保育の基礎知識

どうして?子どもの爪噛み ~上手にやめさせる方法~

子どもによく見られる癖のひとつに、「爪噛み」があります。
その名の通り自分の詰めを噛んでしまう癖ですが、その程度はさまざまです。爪の伸びた白い部分を噛んでしまう子、指先の皮膚まで噛んで剥いてしまう子、中には足の爪まで噛んでしまう子もいます。
手指が傷ついてしまいますし、衛生面にもよくない困りもの。どうにかやめさせてあげたい、と考えている保育士さんや保護者の方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では「子どもの爪噛み」について、どのようにやめさせてあげればいいのか解説してまいります!

子どもの爪噛み、何が原因?

マモル

爪噛みの主な原因は、一般的にストレスであると言われています。
例えば寂しいとき、退屈なとき、叱られたとき、環境に慣れないときなど……子どもは精神的にストレスを感じたとき、安心感を得るために自分の爪を噛んでしまうのです。
 
しかしながら、これは必ずしも保育士や保護者の愛情が不足しているということではありません。ストレスは誰しも感じてしまうもの。その不快な感覚をどう解消して良いか分からないもどかしさが、「爪を噛む」という行動に現れてしまっているのです。

また、ストレスとは関係なく、ただ爪噛みが癖になってしまっている子どももいます。
いずれにしても、大人になっても爪を噛む癖が抜けずに困っている人も少なくはない現状。子どものためにも、できるだけ早く矯正してあげたい癖ですよね。
 

子どもの爪噛みをやめさせる!適切な5つの対処法とは?

イクミ

爪噛みをしている子どもを見ると、つい「やめなさい!」と止めたくなりますよね。しかしこれはNGです。
爪噛みは無意識のうちにやってしまう行為ですので、自然と叱責の回数が増えてしまいます。叱られることで子どもの自尊心は傷付き、ますますストレスを感じてしまうことも考えられます。その結果爪噛みが悪化したり、他の自傷行為に発展してしまうことも……。

爪噛みをやめさせるための、具体的な対処法ををお伝えします。

ストレスが原因の爪噛み

ストレスによって爪を噛んでしまっていると見られる場合には、まずはその原因になっているストレスが何なのかを把握する必要があります。叱った後に現れる場合もあれば、眠たいときや退屈な時に現れる場合もあります。
爪噛みを引き起こしているストレスが分かれば、原因を取り除いたり、軽減するための方法が考えられるでしょう。

◆行動で気づかせよう◆
「ダメだよ!」と言葉で爪噛みをやめさせる代わりに、寄り添ってなでてあげながら、そっと指を口から離してあげましょう。
優しく手を包み込んだり、指をなでてあげることで、無意識のうちに爪を噛んでいたことに、子どもが自然と気付くことができます。
◆子どもの気持ちを言葉にしてあげよう◆
自分の心の中のもやもやを表現できずに「爪噛み」という行動に現れていることもあります。爪噛みが現れたら、傍に行って、出来るだけ子どもの話を聞いてあげましょう。
「寂しかったの?」「退屈なんだよね」「眠くなっちゃったね」など、子どもの気持ちを言葉にして代弁してあげても良いですね。自分が抱えているぼんやりした気持ちが何なのか、理解することにつながります。
◆心を満たしてあげよう◆
子どもの心が満ち足りた状況になくては、小さなストレスにも適応できなくなってしまいます。日頃からたくさんのスキンシップを取り、話しかける触れ合いの時間を持ちましょう。
絵本を読む際に膝に座らせる、くすぐりタイムをもうけるなど、ちょっとした時間でも、工夫をすればより子どもの心を満たしてあげることができます。

ただ癖になっている爪噛み

◆衛生面から怖さを伝える◆
言葉が十分に理解できる年齢であれば、衛生面のリスクから爪噛みがいけない理由を伝えても良いでしょう。「爪にはバイ菌がたくさんいるんだよ。病気になっちゃったら嫌だよね。」「爪が短くなりすぎると、バイ菌が入って痛くなっちゃうこともあるんだよ。」など、噛み砕いて伝えてあげると良いでしょう。

保護者に子どもの爪噛みを相談された時の対処法

ヒナちゃんママ
爪噛みの対処法を調べてみると、「爪噛みは愛情不足から起こる」と書いてあるサイトもたくさん見られます。そのため、爪噛みをする我が子を見て、自分の育児に何か問題があったのか……と非常に悩んでしまう保護者の方も多くいらっしゃることでしょう。
 
子どもの爪噛みについて相談を受けた場合や、園での様子として伝える際には、保護者のそういった心情にも配慮することが必要です。
 
例えば「もっとかまってあげましょう」「もっと愛情を注いであげましょう」という伝え方では、保護者の気持ちを傷つけてしまう可能性があります。
「爪噛みを見たらそっと寄り添って、手を口から離してあげましょう」「こんな手遊びがあるのでお家でもやってみてくださいね!」など、より具体的な”行動”の助言をすることで、保護者の心情を傷つけずに、爪噛みの改善について話し合うことができるでしょう。
 

編集者より

ほいくん
大人になっても爪噛みの癖が抜けない編集者。この記事を書きながら、そういえばよく爪噛みをやめるよう、言われていたな…と、幼少期をぼんやり思い出しました。
 
叱られることで罪悪感が生まれ、隠れてするようになったことも覚えています。子どもの自己肯定感を下げずに、爪噛みをなおすためにも、今回ご紹介したポイントを是非実践してみてくださいね!

参考文献・サイト

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