色とりどりの万国旗や軽快な音楽、そして頑張った競技の後にもらうメダル!
どれも運動会に欠かせない風景ですね。
しかし、毎年行う運動会は、装飾から製作、そしておたよりの内容までマンネリ化しがちです。
そんなお悩みを抱えた保育士さんのために、今回は簡単にできるユニークなアイデアをたっぷりご紹介します!
運動会の競技アイデアはこちらから
難易度別・手作りメダル
まず紹介したいのが、運動会に限らず、誕生会や子育て支援の場など様々なシーンで子どもへのプレゼントとなるメダル。
定番は折り紙のメダルですが、1個あたり約10分製作に時間がかかるようです。
クラスや学年の全員分をつくるとなると大変ですよね。
そこで、簡単に作れるのにしっかりユニークなメダルをたっぷり紹介します。
【難易度★☆☆】エレガントなレースのメダル
簡単なのにしっかりかわいいのが特徴です。
順位に関係なくクラス全員に配布するなど、大量につくる場合に重宝します。
必要な物は「レースのコースター」または「レースペーパー」。100円ショップなどで手に入ります。
これを丸く切った紙に貼るだけ。
スパンコールやビーズなどでキラキラにするとロマンティックに、金銀の絵の具やスプレーで一気に色付けをするとよりメダルらしくなります。
【難易度★☆☆】紙コップでつくるお花型メダル
こちらも紙コップを切り開くというシンプルな作り方です。
中央部分に子どもが自分で好きなシールを貼ったり、先生がイラストを描いても◎
《作り方》
①紙コップに縦に切り込みを入れていきます
柄つきの紙コップを使うと地味にならず、かつ時間短縮のポイントです。
②コップの底を上にして、切った部分を折り広げていきます
メダルの大きさは適宜カットして調節してください。
③中心部を飾り、リボンを付けたら完成!
【難易度★★☆】ロゼット風リボンメダル
ウェディングのシーンでも人気のロゼットですが、準備物も多く時間もかかります。
そこで、インスタントのリボンのメダルがこちら。
わっか状にしたリボンをホチキスで留めて重ねていきます。
中心は厚紙にアルミホイルをかぶせた丸形でキラキラにします。
リボンの部分に一言メッセージを書いてもよいですね。
【難易度★★☆】立体のクリアメダル
変わり種のメダルを作りたいならこちらがおすすめ。
ペットボトルの底を切り出して、円形に切ったカラークリアファイルと合体。
型抜きしたホログラムの折り紙やビーズなどを入れれば中の小物がカラカラ動く面白いメダルです。
透明の立体部分は卵パックの1個分の仕切りやひとくちゼリーの容器などを使っても個性が出ます。
【難易度★★★】フェルトのあったかメダル
メダルの素材にフェルトをチョイス!
あたたかみのあるメダルができます。
布用ボンドや目玉シールを使えば難しくはありません。
モチーフも動物や太陽などいろいろと試してみてください。
フェルトを二枚重ねにして写真を挟み、フォトフレームのようなメダルにしてもよいですね。
行事もアートのきっかけに! ユニーク装飾で運動会のムードを演出
入場門や万国旗はついつい保育士さんだけで作ってしまったり、市販の物を活用してしまったりしがち。
しかし、子ども達と一緒に装飾をつくればもっと運動会が楽しめます。
普段の造形活動や工作あそびとの連続性が感じられる製作をチョイスしました。
保護者もたくさん訪れる運動会。子どもが「これ私が作ったんだよ!」と話せて、親子の会話のきっかけにもなりますね。
入退場門はやる気スイッチをONにするお目立ちカラーで!
入場門をくぐって行進するところから種目は始まっているも同然。
子ども達が競技・演技モードになれるよう入退場門はわかりやすく目立つことを意識しましょう。
金属のアーチにお花紙や風船でデコレーションするタイプは定番ですね。
アーチ型だけでなく、ダンボールを重ねてトーテムポールのようなモニュメント型の入退場門も人気ですね。人気のキャラクターの形にすると子ども達も大喜びです。
いずれも設置の際は突風で倒れたりしないよう、しっかり固定し、先生同士でチェックしてくださいね。
ここからは子どもと一緒につくるユニークな入退場門の製作例をご紹介します。
大空の運動会! わっか飾り風アーチ
虹をイメージして、アーチに大き目のわっか飾りを取りつけていきます。
「にゅうじょうもん」という文字部分は雲をモチーフにして、わっか飾りとつなげて垂らします。風が吹くとゆらゆら揺れるのがポイントです。
さらに、子ども達が描いた運動をしているイラストを装飾するとまるで空で運動会をしているような雰囲気が出ますよ。
大きな布を使って横断幕風入場門
大きな布に思いっきり子ども達とお絵描きをしてみるのもよいですね!
普段は画用紙サイズのお絵描きしか経験したことがない子ども達にとっては、ダイナミックにお絵描きができ想像力も広がりそうです。
アクリル絵の具や布用クレヨンなど画材も工夫してみてください。
また、絵を描くだけでなく、布自体を染めてみたり、好きな形にカットした布を張り付けたりしてパッチワーク風にしても目立つでしょう。
園舎やポールに結び付けるだけの設置のお手軽さも先生たちには嬉しいポイントです。
透明感を活かしてペットボトルのアーチ
空(から)のペットボトルを繋げて、アーチを作ります。
まるで水族館のトンネル型の水槽のように見えて見栄えは抜群!
ペットボトルの中には、子どもの作った作品やお花紙、セロファンなどを入れるときれいです。
こちらの幼稚園では、作品展のアーチで実践しているので参考にしてみてください。
くぐる時に思わず上を見上げてしまいたくなるユニークな入退場門になりそうですね。
年齢別! 旗づくりで国旗に親しもう
万国旗や応援用フラッグ作りは何歳からでもお手軽に取り組める製作です。
そこで、ここからは年齢別に発達と道具の使い方や技法を意識した旗づくりのアイデアを紹介していきます。
また、2018年から施行された『保育所保育指針』「3. 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容 」では、「保育所内の行事の際に国旗に親しむように」という旨が加わりました。
さらに『保育所保育指針解説』を読むと「旗が飾られた運動会への参加」や「国旗づくり」をしたりと具体的な活動を通して、「国際理解」へつなげていけるとよいことが分かります。
保育所にも様々な国にルーツを子どももいるでしょう。
運動会やアートに親しみながら、世界へ目をむけるきっかけが作れるとステキですね。
【0・1・2歳】はさみデビューにも! ラインでつくるおしゃれ国旗
2歳児クラスでは「そろそろはさみを使う練習をしてみようかな……」と思い始める時期ではないでしょうか?
ハサミを一回ちょきんとして切れる長さ(1回切り)で線を切ってみましょう。
写真のようにたくさんの線を組み合わせて貼れば、オリジナルの国旗の出来上がりです。
①1回切り→②連続切り(直線から曲線へ)→③自由切り
【2・3歳】デカルコマニー技法を使ってふしぎな模様
半分に折った紙の片側に直接絵の具を出して、紙を再び折ります。
すると絵の具が広がり、転写されて、思いもよらない形ができます。
できた模様を見て「これは何に見えるかな?」と想像を膨らませたり、さらに指で絵の具を広げたり書き足したりしてみてもいいですね。
フランス語の「décalguer(転写する)」が由来。こちらで紹介したものは紙を折り合わせるやり方ですが、元々は紙に書かれた絵を陶器やガラスに写しとるために行われていた。
力の入れ具合や画材によって様々な表情を見せる。
【4・5歳】自分だけのオリジナル国旗を描こう!
子ども達が考えたオリジナルの国旗を描いてもらいましょう。
いきなり「国旗を描こう!」と子どもに言ってもなかなか描きだせないかもしれません。
そこで、実際に万国旗を見せたり国旗の絵本をみんなで見たりと導入を工夫してみてください。
たとえば「日本の国旗の赤い丸は太陽を表しているんだって」といった国旗の由来を説明する言葉かけも、子ども達の想像力を広げる手助けになりそうです。
顔出し看板は保護者ウケもGOOD!
運動会の看板デザインにマンネリを感じていたら、顔出し看板にしてみるのも一つの手段です。
「顔出し看板は難しいのでは……」と思っている方も安心。実は、ダンボールや薄型の発泡スチロールなどを使えば簡単にできるんです!
また、ベニヤ板を使って土台を本格的に作って穴を開けておけば、外側のデザインだけ毎年変更することもできます。これなら一度作ってしまえば、毎年の手間も少なくなりますね。
スマートフォンで手軽に写真を撮って、SNSなどで共有している保護者も多いハズ。
看板にプラスして、ちょっとしたフォトスポットとすることで、家族の思い出作りの手助けにもなり、保護者ウケもバッチリです!
人気の素材は〇〇? 運動会盛り上げグッズ
装飾の次は身につけられるコスチュームや応援グッズを考えましょう。
多くの運動会は1日がかり。
自分の出番以外でも楽しめる&応援したくなる手作りグッズがあると子ども達も退屈しません。
クラスや学年のカラーをあわせると、一体感も出ますよ!
やっぱりカラーポリ袋は万能!コスチューム作りのヒント
コスチューム作りに人気の素材と言えばカラーポリ袋。
ワンピース型やベスト型にしたり簡単に成型できるお手軽さとかわいらしい透明感が先生達や保護者にも人気です。
イラストのように綿や緩衝材をカラーポリ袋で包んで立体感をプラスしてもコスチュームの幅が広がりますね。
2・3歳児くらいまでは子どもにシールを貼ってもらったり、4歳児以降であれば保育者はカラービニールを用意だけして「自分で好きなように作ってごらん」と促したりして、つくる過程から子ども達が参加してもよいですね。
スポーティなペットボトルのメガホン
大声を出しての応援はとても盛り上がりますね。
サッカーや野球の応援でもよく目にするメガホンも簡単に手作りできます。
《作り方》
①ペットボトルの頭の部分を切り取り、ケガをしないように切り口をテープで巻きます
(ここまでは先生が準備しましょう)
②子ども達はシールを貼ったりマジックで絵を描いたりして装飾します
③子どもに合わせて紐やリボンを切り、ボトル口に巻きます
上からテープを張って保護すれば完成です。
傘袋でなんちゃってスティックバルーン
こちらもスポーツ観戦で見かけるバルーン。2本を叩き合わせると音が出ます。
傘袋を使ってなんちゃってスティックバルーンを作れます。
ロケットのように飛ばして遊ぶこともできます。
《作り方》
①傘袋の側面に絵を描いたり紙を貼ったり、中に花紙を入れたりして装飾をします
誰のバルーンか分かるように名前を書いておくことをオススメします。
②空気を入れて口を止めれば完成
空気が抜けやすいので「ここぞ」というシーンに使うのがよいでしょう
保護者への連絡も重要! 伝え方にも一工夫
園によっては大規模になる運動会。
保護者にはしっかりと内容を伝えるにはおたよりやプログラムの作成も重要になってきます。
そこで、保護者も運動会への気持ちが高まるおたよりで使えるフレーズ例と保護者への心配りにもなるおすすめのプログラム製作方法を紹介します。
おたよりには過程の頑張りを伝える一言を添えよう!
おたよりの何気ない一言で運動会の雰囲気を良くすることもできます。
ここで、ぜひ伝えたいのが、練習の過程のがんばりです。
なるべく具体的に、そして子ども達の心身の成長が分かるように伝えられるとベターです。
以下ではフレーズの例を紹介します。
乳児家庭向けのフレーズ例
成長著しいこの時期、保育園でできるようになった瞬間を親子や他の家族とも分かち合いましょう。
子どもにとっても保護者にとってもドキドキがいっぱいの運動会を和やかにする一言を添えられるとよいですね。
✍入園してから●ヶ月。ハイハイができるようになったり、リズムにのって手足を動かしたり、いろんなことができるようになりました。
運動会ではご家族と一緒になって体をいっぱい動かし、みなさんと共にその成長を分かち合いたいと思います。
初めての運動会、思わぬハプニングも温かく見守っていただけると幸いです。
幼児家庭向けフレーズ例
友達同士の絆が深まり、言葉での表現も豊かになる頃。
お迎えの時や連絡帳にも子どもの発した言葉や表情などを具体的に伝えると喜ばれます。
✍初めはバラバラだったダンスも今ではすっかりお気に入り。
自由遊びの時間にも曲を口ずさみながら「ここはひざをぐっと曲げてピョ~ンってするといいんだよ」と教えあったり、「100回練習すればできるようになるよね」と励ましたり、ダンスの練習に夢中です。
最後のかけ声とポーズは子ども達のアイデアです。
当日はぜひ大きな拍手とご声援をお願いします。
「うちわ型」のプログラムなら心配りが見えて◎
ポップアップの凝ったプログラムもすてきですが、形を一工夫して、うちわをプログラムにするのはいかがですか?
シンプルな丸形のうちわは作りやすいのでおすすめです。
ラミネート加工してあるので紙のようにへたりませんし、ちょっとした時にあおげるのが保護者には嬉しい心配りになります。
《作り方》
①厚紙を用意し、カットします
円の直径は20cm前後がおすすめです。
②型紙を装飾し、プログラムや運動会開催の概要を貼ります
子ども達には色紙やホログラムの折り紙を貼って装飾してもらってもよいですね。
型紙にあらかじめ印刷しおいてもOKです
③ラミネートし、持ち手の穴をあければ完成です
型穴パンチで穴をあけてもかわいくなります。
「メダル以外のネタが欲しい!」がんばったねのプレゼント
競技のあとや運動会の最後に渡すことも多い「プレゼント」。
定番はメダルでしょうが、もう一工夫欲しいときにはこちらのアイデアはいかがですか?
未入園児さんへの参加賞や子育て支援のイベントでのプレゼントにもぴったりです。
古代オリンピック風オリーブの冠
古代オリンピックでは優勝者にオリーブの葉っぱで作った冠が贈られたそうです。
2021年には東京オリンピックも控えています。運動会とオリンピックを結び付けて言葉かけをしてみてよいですね。
《作り方》
①カラービニールを折りたたみ、葉っぱの形に切ります
②切り込みをいれて、紐またはゴムに通していきます
③輪っか状に結べばできあがり
紐飾りやポンポンなどを飾ると少し豪華な雰囲気に。
紐の長さを短くすれば、ブレスレットにもなります。
優勝クラスには輝く優勝カップ
カップ麺の容器や紙コップ、プリンカップなど様々な食品容器がトロフィーに大変身します。
《作り方》
①容器はよく洗って乾かしておきます
※発泡スチロールの容器だとスプレーをかけると溶けてしまう恐れがあります
プラスチックの容器を選ぶか、紙にスプレーしてそれを容器に貼るようにしましょう
②容器やパーツは金や銀のスプレーで色付け、乾かします。
※スプレーを使用する場合は換気にご注意ください
スプレーの代わりにメタリックな折り紙を貼り合わせたり、絵の具で装飾してもOK
②重ねてトロフィーの形になるように接着します
持ち手・土台などは厚紙で作って接着します。
お菓子がいっぱい! キャンディレイ
南国のイメージが強い生花飾りの「レイ」ですが、お菓子でできた首飾り「キャンディレイ」のプレゼントは子ども達の憧れの的。
意外と簡単にできるので挑戦してみてはいかがでしょうか。
《作り方》
①傘袋の幅を半分にカットして、お菓子を入れ、袋状になるよう貼り合わせます
大き目のお菓子をいれるようなら、カットせずにそのままお菓子を入れましょう。
透明フィルムを筒状に使って代用しても構いません。
②お菓子とお菓子の間をリボンなどで留めて、動かないようにします
③ネックレス状にしたら完成
【おまけ】忘れちゃいけない運動会におすすめの音楽とは?
運動会には気分を高めて会場を盛り上げてくれるBGMが欠かせません!
流行に左右されないBGM用CDは1枚持っておくと重宝します。
また、けがをしないように入念な準備運動、クールダウンの整理体操も必要ですね。
保育園や幼稚園で定番のオススメ曲を紹介します。
♪『ディズニー体操』
子どもが大好きな曲がいっぱいあり、長い間愛されているメドレーです。
♪『元気いちバンバン!』
アップテンポで子ども達がノリノリになって、やる気もアップできる曲です。
♪『たけのこ体操』
肩を叩いたり、体をのばしたりとクールダウンの動きが多く閉会の整理運動としておすすめです。
編集者より
運動が得意な子もいれば、苦手な子もいる……。
私もそんな子どもの一人で運動会は憂うつでしたが、運動会前のフラッグ作りだけはとても楽しかった記憶があります。
運動会は当日のプログラムだけが全てではありません。
いろんな場面で子ども達の「一等賞」を見つけてあげたいですね。
参考文献・サイト
- 厚生労働省「保育所保育指針」(2019/07/30)
- 内閣府「幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説」(2019/07/30)
- 明日の保育がもっと楽しくなるサイト。ほいくらいふ
「運動会で大活躍!「折り紙メダル」を簡単にたくさん作る方法」(2019/07/30) - 保育士・幼稚園教諭のためのオンラインショップ「Hoick OnlineShop」(2019/07/30)
- 木曽川花園幼稚園「素晴らしかったよ、作品展 (*^^*)」(2019/07/30)
- NAVERまとめ「キャンディレイの作り方まとめ・手作りキャンディレイの作り方・ハンドメイド・お菓子・飴」(2019/07/30)
- 保育と教育に関わるすべての人のためのウェブマガジンこととも「はさみの使い方を教えるときのポイント」(2019/07/30)
- 武蔵野美術大学 造形ファイル「デカルコマニー」(2019/07/30)
- 高橋詠美子・中島祐子・金田英恵・菊地君江・小菅恭子・部井友紀子(2008)『年齢別 行事ことばかけハンドブック』世界文化社
- 川原佐公(2015)『発達がわかれば保育ができる!』ひかりのくに
- 『PriPri 2018年9月号』世界文化社
- 『PriPri 2018年8月号』世界文化社
- 『PriPri 2013年7月号』世界文化社
- 『Piccolo 2015年7月号』学研