保育士さんにとっても、保護者の方にとっても、子どもの成長を支えていくためにはお互いの信頼関係が不可欠です。しかし立場の違いからトラブルが生じてしまうことも、保育の現場ではあるでしょう。今回は相互理解のために、自社のアンケートから保育士・保護者それぞれが互いに求めることを探ってみましょう!
保育士に保護者が求めることとは?
まずは保護者の方に、保育士さんに最も求めている点を上位3項目まで選択していただきました。回答に個人差はあったものの、まとめると結果は下記のようになりました。
◆保護者が保育士に求めること◆ | |
---|---|
1位 | 自分の子どもに愛情を注ぎ大切にしてくれること |
2位 | 保育に対して使命感やビジョンを持っていること |
3位 | 元気に笑顔で対応してくれること |
4位以下 | ・専門知識に基づいて育児のアドバイスをしてくれること ・ルールや社会性をしっかりと身につけさせてくれること ・社会人としての一般常識を持っていること ・子どもが楽しめる遊びやプログラムを実施してくれること ・子どもの様子をしっかり伝えてくれること ・働く保護者の状況に柔軟に対応してくれること |
・経験豊富であること
・清潔な身だしなみであること
・丁寧な言葉遣いをしていること
・安全にケガの無いよう子どもを預かってくれること
・保護者の大変さを理解してくれること
・保護者の個別の要求にも答えてくれること
保育士さんに最も求めることとして、33.3%の保護者の方が「自分の子どもに愛情を注ぎ大切にしてくれること」と回答。2番目に求めることとして回答されている方も含めれば7割近くの保護者の方が、この項目を重視されていました。
また、2番目に多かった回答は「保育に対して使命感やビジョンを持っていること」。愛情を注ぎながらも、プロとして信頼できる心構えを備えていることが、保育士さんには求められているようですね。
保護者の方のご意見
保護者に保育士が求めることとは?
では、今度は保育士さんに、保護者の方に求めることを伺ってみましょう!
◆保育士さんが保護者の方に求めること◆ | |
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1位 | 子どもに対して十分な愛情を注いでくれること |
2位 | 家庭で子どもと過ごす時間をしっかり取ってくれること |
3位 | 保護者としての自覚や責任感が強いこと |
4位以下 |
・保育士を信頼してくれること ・社会人としての一般常識を持っていること ・子どもの様子をきちんと伝えてくれること ・保育士のアドバイスを聞き入れてくれること ・子どもの成長について一定の知識を持っていること ・提出物の期限を守ってくれること ・園からの連絡事項をしっかり確認してくれること ・子育ての悩みを相談してくれること ・園のルールを守ってくれること ・保育士の立場を理解してくれること ・理不尽な要求や自己中心的な要求をしてこないこと |
・行事に参加してくれること
保護者の方に最も求めることとして、44.4%の保育士さんが「子どもに対して十分な愛情を注いでくれること」と回答。事務面や園のルールなどよりも保護者同様、子どもへの愛情を最重要に考えていらっしゃることがわかります。
また、2番目に多かった回答は「家庭で子どもと過ごす時間をしっかり取ってくれること」。1位の回答とも関連しますが、園で過ごす時間が長いからこそ、親子の時間を大切にして欲しいと考える保育士さんが多くいらっしゃいました。
保育士さんのご意見
こんなところに尊敬!保育士さん&保護者さんの想い
最後に、普段言葉には出さないものの、保育士さんに対して、また保護者の方に対してお互い尊敬している点を教えていただきました!
- ◆保護者の方から保育士さんへ
- 我が子の個性をしっかり見て認めてくれました(30代女性)
- 子どもの心を掴み、するべきこと言い聞かせて納得させ、やらせたり、保育士さんが一緒にやってくれる点は感心します。(20代女性)
- 家で様子がおかしいと思い相談したら、すぐに「保育園でも最近こういうことがある」と答えてもらい…ちゃんと見てもらえてるんだということに感心しました。(20代女性)
- ◆保育士さんから保護者の方へ
- よく、お子さんの話を聞いてあげてるなぁ。自分のお子さんのことをわかっておられるなぁと感じます。(40代女性)
- 仕事で朝バタバタと忙しくてもきちんと毎日持ちものを忘れず登園させてくれるのは感心します。(20代女性)
- 仕事や育児で忙しいなか、PTA役員を率先して引き受けて下さったときは、ありがたかったです。(20代女性)
- 仕事で疲れていても、時間や料理手順を工夫して、生活習慣を乱すことなくバランスを考えて一緒に食事をしようとしている保護者さんは尊敬します。(30代女性)
編集者より
今回アンケートを通じて感じたのは、保育士さん、保護者さん共に、何よりも「愛情をかけて子どもに接してほしい」と願っていること。気持ちが強いからこそ、すれ違う部分もあるかもしれませんが、子どもへの想いの根本的な部分は同じなのですね。
日頃からコミュニケーションをとり、お互いを信頼しながら関わっていくことで、子どもたちのより良い成長につなげられたら良いですね!
・実施期間:2015年4月5日~4月27日
・実施対象:保育士(96.3%)・幼稚園教諭(3.7%)
・実施対象:保護者(預けている子どもの平均年齢2.5歳)
・回答者数:33人(平均年齢:32.3歳)
・男女割合:女性/98.2%/男性1.8%
※ご協力いただきました皆さま、貴重なご意見ありがとうございました!