東日本大震災から4年。災害に対する意識が風化しつつあると言われる中、改めて、万が一に備えた対策の大切さが強調されています。今回は、子どもたちの”身を守る力”を育むため、日々の保育にも取り入れたい防災教育についてお伝えしていきます!
防災教育では「動く」訓練と「学ぶ」訓練が重要!
- 地震に対する災害対策で課題に感じる点
- ◆子どもたちに地震の怖さが伝わっていないと感じる
◆子どもたちに地震時の対応が身に付いていないと感じる
※弊社アンケートより一部抜粋(調査対象/保育士)
保育園・幼稚園では、定期的に防災訓練を行っていると思いますが、そのような「動く」訓練の他に必要なのが「学ぶ」訓練。災害の恐ろしさや、防災訓練を行う理由を伝える、また日頃はあまり耳にしない”地震・火災・津波”といった言葉の理解につなげる為にも、災害を「学ぶ」ことはとても大切です。
子どもに地震の怖さを伝える絵本&紙芝居<5選>
災害対策の絵本や紙芝居は、園での防災だけでなく、子どもたちが、それぞれの家庭での防災を考えるきっかけにもなります。どこにいても自分の命を守れるよう、これからご紹介する作品を活用して、地震の怖さや身の守り方を伝えてあげましょう!
れんしゅうしててよかったね(紙芝居)
今日はひまわり園の避難訓練の日。ダイちゃんとトモちゃんが今か今かとドキドキしていると、本当に大きな地震が来て…日頃の避難訓練の大切さがわかる作品です。大災害の際の二次避難についても描かれています。4~5歳の年長さん向け。
(脚本:宮﨑二美枝 /絵:夏目尚吾)
◆れんしゅうしててよかったね (もしもにそなえる防災かみしばい)
キティちゃんのじしんがきたらどうするの?
かわいいキティちゃんの絵本で、地震の起こったときの対処法がわかる作品。気を付けなくてはいけない点が具体的にピックアップされているのがオススメポイントです。防災グッズの準備についても描かれているので家庭用にも。2歳~5歳向け。
(監修:セコム子を持つ親の安全委員会)
◆キティちゃんのじしんがきたらどうするの? (おやこでみにつくあんぜんえほん)
あっ!じしん
地震のメカニズムやその恐ろしさ、どうしたら身を守れるのか…など、地震に対する知識がギュッと凝縮された絵本。少し難しい部分もありますが、災害について考えるうえで大切なことが、うまくまとめられています。3歳ごろから小学生低学年くらいまでがオススメ。
(作:金子章/絵:鈴木まもる)
◆あっ!じしん
じしんのえほん
もしも地震があったときに一人だったら?自宅にいたら?お店の中にいたら?そんなケーススタディがわかりやすくまとまった絵本。災害時に必ずしも園内にいるとは限りません。より実践的な災害対策にオススメです。4~5歳以上の年長さん向け。
(監:国崎信江/絵:福田岩緒)
◆じしんのえほん―こんなときどうするの? (地震防災えほん)
みんなでひなんくんれん(紙芝居)
いろいろな動物たちが避難訓練をするストーリー。「おさない」「かけない」「しゃべらない」火災が起こったときの避難のお約束も学べる作品です。守らなかったらどう危ないのか、がわかりやすく描かれています。3歳以上にオススメ。
(絵・脚本:しらかたみお)
◆みんなでひなんくんれん (2010年度定期刊行紙しばい 年少向け おひさまこんにちは)
実践的にアレンジ!自園向けパネルシアターを作ってみよう!
更に発展した防災対策として、パネルシアターを活用してみてはいかがでしょう?ご自身の保育園が、地震があったらどうなるのか…?そんな実践的な演出ができます。登場人物に動きを付けられるので、電気が揺れたり、棚から本が落ちたり…地震の怖さも表現できるでしょう。
活用アイデア | |
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◆避難経路を考えよう◆ 園の間取り図をネル布で用意して、地震が起こった時の避難経路や、調理室で火災が起こった場合の経路などを教えてあげてはいかがでしょう?「この部屋は危ないから、どうやって園庭に避難するといいのかな?」「この棚が倒れていたらどうするかな?」など、年齢が高い子どもたちならば、一緒に考えてもらえば、より実践的な疑似避難訓練ができるでしょう。 |
編集者より
先日実施したアンケートでは、地震対策に対して、マニュアルの徹底が不十分、保育者の防災知識不足といった課題も指摘されていました。津波や火災の可能性がある場合など、ケース別に対処法を話しあい、園のマニュアルを整備しておくことも大切です。いつ起こってもおかしくない災害。4年前の教訓をもとに、今一度対策を見直してみてはいかがでしょう。