保育ノウハウ

【種類・年齢別】保育に取り入れたい伝承遊びのアイデア集

時代を越えて愛され続けてきた伝承遊び
1人でも大人数でも、部屋でも外でも、簡単に楽しく遊べてバリエーションも豊富です。

しかし保育者自身もなかなか伝承遊びになじみがなく、「どんな遊びをしたらいいんだろう?」とお困りではないでしょうか?

今回は伝承遊びのアイデアを種類・年齢別でご紹介します。
お正月だけでなく普段の保育でも楽しめる遊びばかりなので、この記事を読んでぜひ遊びの幅を広げてみてくださいね。

●お正月の伝承遊びはこちらから

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心も身体も育む伝承遊び

まり

伝統遊びとは、古くから人から人へと伝えられ、長く愛されてきた遊びです。
「昔遊び」とも呼ばれることもありますね。

具体的には、おはじき竹馬めんこなど道具を使った遊び。「かごめかごめ」「はないちもんめ」など友達同士でわいわい楽しむ遊び。さらには手遊びわらべうたなども伝承遊びに含まれます。

全身だけでなく指先も使った運動の要素、歌やことばなどの表現の要素など、伝承遊びは奥深く、子ども達にとっての学びもたくさんあります。
保育室のおもちゃや園庭の遊具を使った遊びももちろん楽しいですが、たまには伝承遊びをとりいれてみるのも子ども達にとっては新鮮なのではないでしょうか?

保育のねらいは?

伝承遊びの保育のねらい
では、伝承遊びを保育でとりいれるにあたり、どのようなことを意識し、ねらいとすればよいでしょう。

まずは「教育・保育要領」のねらいの「環境」に注目してみましょう。

【満3歳以上の園児の教育及び保育に関するねらい及び内容】
環境〔周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う。〕

●ねらい:(2) 身近な環境に自分から関わり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする。

●内容:(6) 日常生活の中で、我が国や地域社会における様々な文化や伝統に親しむ。
●内容の取扱い:(4) 文化や伝統に親しむ際には、正月や節句など我が国の伝統的な行事、国歌、唱歌、わらべうたや我が国の伝統的な遊びに親しんだり、異なる文化に触れる活動に親しんだりすることを通じて、社会とのつながりの意識や国際理解の意識の芽生えなどが養われるようにすること。

一部引用:「幼保連携型認定こども園教育・保育要領
※太字は編集部によるもの

このように「伝統的な遊びに親しむことを通して、社会とのつながりを育んでいこう」と記されています。

環境」は保育の5領域の一つです。
他にも、鬼ごっこは友達同士と走ったり協力したりして「健康」や「人間関係」が、絵かき歌では「言葉」や「表現」などの伝承遊びとの関わりが考えられます。
5領域を意識しながら、伝承遊びを計画するとよいですね

「保育者が伝承遊びを完璧に知らなければならない……!」と心配しなくても大丈夫。
また、子ども達自身でどのような遊びがあるか調べてみたり、お年寄りに聞いてみたりしても、新たな発見や関わりが生まれます。

5領域・10の姿・3つの柱
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年齢・シーン別 伝承遊びのアイデア

折り紙
ここからはいよいよ、伝承遊びのアイデアを年齢別にご紹介します。
年齢はあくまでも目安ですので、子ども達の発達にあわせて、工夫をしてみてくださいね。

また、遊び場も室内遊び戸外遊びのそれぞれを紹介しています。
たとえば、こま回しは室内でもできますが、公園でみんなでこま回し大会としたり、戸外遊びでも寒すぎる日はホールでやってみるなどこちらも状況に合わせて変えましょう。

【0歳児~】わらべうた「ととけっこう」【室内】

わらべうた「ととけっこう」
0歳児は応答的な関わりを通じて、身近な人と関係を築くことが大切です。
ここでは一対一で遊べるわらべうたを紹介します。

♪~
ととけっこう 夜(よ)があけた
豆鉄砲  起きてきな
「おはよう」

※歌に合わせて、両手を顔の前で上下にゆらし、 「おはよう」で手を左右に開きます

「いないいないばあ」のように、大好きな相手の顔が見えることに子どもは大喜びするでしょう。

歌詞の「豆鉄砲」の部分は子どもの名前に変えてもよいホィね♪

【1歳児~】ゴム跳び【屋外】

1歳
1歳児はゴムをピョンピョン跳ぶというよりも簡単な運動遊びを。
大人が2人でゴムひもを持って、子ども達はくぐったり、またいだり、跳んだりして遊びます。

普段よく歌う歌にあわせてゴムひもをくぐり抜け、歌が終わったらその場でストップ!」というような遊び方もできます。
地域によって親しまれている歌もあるようなので、調べてみましょう。

保育者は首や足に引っかかって苦しくなったり転んだりしないように、ゴムの強度やピンと強く張りすぎていないかの確認を忘れずに。
屋外に限らず、ホールなど十分にスペースのある場所で楽しんでください。

2歳児以降は両足跳びの動きをプラスしたり、年齢によって難易度を変えてみよう

【2歳児~】言葉遊び「鳴き声クイズ」【室内】

動物の鳴き声クイズ
手遊び「おちた おちた」のリズムで「鳴いた、鳴いた、何が鳴いた?」と歌って、鳴き声クイズをしましょう。
子ども達もだんだんと言葉の引き出しが増えてきた頃です。

また、動物だけでなくても救急車や、時には音のしない物(積木や本)などを出題してもよいですね。
ジェスチャーがついても盛り上がりそうです。

【3歳児~】手作り缶ぽっくり【屋外】

3歳からの手作り缶ぽっくり
缶ぽっくり(缶下駄)は楽しみながらバランス感覚や姿勢の良さを養うことができるとができます。
同じ方向の手と足を同時に動かさなければならず、最初はテンポよく歩くことが難しいかもしれません。何度も挑戦するチャレンジ精神も身につくでしょう。

さらに嬉しいことに簡単に缶で作ることができるのです。

【作り方】
缶ぽっくり作り方1
①缶のフタを切り取ります
 缶はミルクの缶やフルーツの缶など子どもが乗れる大きさの物にしましょう
②ビニールテープなどで装飾します
 外で遊ぶことも考えて、耐水性のあるテープ・装飾がおすすめです
 また、子ども達に絵を描いてもらってもオリジナリティが出ます

缶ぽっくり作り方2

③缶の底から5㎝くらいのところに穴を2箇所空けて、ひもを通します
 ひもの長さは子どものお腹くらいまでに調節しましょう
④完成
 缶による足音も楽しんで

フルーツの空き缶は給食室からもらえないか相談しみるホィ!

【4歳児~】おはじき【室内】

おはじき
物事のルールや分別もつき、誤飲のリスクも低くなる4歳児にはおはじき遊びがおすすめです。
1人でもできますが、複数人でやるとゲームとして白熱しそうです。

【基本の遊び方】
①平らな場所におはじきをばら撒きます
しきり
②的となるおはじきを決め、はじくおはじきとの間に指で「しきり」(線)を引きます
 この時、指がおはじきに触れたらアウトです

③おはじきを指ではじきます

④的となるおはじきに当たったらそのおはじきをもらうことができます

⑤順番にはじいていき、取ったおはじきの数が多い人が勝ちです

指先の微妙な力の入れ具合やおはじきとの距離を考えて指で線を引くなど、調整したり考えたりと様々な要素がある奥深い遊びです。

最後は数え歌でおはじきの枚数を数えてみるのもGOOD!

【5歳児~】缶蹴り【屋外】

缶けりのシルエット
少し複雑なルールの集団遊びも楽しめる年齢。
公園など広い場所で、かくれんぼと鬼ごっこが合体したようなルールの「缶蹴り」を楽しみましょう。

【基本の遊び方】
缶けり用の空き缶
①地面に円を描いて、空き缶を1つ置きます

②オニを決め、オニ以外の1人が空き缶を円の外に思い切り蹴ります

③オニが空き缶を拾って円の中の元位置に戻すまでに、オニ以外は隠れます

④オニは隠れている子を探し、見つけたら「〇〇くん/〇〇ちゃん見つけた」と言いながら空き缶を踏みます
 見つけられた子は、オニが空き缶を踏む前に、缶を蹴ることができたら、また逃げることができます

⑤オニが全員を捕まえたらオニの勝利です

オニは1人だけでなく何人か決めてもスリルが増すホィ!

【異年齢】サーキット形式で伝承遊び

伝承遊びいろいろ
遊具をいくつか準備し、コーナー分けをして、次々と様々な遊びを体験できるサーキット。
こまやお手玉、あやとりなどを用意して、伝承遊びのサーキットをしてみましょう!

人から人へと伝えられてきた伝承遊びの特性を活かし、異年齢でペアや小グループを作って回るのもおすすめです。
年長児が年下の子達に遊び方やコツを教えてあげるようにすれば、異年齢での交流も生まれます。
また、敬老の日や保育参観の日の出し物にしてもよいですね。

伝承遊びのアイデアを探すなら(資料集)

本で調べる子ども達
ここでは紹介しきれない程、伝承遊びの種類は様々です。
「もっといろんな遊びの引き出しが欲しい!」という方のために、伝承遊びがたくさん紹介されている資料をご紹介します。
「遊びがマンネリ化しているな……」という時にもきっと役立ってくれるはずです。

●かこさとし『だるまちゃんと楽しむ 日本の子どものあそび読本』

『だるまちゃん』シリーズで有名なかこさとしさんの遊び紹介の絵本です。
かこさとしさんは50年以上にわたり、伝承遊びを研究してきました。その成果は『伝承遊び考』にまとめられています。
こちらは、子どもにも分かるように絵本になっています。
子ども達と一緒に「どんな遊びをしてみようかな?」と探すのにピッタリです。

●神奈川県青少年指導者養成協議会「温故知新 伝承あそびing 子どもたちに伝えたい111選」
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ch3/documents/denshoasobiing.pdf
NPOの「遊びの専門家」達が制作した111もの伝承遊びが紹介されている冊子です。
写真や図解が充実しており、すぐに実践できます。
現代に即した遊び方の工夫や、ベテラン保育者も知らなかったような遊びの雑学もあり、一読の価値ありです。

●日本スポーツ協会「幼児期からのアクティブチャイルドプログラム」
http://sunlife.net/webbook/acp_youjiki_2018/
日本スポーツ協会が発行しているデジタルガイドブックです。
スポーツと身体の関わりが科学的に考えられており、「幼児期の指導者」に向けて書かれた解説もためになります。
子どもの動作の目のつけどころや「安全上の配慮」、「指導事例」など具体的にふれられているのも嬉しいポイントです。

●ほいくる「伝承遊び・昔遊び集〜今すぐ楽しめるものから昔から親しまれている玩具遊びまで12選〜」
https://hoiclue.jp/800007524.html
保育士さん達から支持する声も高い『ほいくる』。
オリジナルイラストの遊びの説明もかわいいですね。
「実際に作ってみた」手作りおもちゃの作り方がまとめられているのが他のサイトにはない魅力です。

編集者より

梅の花
伝承遊びは「これが絶対!」と決まっているわけではなく、子ども達の遊びを通して変化してきたものです。
頭も心もやわらかい子ども達に伝承遊びを教えたら、新しい遊び方も見つかるかもしれません。

くり返し遊び、思わず仲間に伝えたくなる魅力がいっぱいの伝承遊び、ぜひみなさんの園でもチャレンジしてみてくださいね!

参考文献・サイト

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