子どもたちの大好きな「ごっこ遊び」。実は目の前にないものをイメージする想像力や、社会性、言語能力を高めるなど、子どもたちが成長するうえでとても重要な役割を担っています。本日はそんなごっこ遊びにスポットを当て、子どもたちに与える影響や保育士さんの関わり方のポイントをご紹介します。
おさらい!月齢と子どもの遊びの発達
まずは子どもたちの遊びの発達について、大まかな流れを確認してみましょう。月齢ごとに子どもたちの遊びはどんどん発展していきます。遊びによって必要となる能力や学べることが異なりますので、発達段階に応じてさまざまな遊びができるよう、環境を整えてあげることも大切です。
◆子どもの遊びの発達◆ | ||
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【名称】 | 【年齢目安】 | 【内容】 |
感覚遊び | 2・3カ月頃 ~2歳頃 |
ものを見たり触れたりと感覚器官を使う遊び。感覚の強化の役割を持ちます。 |
運動遊び (機能遊び) |
3歳頃~ | ブランコ、シーソー、滑り台、3輪車など、手足や全身の運動機能を使う遊び。なお3歳ごろまではひとり遊び、または傍観、並行遊び(同じ場所にいながら別々の遊びをする)として展開することが多いようです。 |
受容遊び | 1歳頃~ | 絵本、テレビなどを見る、聞くことで想像力や知識、理解力を伸ばす遊び。自発的、本格的に楽しめるのは5歳頃~といわれています。 |
模倣遊び (象徴遊び) |
2歳頃 ~5歳頃 |
2歳頃からつもり・みたて遊び(積み木を車に見立てるなど)が始まり、3歳頃からごっこ遊びやままごとが始まります。この頃になると他の子どもとやりとりしつつ一緒に遊ぶ連合遊び(集団遊び)が増えます。 |
構成遊び (創造遊び) |
3歳頃~ | 折り紙、積み木、ねんどのように作る、組み立てる遊び。思考力や手先の動作の発達を促します。 |
規則的遊び (ルール遊び) |
3・4歳頃~ | カードゲームや鬼ごっこ、かくれんぼなどの一定のルールのある遊び。なお目的のために組織を作り、役割分担しながら共通の目的、ルールに沿って遊ぶことを共同遊びと呼びます。 |
こんなにたくさん!ごっこ遊びから子どもたちが学べること
目の前にあるものを、それ以外のものに見立てて何かの「ふり」をする表象遊びの過程を経て発達する「ごっこ遊び」その特徴のひとつが他者との関わりがあることです。子どもたちはそれぞれの役になりきり、集団でふるまう中で社会性やコミュニケーション能力、言葉の力などを身につけられます。
保育者はどう援助する?ごっこ遊びの関わり方の注意点
ごっこ遊びをする中では、時に子ども同士の思いのぶつかり合いからトラブルが起こったり、スムーズな展開ができない場合もあるでしょう。保育士さんはどのように関わっていけば良いのでしょうか。
◆子どもの発想を妨げないよう見守ること
自発的なごっこ遊びを促すためには、あまり口を挟まないことも大切です。子どもの行動をよく観察し、展開に行き詰まっているような場合には「○○はどうしたのかな~?」など新しい展開のきっかけを投げかけてあげると良いでしょう。指示語ではなく質問にすることで子どもの自由な発想を邪魔せずに援助することができます。
イメージを実現できる環境を整えること
例えば少人数の遊びが多い場合、室内に区切られた空間があると遊びが発展しやすい場合があります。パーティションや棚で区切られた空間をつくるなど、「おうち」「お店屋さん」のイメージを持ちやすい空間を作ってあげ、またどんな玩具が必要とされているか…によって必要なものを準備するなど環境面での援助が大切です。(お店屋さんならば商品の空箱などがあっても良いでしょう)
一緒になって楽しむこと
保育士さんも子どもたちのごっこ遊びに参加することがあるでしょう。そういった場合には、子どもたちを観察しながらも、世界観を壊さないように子どもたちと同じ目線に立って展開を楽しむようにしましょう。時に付け加えた方がいい役があれば、一緒に遊ぼうと誘い掛けてみるのも良いでしょう。
抜けるときも世界観を壊さないこと
業務などで抜けなければならない場合にも、「先生は忙しいからここまで!」と現実に引き戻すのではなく、「○○ちゃんと遊ぶ約束があるから公園に出かけてくるね」など役柄に応じた抜け方を心がけることで、遊びを中断させずに抜けることができます。
もっとごっこ遊びを取り入れよう!指導計画のポイント
指導計画にごっこ遊びの導入を取り入れる保育士さんも多いのではないでしょうか。計画を立てる際のポイントをまとめてみましょう。
- 長期計画
- 季節や園全体の行事などを踏まえ、どんなごっこ遊びが発生するかを予測します。また子どもたちの発達の状況を捉え、子どもたちの中に育ちつつあることは何かを考えたうえで、ごっこ遊びの狙いを設定すると良いでしょう。
- 短期計画
- 子どもたちが今何に興味を持っているのかを日々記録し、その記録からどのようなごっこ遊びに展開すれば子どもたちが楽しめるかといった分析、理解を行います。その上で必要なものは何か、より興味を持ってもらうための導入は?など具体的な計画を立てるようにすると良いでしょう。お店屋さんならばグループごとにお店を決め、子どもたちで商品を作る工程を設けるなどで遊びの過程がより深まります。
【オマケ】ごっこ遊びが楽しめる優秀おもちゃ
編集者の幼少期とは違い、今は本物みたいなごっこ遊びセットがたくさんあるよう。見ているだけで少しワクワクしてしまいそうなおもちゃをご紹介します!
◆ セブン-イレブンのピピッ!と レジスター
▲ セブン-イレブンのコンビニごっこが本格的に楽しめるセット。ビニールのレジ袋やかわいらしいおにぎり、レジ前のホットスナックまでそろっており、本当に定員さんになった気分が味わえそうですね♪
【参考】メガハウス/¥4,490~/3歳から
◆ 本格調理 おままごと ステンレス ミニチュア キッチンセット
▲ 本当に調理ができそうな本格的おままごとセット。コックさんごっこなどにも使えそうですね。子どもの頃は本物のようなおもちゃにワクワクしたもの。こんなままごとセットがあったら、役を演じるのにも熱が入りそうですね。
【参考】Babystity/¥999 ~/3歳から
◆ 年長さんの学校でるでるランドセル 学校ごっこ
▲ 年長さんにオススメの学校ごっこセット。ランドセルはきちんと背負えるようになっており、開くと学校の教室や文房具が出てくるという仕掛け。学習ノートもついており、一足先に小学生になった気分が味わえます。
【参考】ピープル/¥1,067~/5歳から
編集者より
先日近くの公園で子どもたちが洋服屋さんごっこをして遊んでいました。ちらりと見かけただけでしたが、タイムセールを始めたり、試着に誘導したりとなかなかのカリスマ店員っぷりに感心しました。
自分が子どものころにも、友だちの予想外の反応に「次はどうしようか」と考えたり、思い通りにならずに不機嫌になったり…いろいろなことがありました。これから社会に出るうえでも重要な役割を果たす「ごっこ遊び」。子どもたちにはさまざまな経験をして心豊かに育っていってほしいものですね。