紙芝居は、子どもたちと交流しながら、多くのことを伝えられる魅力的なメディア。販売もされていますが、子どもたちに教えたいことを、手作りの紙芝居を用いて表現することもできます。今回は手作り紙芝居が、保育に活用された例をご紹介しながら、手作り紙芝居の作り方や演じ方のコツをご紹介します。
環境教育につながった保育士さんの手作り紙芝居
松本市立保育園の保育士さん5人は、食べられるのに捨てられてしまう食品を減らそうと、「みんなでおいしくいただきます!お皿ピカピカ大作戦」と題した紙芝居を作成したそう。紙芝居は松本市内の幼稚園や保育園に配布されたほか、市のホームページにも掲載され、子どもたちの環境教育に役立てられました。
この事例のように、環境問題や食育、交通安全など、学んでほしい内容を紙芝居にすることで、子どもたちにもわかりやすく伝えることができます。
紙芝居の作り方
続いて簡単に紙芝居の作り方をご紹介しましょう。
◆紙芝居の作り方の基本◆ | |
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脚本 | ・テーマを決める ・登場人物を考える ・登場人物の会話を中心に演じやすいストーリーを考える |
コマ絵(ラフ) | ・ストーリーの展開を絵に書き起こす ・できあがったコマ絵から流れを検討する |
ひな形 | ・コマ絵をもとに小さなサイズの試作品を作る ・他の先生に見てもらい、改善点や演じ方を検討する |
本書き | ・大きなサイズの画用紙などに本書きする 【point】 ★遠くからも見えるようコントラストははっきり! ★擬音などは描きこまないで演技で伝える ★くっきりとした着彩ができる画材を選ぶ |
紙芝居の魅力は、子どもたちとのコミュニケーションを取りながら、臨場感たっぷりに演じられること。作成する際には以下のことを心がけましょう。
◆ワクワクできるような絵の変化をつける
◆一緒に参加できるような展開を考える(クイズを挟むなど)
◆ひとつの画面に多くを描きすぎないようにする
子どもを惹きつける演じ方のポイント
紙芝居を演じるうえで重要なポイントは4つ。この4点をしっかり行うことで、ストーリーがより魅力的に伝わりますよ!
◆作品をしっかり分析する
演じる前には、必ず作品全体をしっかりと理解しましょう。キャラクターの性格はどうなのか?絵の雰囲気はどんなものか?など、分析をきちんと行うことで、より臨場感のある表現ができます。
◆声に変化をつける
登場人物ごとに声色を変える、感情をこめてセリフを読む、楽しい雰囲気の時には明るく弾むように話す、ハラハラする展開では少し早口にするなど、抑揚や速さに工夫をして表情豊かに演じましょう。
◆引き抜き方を工夫する
すっと引き抜くだけでなく、途中で止める、ゆらす、そろりそろりと引き抜くなど、場面の展開の仕方を工夫して、ストーリーに面白みを加えましょう。場面の雰囲気や次のページの絵を活かして魅力的に演出することができます。
◆間を大切にする
期待やドキドキ感を生む「間」を大切にしましょう。画面の展開の際だけでなく、ひとつひとつのセリフの間に工夫を凝らすことも、ドラマを面白くするポイントです。練習を他の人に見てもらうなどして、より効果的な間の使い方を検討しましょう。
編集者より
編集者も子どもの頃に読んでもらった紙芝居。絵本とは違い、ページを抜くことで場面展開するので、劇のようなワクワク感があったのを覚えています。新園児もまだ生活に慣れない時期。園の楽しさや、ルールを紙芝居にしても良いですね!あなただけの作品で、ぜひ子どもたちの学びのきっかけを作ってあげてくださいね。
参考文献・サイト
- 朝日新聞DIGITAL
- 昔のおもちゃアルバム
- デヂタル紙芝居ネット