保育観を築いていくための土台作りをしましょう。分からないことは自分一人で抱え込まず、積極的に質問する姿勢も大切です。

新人保育士に適した目標例文を、以下で見ていきましょう。

【目標例文】

  • 毎日10分早く出勤し、1日の業務内容を確認する習慣を身につける
  • 社会人としてのマナーを身につけ、言葉遣いに気をつける
  • 1カ月以内に子どもと保護者の顔と名前を覚える
  • 日々の業務を振り返り、気付いた点や反省点をノートに記録する
  • 報告・連絡・相談を意識し、先輩保育士と積極的にコミュニケーションをとる

【監修者・礒部はるかのアドバイス】
新人保育士が短期的な目標を立てる際のポイントは、「無理なく達成できる」「具体的な行動に落とし込める」「日々の保育に反映できる」です。保育士になったばかりの頃は、まずは基本的な業務を確実にこなし、保育の土台を築くことを意識することが大切です。無理に高い目標を立てるのではなく、達成できそうな目標から立てていき、徐々にステップアップしていきましょう。

中堅保育士(3年目~4年目)の場合

保育士としての業務を一通り経験し、ある程度の自信と実績がついてくるのが3年目から4年目です。中堅保育士になると、クラス運営の中核を担いながら、後輩のフォローも求められるようになります。

目標設定の際は、これまでに培ってきたスキルや経験を取り入れる他、チーム運営としての視点も重要です。行事や会議などでは積極的に自分の意見を発信し、日々の保育の質にこだわる姿勢も欠かせません。

後輩への声かけや業務のサポートも日常的に行いながら、自分の保育を客観的に振り返ることも求められるため、目標は複合的に設定すると良いでしょう。この時期はクラス運営や後輩のサポートなど、多様な業務に対応できるようになる必要があります。3〜4年目の中堅保育士の目標例文は、以下の通りです。

【目標例文】

  • 後輩への丁寧な声かけや指導を意識し、相談しやすい雰囲気を作る
  • 子ども一人ひとりの個性や発達段階を把握し、学年全体で共有する
  • 保護者との信頼関係を築き、安心して子どもを預けられる関係性を構築する
  • 園行事や保育活動の企画・運営を主体的に務め、リーダーシップを発揮する
  • 園外部への対応や担当クラス以外の業務にも積極的に関わる

【監修者・礒部はるかのアドバイス】
中堅保育士が目標を立てる際のポイントは、「1人の保育士として自立する」「専門性を深める」「チームへ貢献する」という視野を持つことです。新卒で培った保育のスキルや経験をさらに磨く他、後輩指導に携わり、イベントや行事でリーダーシップを発揮するなど、中堅保育士になるとできることが増えていきます。知識を「吸収」する状態から、1人前の保育士として自ら積極的に動く「主体」へとシフトチェンジして、目標を立てましょう。

中堅保育士(5年目~6年目)の場合

5年目から6年目になると、園の運営や方針に携わる業務が増え、クラス担任に加え、リーダー的な役割を求められることも多くなります。園全体のバランスや他クラスとの連携を意識した保育が必要となり、目標設定の範囲も広がってくるでしょう。

また自身のキャリアについても、主任やリーダー職を見据えた準備が始まるタイミングです。後輩指導についても、単なるフォローではなく、育成計画を立てて意図的にサポートしていく必要があります。園の方針や子ども理解の軸を持ち、行事や研修の運営など視野を広げた目標を立てることがポイントです。

以下で、5~6年目の中堅保育士の目標例文をチェックしていきましょう。

【目標例文】

  • リーダーとして職員同士のコミュニケーションを意識しながら学年をまとめる
  • クラス運営のマニュアルを作成し、職員間で共有・実践をする
  • 年間を通して3回以上、保育に関する外部研修を受講し、学びを園全体で共有する
  • 他学年のクラスと交流活動を計画し、園全体のつながりを強化する
  • 風通しの良い雰囲気付くりを目指し、職員同士で積極的に意見交換をする

ベテラン保育士(7年目~9年目)の場合

7年目以降はベテランとしての位置付けとなり、園全体を見渡す視野が求められるなど、責任感とプレッシャーを伴う時期です。主任やリーダーなどの役職に就いていなくても、若手保育士からの信頼も厚く、模範となる行動が期待されます。

また園長や副園長から運営に関する相談を受けたり、園内の制度や体制について意見を求められたりする場面も増えるでしょう。園全体の質向上やチーム保育の推進など、自ら発信し改善に動く姿勢が問われます。

従って、園の中核を担うポジションとして、マネジメントや園全体の課題にアプローチした目標を設定することが大切です。以下で、7~9年目のベテラン保育士としての目標例文をご紹介します。

【目標例文】

  • 主任として職員会議を主導し、議事録を記録する
  • 新人・中堅保育士に向けたロールモデル研修を実施する
  • 保育や人間関係などに悩みがある職員が相談しやすい職場環境作りを心掛ける
  • キャリアアップを目指して保育知識の習得や研修に参加する
  • 安全対策に力を入れ、改善点を園全体に報告・共有する

ベテラン保育士(10年目以上)の場合

経験年数が10年を超える保育士は、園運営や人材育成に深く関わる管理職的な役割を果たすことが多くなります。副園長や園長といった主任以上の立場に就いていることも多く、保育だけではなく、職員配置や評価、保護者対応、地域連携など、園の運営面にも携わるのが特徴です。

目標設定においても、個人の技術向上だけではなく「仕組み化」「人材育成」「組織貢献」など、園全体を見据えたものが軸となります。また、地域や行政とのつながりを深める、園の外部評価に関わる準備を進めるなど、園を代表する立場としての自覚が問われる場面も増えるでしょう。

加えて、主任やリーダーを務めている方は、副園長や園長といった園全体をまとめる役職へのキャリアアップを検討する時期でもあります。10年以上のベテラン保育士向けの目標例文は、次の通りです。

【目標例文】

  • 月1回、園内ミーティングを主導し、チーム全体の目標達成に向けて職員の意見をまとめる
  • 地域連携の一環として、近隣小学校との連携プロジェクトを立ち上げ、年間計画を策定する
  • 副園長を目指して外部の研修を受けるなど、園運営に関する実務経験を積む
  • 園のホームページなどに保育の様子を発信し、保護者や地域の方の信頼と関心を高める広報活動に取り組む
  • 地域の子育て支援事業に参画し、年2回の外部講演を担当する

フリー保育士の場合

フリー保育士はクラスを持たず、園全体の補助業務を担います。そのため、子どもとの関わりや職員の補助、行事の手伝い、その他の雑務処理に至るまで、役割に応じた柔軟な目標設定が必要です。

目標設定においては、「支える」ことを前提としつつ、保育の質を間接的に高める視点が必要となります。特定のクラスを持たないからこそ、横断的に園全体の動きを把握し、臨機応変に動ける体制作りや、担任との情報共有、保護者対応時の連携強化などを意識しましょう。

またフリー保育士は新人からベテランまで割り振られる可能性があるため、自身のスキル維持や向上にも目を向け、常に「今、自分にできること」を問いながら動く姿勢が大切です。

【目標例文】

  • 月に2回、各クラスの状況を記録し、担任と情報共有を行う
  • 週1回の雑務整理・備品点検を担当し、効率化に貢献する
  • 全クラスの子どもと関わるため、全園児と保護者の顔を覚える
  • 送迎時の保護者対応で気付いたことを担任と共有する
  • どのクラスの補助も入れるよう各年齢に合わせた手遊びや保育の知識を身につける

目標設定後は自己評価が大切

目標はただ設定するだけではなく、定期的に振り返りを行い、自分の達成度を見つめ直す「自己評価」を行うことが重要です。ここでは、自己評価が重要な理由や評価を行うタイミング、目標管理シートを用いた評価方法について解説します。

自己評価の目的とタイミング

自己評価には、目標に対する自分の取り組みを振り返り、自身の成長や課題点などを可視化する役割があります。単なる反省で終わるのではなく、「次にどう生かすか」「次はどう改善するか」といった、さらなるスキルアップを目指した前向きな視点を持つことがポイントです。また、自己評価を繰り返すことで、自分の成長スピードや到達度が明確になり、モチベーションの維持や課題発見にもつながります。

評価のタイミングは、目標の規模や期間に合わせて調整しましょう。長期的な目標であれば3カ月ごと、短期的な行動目標であれば週に1回など、定期的な振り返りを習慣化することで、目標の修正や再設定がしやすくなります。振り返りを忘れて自己評価を怠ってしまうと、目標自体が風化しやすくなるため、習慣化できるよう意識することが大切です。

【監修者・礒部はるかのアドバイス】
保育士が自己評価することは、「保育所保育士指針」にも記載されているほど重要なものです。自分の日々の保育を振り返り、客観的に評価することで保育の質の向上へとつながります。保育士一人ひとりが自己評価をして、それに基づいて改善を行う。これを繰り返すことで、保育園全体の保育の質が高まり、より良い子育て支援を実現できます。

自己評価の方法

自己評価を行う際は、記録を残すことが大切です。口頭での振り返りだけでは忘れてしまうため、目標管理シートを作成して具体的な数値や取り組みを記録しておきましょう。

目標管理シートは独自のフォーマットを使用する園もありますが、特に指定がない場合はインターネット上でテンプレートをダウンロードすることも可能です。作成する際は、主に以下の項目を含めましょう。

  • 年間・月間目標
  • 長期的な目標
  • 短期的な目標
  • 目標の達成期限
  • 実施した具体的な取り組み
  • 達成度
  • 課題点や次回の改善ポイント
  • 上司や同僚からのフィードバック(可能であれば)

自己評価をするときは「一人で完結しないこと」も重要なポイントです。できれば定期的に先輩保育士に見てもらい、客観的なフィードバックを受けることで評価の精度が高まります。保育はチームで行う仕事であるため、第三者の視点を取り入れると、自分では見えていなかった部分にも気付けるでしょう。

保育士の目標設定は例文を参考に自己評価とセットで行おう

保育士として働く中で、目標を持つことは自身のキャリア形成や保育の質の向上につながります。特に、保育の仕事は成果が見えにくい側面があるからこそ、モチベーションの維持やキャリアアップのためにも目標設定を行い、定期的な自己評価により自分の保育を振り返るプロセスが大切です。

また目標を振り返る中で「今の園ではこれ以上の成長が難しい」「もっといろいろなことにチャレンジできる環境に移りたい」と思うこともあるかもしれません。そのようなときは、転職という選択肢を前向きに検討するのも一つの手です。

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よくある質問

目標設定が苦手な場合に、目標を見つけやすくするための具体的な方法はありますか?

まず、日々の保育の中で「楽しいと感じること」「やりがいを感じること」「もっと学びたいと思うこと」を具体的に書き出してみましょう。例えば、「子どもたちが製作活動に集中している姿を見るのが楽しい」「絵本の読み聞かせを通して、子どもたちの反応を引き出すことにやりがいを感じる」「発達に特性のある子どもの支援について、もっと知識を深めたい」といった気付きが、目標設定のヒントになることがあります。

また同僚や先輩保育士に、自身の強みや改善点について尋ねてみるのも有効です。客観的な意見を取り入れることで、自分では気付かなかった長所や、伸ばすべきスキルが見えてくることがあります。

そして、目標は最初から完璧を目指すのではなく、スモールステップで設定することが大切です。「1カ月に1回、保育に関する本を読む」「週に1回、保育日誌を見直す」など、達成しやすい小さな目標を積み重ねることで、成功体験を得やすくなり、目標設定への苦手意識を克服できるでしょう。

目標設定をしたものの、達成が難しいと感じた場合、どのように目標を見直せば良いですか?

達成が難しいと感じた場合は、早めに目標を見直すことが大切です。目標を見直す際は、まず、目標達成を妨げている要因を具体的に分析しましょう。「時間が足りない」「知識やスキルが不足している」「目標が曖昧である」など、原因を特定することで、適切な対策を講じることができます。

目標を見直す際には、目標のレベルを下げる、目標達成までの期間を延長する、目標をより具体的な内容に修正するといった方法が考えられます。例えば、「3カ月でクラスの保護者全員と信頼関係を築く」という目標が難しい場合は、「1カ月で保護者全員に笑顔で挨拶をする」「2カ月に1回、保護者と個別に話す機会を作る」など、より具体的な行動目標に落とし込むことで、達成しやすくなることがあります。

また目標を見直す際は、上司や同僚に相談し、客観的な意見やアドバイスをもらうことも重要です。一人で抱え込まず、周囲のサポートを得ながら、現実的な目標設定を心掛けましょう。

自己評価を行う際、客観性を高めるためのポイントはありますか?

自己評価を行う際、客観性を高めるためには、以下のポイントを意識することが重要です。

  • 具体的な事実や行動に基づいて評価する

「頑張った」「努力した」といった主観的な表現ではなく、「〇〇を行った」「〇〇を達成した」など、目標管理シートを作成して具体的な行動や成果を記述することで、評価の客観性を高めます。

  • 記録を活用する

日々の保育日誌や記録、自己評価シートなどを参照し、具体的な事例やデータを基に評価することで、記憶の曖昧さに左右されない、客観的な評価が可能になります。

  • 第三者の意見を取り入れる

上司や同僚からのフィードバックを参考に、自分の評価と照らし合わせることで、自己評価の偏りを防ぎ、客観性を高めることができます。

監修者情報

礒部はるか

保育士資格・幼稚園教諭一種免許状を保有。大学卒業後、学童・児童館にて保育士として従事。その後、保育園にて乳幼児クラスを担当。現在は複数の保育メディアにてライター・編集者・監修者として活動。子育て中の保護者の悩みに寄り添った情報発信を心がけている。

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