保育士さんが辞めてしまう理由のTOP3にも入っている「職場の人間関係」。
95.9%が女性という比率であるため、女社会ならではのストレスも多々あることでしょう。どの職場にも人間関係によるストレスはつきものですが、保育士のストレスは少々特別なものかもしれません。
今回は読者さまに行ったアンケート結果をもとに、保育士が身につけたいストレスへの対処法を探ってまいります。
73名の保育士全員が「女社会ならではのストレス」を実感!
東京都の調査によれば、保育士さんの離職理由のうち、「職場の人間関係」は「結婚・出産」「給与の低さ」に次いで3位。全体の20.6%が人間関係が原因で仕事を辞めているそうです。女性の比率が多い職場であるため、独特な「女社会」の環境に悩むことも多いよう。
今回は「女性が多い職場で働くことに、ストレスを感じた経験があるか」73名の読者さまに聞いてみました。すると、なんと回答者全員が「ストレスを感じたことがある」と回答する結果に。保育業界全体を通じて見ても、非常に多くの方が女社会特有の職場ストレスに悩んでいることが伺えます。
また女社会のストレスが原因で「辞めたい」と思った経験について伺ったところ、こちらも95.9%の方が「経験がある」と回答。女性ならではの人間関係の難しさが、離職に直結してしまう可能性も十分あると言えるでしょう。
【保育士さんの声】私が感じた女社会のやりづらさ
では、実際皆さんがストレスを感じるのはどのような場面なのでしょうか。お寄せいただいたご意見をご紹介していきましょう!
- 【ストレス 1】感情のアップダウンにうんざり…
- ◆女は感情の起伏が激しいからプライベートで何かあると八つ当たりみたいになるし、充実してればご機嫌だしでめんどくさい。(30代)
- ◆園長や上司がその時の感情で注意したり許したりする、指導を統一してくれてない。(30代)
- ◆相手によって、話し方や話しのトーンを変えたり無視をしたりする。(30代)
- 【ストレス 2】あちこち気配りが大変!…
- ◆気遣いが人によって違うので求められる物が違う気がします。すごく細かい人が多い。(50代)
- ◆上司への機嫌を伺う、プロ意識か高いから理想像をまわりに押し付ける。(30代)
- ◆仲が良いように見えて実は悪かったり…変に気を使う。(20代)
- 【ストレス 3】陰湿…オンナの嫌がらせ
- ◆お喋りな先輩が、私が1年目でしてしまった一度の失敗を、毎年入る新人に、まるで昨日した失敗の様に話されて恥をかかされる。頑張ろうとしている気持ちに水を差されている気分になり、かなりのストレス‼︎(20代)
- ◆当事者がいないときに、その人の悪い噂をもちかけられる。自分もいないときに言われていることもある。(40代)
- ◆仕事に一生懸命だと嫌がらせをする人がいた。出る杭は打たれる:(T-T):(30代)
- 【ストレス 4】付き合い方が面倒…
- ◆先輩を常におだてて、気に入られておかないと何も仕事を教えてくれなくなり、無視され悪口を言われる。(30代)
- ◆女子会的な感じで週末ご飯に行くなど、プライベートでも関わりがあり、先輩の誘いには断れず、行きたくなーい!と心の中で思っていた。(20代)
- ◆大奥のような人間関係。(30代)
みなさま、さまざまな場面でストレスを感じているようですね。男性からの目線で、女性の感覚がなかなか理解できない…というご意見もありました。
すべての女性がそうではないにせよ、揉め事の仲裁役を冷静にしてくれる存在は同性の中で見つけにくいもの。女社会の厄介な点は、人間関係のもつれがそのまま派閥争いに発展してしまう点にありそうです。
危険!?ストレスを放置していると……
保育や介護は心を砕いて相手に接する「感情労働」と呼ばれる業種であり、ストレスが大変溜まりやすい職業です。日々のストレスをそのままにしておくと、やがてうつ病を発症してしまうかも……
以下のような症状が出たら、それは身体が悲鳴を上げている証拠。ぜひカウンセリングを利用したり、一度ゆっくり休むなど、心身を落ち着けるようにしましょう。
・頭痛がする
・動悸がして息が苦しい
・眩暈、日中にふらふらする
・ホットフラッシュ(急に体が熱くなって汗がどっと出る)
・休みの日でも無気力
・突然涙が止まらなくなる
「私はこんな工夫してます!」保育士のストレス対処法
次はストレスに対する具体的な対処法や予防法について伺ってみました。頂いたご意見をタイプ別に分けたところ、「深入りはせずに仕事と割り切る」ことで乗り切っているという意見が最も多く、38.4%。次いで「休日など職場の外でストレスを発散する」という意見が20.5%となりました。
【割りきりタイプ】
なるべく深入りすることは避け、極力「仕事」と割り切って接するタイプです。
- ◆出来るだけうわべの付き合いを心がけ、深入りしないようにする!(20代)
- ◆お金のために働くと割り切る。他人のプライベートに立ち入らない(50代)
- ◆与えられた仕事だけやればいいと思うようにして、割りきっている。ストレスで体壊さないように気をつけている。(40代)
【他で発散タイプ】
ストレスは職場ではなく、まったく別の人間関係の中でのみ発散するというタイプ。
- ◆保育士ではない友達と遊ぶ。畑違いの友達と全く別の話題で盛り上がる。(50代)
- ◆好きなバンドのライブに行ったり、友人とカラオケに行ったり好きなことをする。(30代)
【極力関わりを避けるタイプ】
火の無い所に煙は立たぬ。できるだけ近寄らないことで、ストレスの予防に努めるタイプです。
- ◆合わない人との交流は最低限にして、仲の良い人との関係をより深める。(40代)
【堅実業務タイプ】
誠実に業務に取組み、仕事っぷりでストレスを未然に防ごうと努めるタイプです。
- ◆自分の仕事をしっかりやり、いつも感謝の気持ちを忘れない。(40代)
- ◆ほうれんそうをしっかり行う。先輩を立てつつ後輩の見本になるよう心掛ける。(30代)
- ◆とにかく注意されたことを繰り返さないように行動する。分からないことはなるべく聞く。(20代)
【低姿勢タイプ】
下手に出る、謙遜するなど、相手を立てることでトラブル回避をするタイプです。
- ◆とにかく謙遜しまくり下手に出る。決して自分は仕事が出来るアピールをしない。仕事が出来ても謙遜している方が基本波風が立たない。(20代)
- ◆先輩をおだてて、気に触るようなことはしないようにする。相手を立てることを忘れない。(30代)
他にはこんな対処法もあります!
姿勢に気を付ける
人間は「苦手だな…」「嫌だな…」と思うと、自然と背を丸めたり目線を落とす傾向にあるそうです。相手はそれを見て無意識に「私のこと嫌いなのね?」と感じ、知らず知らずに敵を作ってしまうことも…。自分の姿勢が悪いなと感じている方は、出来るだけまっすぐな姿勢と視線で相手と向き合うことを心がけましょう。
聞き上手になる
謙遜タイプの対処法に近いですが、女性は意識せずに自分の話をしたいという意識を持っているよう。つい共感を示そうと「私もです!」と言ってしまいそうですが、一旦グッとこらえて、聞き上手に徹してみましょう。相手から見た印象を悪くしないことで防げるトラブルもあるでしょう。
積極的にコミュニケーションを取る
積極的にコミュニケーションをとるなど、努めて人間関係の改善をはかる方法もあるでしょう。ストレスの要因が発生する予防になることも…?
- ◆会話が大事かな。仕事以外でも仲良くして相手を理解するように努める。(40代)
- ◆常に明るくにこやかに。楽しい会話を心掛ける。悪口を言わない!感謝の気持ちを忘れない!(30代)
・実施期間:2014年7月14日~7月16日
・実施対象:資格保有保育士および幼稚園教諭
・回答者数:24人
・平均年齢:37歳
・男女割合:女性/95.8% 男性/4.2%
編集者より
「女性は女性に厳しい」とはよく聞く話。男性保育士が増えてきたとはいえ、まだまだ女性の比率が高い保育業界では、女同士ならではのストレスを抱えている方も多いようですね。
ストレスは抱え込むと、いずれ背負いきれなくなってしまいます。どうかご自身に合った方法で、適度に回避・発散しながら、日々を過ごしてくださいね。どうしても耐え切れなくなったら一度お休みする、人間関係をリセットするということも一つの手段。どうかストレスに押しつぶされないようにご自愛くださいね。
・実施期間:2015年6月12日~6月22日
・実施対象:
保育士:78.1%・幼稚園教諭9.6%
その他保育関連職:2.7%・資格保有者(離職者など)9.6%
・回答者数:73人
・平均年齢:32.5歳
・男女割合:女性/98.6% 男性/1.4%
アンケートにご協力いただいた皆さま、貴重なご意見ありがとうございました。