「駅型保育園」をご存じですか?
「駅型保育園」とは、鉄道会社が駅ビルなど駅施設内に開設している保育施設のこと。通勤に便利、保育時間が長いなど保護者にとってメリットが大きく、近年ニーズが高まっています!
待機児童問題の解決策としても期待されるこの取り組み、東京都の保育力強化プロジェクトにも組み込まれ、今後も広がっていきそうです。本日はそんな駅型保育園について、保育士さんが働く上でのメリットや課題点をお伝えします。
JR東日本の目標は100カ所!各鉄道会社の取り組み
東日本旅客鉄道(JR東日本)は首都圏を中心に保育園などを開設する取り組みを行っています。現在までに開設した施設数は79カ所。今後数年のうちに100カ所に増やす目標をかかげています。また私鉄鉄道会社も保育事業に参入を始めており、新たな施設開設も相次いでいます。
会社名 | 開設施設数 |
---|---|
JR東日本 | 68カ所 |
東京急行電鉄 | 15カ所 |
小田急グループ | 11カ所 |
西武鉄道 | 9カ所 |
京王グループ | 7カ所 |
京急グループ | 6カ所 |
東京メトログループ | 5カ所 |
相鉄グループ | 5カ所 |
東武鉄道 | 4カ所 |
京成グループ | 3カ所 |
利便性、待遇…働く上での魅力いろいろ!
駅型保育園の特徴は、何と言っても「駅に近い」こと。駅ナカに設置されていることもあり、通勤に便利という点は働く側にも預ける側にも魅力。また他にも駅型ならではの魅力が!
ここでは保育士さんが働く上でのメリットについて詳しく見てみましょう!
◆ 駅から近く通勤ラクラク!
主に駅ビルや直結した施設にあるので通勤に便利!ショッピングにも便利なうえ、通勤時間が短縮できるので勤務可能なエリアも広げられます。
◆ 大規模、中規模…希望に合わせて選べる!
駅型保育園の多くは認可外のため定員は20名程度のものから大規模なものまで様々。ご自身の志向に合わせて選択できますね!
◆ 保育環境にはきちんと一定の基準がある
駅型保育園は、認可外の場合にでも自治体の助成を受ける、いわば準認可保育園となることが多く、職員の配置規定等の保育環境にはきちんと一定の基準があります。
◆夜勤が無い施設が多い
駅ビルなどは夜間閉まってしまうことがほとんど。そのため比較的夜勤は無い場合が多いようです。
◆福利厚生が良い
特に鉄道会社が運営にも携わっている場合、鉄道会社の持つ商業施設の割引等、充実した福利厚生を受けられる魅力も。
また複数の保育施設を運営する大企業が事業者となっていることも多く、各種手当や育児休暇等の制度が整っている傾向があります。
…ちなみに、気になるお給料については、施設ごとに差はあるものの、160,000円~186,000円程度が平均的。休日は日曜、祝日と一般的な施設が多いようです。企業規模が大きな場合も多いので、賞与の充実や安定性などにに目を向けてみても良いかもしれませんね。
覚悟も必要?こんな課題点も…
◆ 運営時間が長いためシフト勤務
まず注目したいのが、早朝から開いている施設が多いこと。朝6時頃から運営している園も多く存在します。早朝勤務や23時程度までの遅番勤務など、日によって勤務時間に大きな差が出ることは認識しておきましょう。
◆ 災害時の対策を!
一般的な保育所に比べ、高層階などに施設がある場合も。避難誘導等スムーズに行えるよう、日頃から自然災害時のマニュアルなどは十分確認しておきましょう。
◆ 子どもの安全に常に注意が必要!
駅施設内なので園庭を持たない園もあります。そのためお散歩を実施する場合もあり、子どもたちの安全管理には十分な注意を要します。
屋上等を活用するケースでも通常の外遊びとは異なりますので、常に危険へのアンテナを高く保たなくてはいけません。
駅という、便利な一面様々な人が利用する施設であるがゆえの危険性……。万が一にも事故が起こらないよう、意識を高く持つことが必要でしょう。
今後ますます増える!駅型保育施設
JR東日本では、数年以内に首都圏沿線に約20カ所の駅型保育施設開設を目指しています。また、「鉄道の利用者を増やすために暮らしやすい街づくりをしよう!」と私鉄鉄道会社も各社、保育事業に乗り出しています。働く保護者、鉄道会社双方のニーズに合致する駅型保育園設置の取り組みは、今後も広まっていくことが予想されます。
求人は鉄道会社で募集していることも
「駅型保育園で働いてみたい!」と思った方は、まずは希望勤務エリアの鉄道会社が駅型保育施設を設けているか、確認してみましょう!求人は鉄道会社のHPに掲載されていることもあれば、事業者が求人を個々に掲載している場合もあります。
また、事業所の中には複数の駅型保育園を運営するところも。条件に魅力を感じたら、同じ事業所の中で他に運営する駅型保育園が無いか調べてみるのも良いでしょう。