東京都新宿区・高田馬場。
賑やかな駅前から歩いて数分、少しだけ離れた住宅街の中に構えられているのが、私立認可保育園「オルト保育園」です。
2010年4月に設立されてからというもの、ユニークな園舎や芸術活動に力を入れている保育内容がたびたび話題になっています。過去にはテレビ番組で紹介されたこともあったそう。
今回は、そんな「オルト保育園」について取材してきました!
オルト保育園は社会福祉法人 新栄会が運営する保育施設です。 母体である社会福祉法人 新栄会は福祉事業を幅広く展開しており、厚生施設や介護施設の運営も手掛けています。 スタイリッシュな外観のオルト保育園。その門をくぐって中に入ると、空間を広く明るく見せる吹き抜けと、そこに設えられたスロープにさっそく目を奪われます。 スロープを通じて、3階までの部屋がすべて繋がっている独特の作りになっています。子どもたちが自由に行きたい場所に行けるようになっていて、取材中も元気にスロープを下っていく子どもたちとすれ違いました。 スロープの壁はところどころ丸く切り取ったようなデザインになっていて、そのガラス越しに子どもたちの姿を見ることもできます。 こちらは0~1歳児の保育室。広々としていて明るい空間です。 こちらは2歳児の教室。 オルト保育園の「オルト」とはイタリア語で菜園のこと。2階から表に出ると屋上菜園があり、そこで子どもたちは地域の方と関わりながら野菜を育てています。 3~5歳児の子どもたちは、スロープを挟んで保育室の向かいにあるランチルームでおやつを食べていました。 オルト保育園の給食はバイキング形式で、子どもたち自身がその日に食べる量を決めて受け取ることができるそう。特に5歳児くらいになると自分の好き嫌いも把握できるようになるので、苦手なものの量を自分で調節していると聞きます。 オルト保育園には吹き抜けとスロープのほかにもうひとつ、特徴的な設備があります。 このアトリエは、「芸術活動を通じて子ども達の主体性や対話力を育む」ことに重きを置いた保育を実践するために設えられているもの。 そのためオルト保育園では、主に4~5歳の子どもたちが少人数に分かれて作品を作る「プロジェクト」を行っています。 一歩足を踏み入れた瞬間にわくわくするような園の中で、子どもたちがのびのびと過ごしているのが印象的だったオルト保育園。 次回はオルト保育園で働く保育士の先生から、働く側の目線で魅力を語っていただきます! ◆社会福祉法人 新栄会についてはこちら。 ※この取材記事の内容は、2018年10月に行った取材に基づき作成しています。「オルト保育園」ってどんなところ?
0~5歳児の保育のほか、新宿区在住の方のための一時保育や病後児保育なども実施しています。
保育事業ではオルト保育園のほかに「新栄保育園」「富久町保育園」「しんえい子ども園もくもく」の3園を運営し、オルト保育園も含めた4園すべてが東京都新宿区内にあります。
どの園も最寄駅から徒歩圏内にあり、アクセスが充実しているのも特徴のひとつです。
また、「子どもから出発する保育」を保育方針としています。この「子どもから出発する保育」という言葉は、レッジョ・チルドレン(「レッジョ・アプローチ」を確立したイタリアのレッジョ・エミリア市の幼児・児童教育研究機関)との交流から、「レッジョ・アプローチ」の考えについて理解を深めて決めたそう。そんな保育への思いが、どのように実践されているかも注目です。園内を見学させていただきました!
ただ野菜を作るだけでなく、「どうしたら大きく育つだろう?」「鳥に野菜を食べられないようにするには?」といったことを子どもたちで考えているそう。菜園からもプロジェクトが生まれています。
この部屋は1階「リストランテ」2階「トラットリア」と名前が付けられていて、異年齢で給食を食べたり地域の人々をお招きするのに使用されます。
自分の思いを伝え、それを理解してもらいながら楽しく食事ができるのが素敵ですね。オルト保育園の「ここがステキ!」
それが園内にあるこのアトリエで、子どもたちはここで枯れ木やネジ、ペットボトルのふたといった廃材を用いた芸術活動を楽しんでいます。
他の園では類を見ないアトリエの存在は、オルト保育園の大きな魅力と言えるでしょう。
ただ作品を作って楽しむという目的だけではなく、友達といっしょに何かを作りながら、自分の意思を伝えられる力を育てていくことを重要視しているのです。
たくさんの廃材の中から使える素材を選ぶところから自発的に参加することで、「このキャップは丸いから目に使えそう」「これは叩くとこういう音がするから、組み合わせたら面白そう」といった、子どもの発想力を広げていくことができます。
自分で考え、工夫し、話し合い、表現する。そういったことができるようになっていくのです。編集者より
編集部を見るなりすぐに挨拶してくれて、明るい笑顔を向けてくれた子どもたちからは、この園で培われた主体性や表現力が満ち満ちているように感じられました。
お忙しい中取材にご対応いただきましたオルト保育園のみなさま、誠にありがとうございました!