保育ノウハウ

壁や床の色が子どもの行動を変える?!色彩の力を保育に活かそう!

私たちの世界にあふれる色彩。世間ではカラーセラピーや風水など色の持つ力が注目されています。その色のパワーを育児や保育に取り入れる”色育”というものがあるのをご存じでしょうか。私たちが思う以上に心と体に影響がある色。今日は色彩が子どもに与える影響についてご紹介していきます!

“色育(いろいく)”を知っていますか?

色とりどりのパステルの写真

“色育”とは色の効果を利用して、子どもたちの「集中力」「想像力」「コミュニケーション力」を育てる取り組み。一般社団法人 日本色育推進会が提唱し、教育の現場などで活用されている例もあるそう。

日本色育推進会では、見続けることで反対の色(補色)が浮かぶ絵本をじっと見ることで集中力を養ったり、塗り絵日記で自然なコミュニケーションを促したりできる親子向け講座、色の力について学ぶセミナーなどを提供しています。

▲ 横浜市のTV放送で色育が紹介された際の動画です。スタートから20分経過したあたりから約10分間色育が紹介されています。
《参考》一般社団法人「日本色育推進会」ホームページ

色は心にも体にも影響を与える!

風船を持った園児

私たちは無意識に見る色から影響を受けています。それは子どもたちも同じ。まずは色育でも取り入れられている”色彩の持つ力”について見てみましょう。

心理的な影響
暗記力、回想力、認識力アップに役立ちます。色を見ることで学習や理解を助け、行動を喚起するなどの誘導的な影響もあります。
生理的な影響
神経に影響を与えます。リラックスさせたり逆に血圧を上げたり、新陳代謝を良くしたり…体の働きにも働きかけます。
感情的な影響
例えば黄色が明るい気分をもたらすなど色によって気分や感情が左右されます。色合いだけでなく、鮮やかさや明るさでも受ける印象や感情への作用が異なります。
文化的な影響
乳児の場合はまだ文化的なイメージの構築はされていない場合もありますが、例えば死を象徴する色が西洋と東洋で異なるように、文化によって色が人に与える印象が異なると言われています。

色にはそれぞれ異なる影響力がある

では色ごとの影響力の違いについて代表的なものを挙げてみましょう。

【赤】 警戒心や注意力を喚起し、感情的興奮や刺激をもたらします。体温・血圧脈拍数を上げるとも。
【橙】 楽天的な印象を与えます。消化や新陳代謝を良くし、食欲を増進させるとも。血管や自律神経を刺激しからだを活動的にする色。
【黄】 明るさや希望を与える色。脳や運動神経を活発にします。集中力アップにも。
【緑】 癒やしの色とも言われ、情緒を安定させ安心感を与えます。筋肉の緊張をほぐしリラックスさせる他、細胞を作る力を促進する、血圧を下げる働きもあると言われています。
【青】 爽快感や冷静さを与える色。鎮静作用があり、痛みを軽減したり、体温を低下させたりする働きがあります。精神的に落ち着かせる作用も。
【紫】 紫も鎮静作用を持ち、リンパ管や心筋、運動神経の働きを抑制します。集中力を高める働きも。優雅さや高貴さを演出する色。
【黒】 相手を威圧する働きを持つ、力を象徴する色。子どもは嫌う傾向にあるよう。
【白】 過去を清算する色と言われています。純潔さや純真さを表します。

ある学校では壁をオレンジから青に変えたところ、子どもたちの血圧が17%も下がり落ち着きを持つようになった例もあるそうです。いろいろな影響力を持つ色…問題行動が目立つ際に子どもを取り巻く色を変えてみる、ぐずってしまった子どもに外の自然の色を見せるなど、何か改善をしたい点がある際にはその力を有効に使いたいところ。

それと同時に、子どもたちには大人の好きな色や好みそうな色だけでなくさまざまな色に親しめる環境を与えてあげたいもの。そこから多くのことを感じ、想像し、言葉や絵などで表現することで、子どもたちの世界や創造性も広がってゆくでしょう。

色彩についてもっと学んでみたい!という方は…

色の持つ力についてもっとよく知りたいという方は、書籍で色彩心理について学んだり、色育の講座を受講してみても良いでしょう。インストラクターやアドバイザーを要請する講座ならば、将来的に色彩という面から保育に関わることも可能になるかもしれませんね。

講座で学ぶ!

◆一般社団法人 日本色育推進会|色育(いろいく)講座
親子や大人向けなど参加される方に合わせていくつかのタイプが用意された単発の色育講座(1,500円~3,000円)や、色育アドバイザー養成講座(6時間/24,600円)、色彩学入門講座(6時間/32,400円)など講座のバラエティーも豊か。色育講座は全国各地で開催されています。

編集者より

今日は最後にひとつカンタンな心理テストをしてみましょう。下の色の中であなたが気になる色はどれですか?直感で選んだ色で今の心理がわかるそうです。

【赤】 情熱や活力を求めています。方向性を明確にし上手にエネルギーを使って
【橙】 社交的なあなた。明るさと物事を楽しむ心を大切にしましょう
【黄】 知識を吸収し、発想が豊かになっています。他人の声にも耳を傾けてみて
【緑】 何かを再構築、再出発しようとしている時期では。疲れたらゆっくり自分を癒やしてあげてくださいね
【青】 心の落ち着きと安定を求めています。争いを嫌う嫌う傾向にありますが自分の意見を相手に伝えるということも時に大切に!
【藍】 信頼も厚く誠実なあなた。でも他者を頼ることもたまには必要。全てをひとりで抱えようとしないでくださいね
【紫】 感受性の強いあなたは人と違った面や考えかたを大事にする傾向にあるよう。精神性だけでなく現実も見るよう心がけて
【桃】 穏やかで、優しい気持ちを求めています。見返りを求めずあなた本来の優しさを大切に

いかがでしたか?人の心身に色が影響を与える一方で、心理や性格が色に現れることもあるのだそう。色彩の世界は奥深いですね…。気になった方は書籍などで学んでみてはいかがでしょう。保育業務だけでなく、保育士さん自身のためにも役立つヒントがあるかもしれません。

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