社会人になると、人間関係における基本的なマナーや、仕事に取組む姿勢などがとても重視されます。しかし一方でそういった心構えができていない”困った人”も職場にはいるもの…。今回は特に先輩の立場から、困った後輩の特徴を聞いてみました。「自分は大丈夫!」という方も、ぜひ一度ご自身のふるまいを見直してみてくださいね!
94%の先輩は後輩にイライラした経験あり?!
後輩の指導を経験したことのある保育士さんならば、後輩の言動に腹が立ったり、困ってしまった経験もあるのではないでしょうか。今回のアンケートでは回答者の約94%が「思わず後輩にイラッとしてしまったことがある」と答える結果となりました。
特に新人のうちには、自分自身の行動を振り返る余裕がなかったり、社会人としてのルールが身についていなかったり…何かと先輩を困らせる言動に気付きにくいこともあるでしょう。また先輩としてもはっきりと指摘しづらい…という一面もあります。ここからはアンケートで伺った先輩方のリアルな声をご紹介していきましょう。
指示待ち…謝れない…先輩が頭を抱えた後輩の特徴8選
では具体的に後輩のどのような言動に先輩が頭を抱えているのか、8項目に分けてご紹介します。
【1】受け身の姿勢にウンザリ…
職場は学校とは違います。言われた指示に従っていれば良いわけではなく、状況に応じて何をすべきか考える姿勢が大切です。また指示を仰ぐ際も、ただ「どうしたら良いですか?」と聞くだけではダメ。判断を全てゆだねるのではなく、まずは自分ですべきことの仮説を立てる習慣を付けましょう。
【2】大丈夫じゃない「大丈夫」は困惑します…。
大丈夫でないならばハッキリそう言って欲しい…、そんな声が多く寄せられました。いくら経験のある先輩であっても、大丈夫と言われてしまっては救いの手を差し伸べることもできません。自分の力量と限界、それと現状を見比べて、明らかに無理なものや厳しいと感じることはしっかりアウトプットする必要があります。
【3】自分ひとりで抱え込まないで!
保育の仕事は1人で完結できるものではありません。報告・連絡・相談、これが不足していると、どこかでそのしわ寄せが業務非効率やミスとなって現れます。組織の一員として基本的な情報共有ができないのは困りますね…。
【4】敬語の使い方を知らない…
職場では敬語を使ったコミュニケーションが基本。ましてキャリアが上の先輩に対して、許可もなく業務中に友だちのような口調で話しかけることは言うまでもなくNGです。
【5】自分が悪くても謝れない…
言い分があったとしても、指摘をされるには何らかの要因があったはずです。まずは謝罪をするべきでしょう。ふてくされた態度は社会人にふさわしくありません。「そんなこと知っています!」と言うならば、指摘を受ける前に行動で示しましょう。
【6】保育士なのに…
子どもの育ちを支える立場にもかかわらず、子どもと張り合っているようではいけませんよね…。
【7】やる気がないの…?
面倒な仕事も中にはありますが、それも大切な業務の一環です。やる気のない態度ばかり見せていては信頼感も失われてしまいますよね。
【8】学ぶ姿勢がNGです!
わからなくなったらいつでも、何度でも教えてもらえるからいいや…そんな姿勢は社会では通用しません。メモくらいは最低限取るようにしましょう。
こんな人は社会人としての常識に欠けている!
多くの先輩保育士さんが後輩の言動に困った経験があることを受け、後輩が社会人としての常識に欠けるなと感じることがあるかどうかを聞いてみたところ、実に97.1%の方が「ある」と答える結果となりました。
ではどのような点で社会人としての常識不足を感じるのか、複数回答でアンケートを取ってみたところ、最も多かったのは「報告・連絡・相談ができていないこと(24名)」、次いで「責任感が足りない(22人)」「行動が身勝手である(19人)」となりました。
責任感の不足や行動の身勝手さというのは、漠然とした項目ではありますが、いずれも「大切な命を預かる仕事である」ということや「ひとつの小さなミスにも職員全員が関わってくる」という意識の欠落から生じやすいものです。誰かがフォローしてくれるから大丈夫だろうという甘い認識や、自分は十分に子どものことを理解しているから、1人でもきちんと対処できるといった慢心は厳禁です。
萎縮も対応に困る原因に…?
報告や相談なしの身勝手な判断や、配慮のない非礼な行動も問題ですが、一方で萎縮してしまうことも、業務においては妨げになります。
アンケートでは後輩が先輩である自分自身や他の職員に委縮していると感じている保育士さんは、全体の38.2%でしたが、「少し強く言うと萎縮してしまうのでやりにくく感じる」など、互いに意見を言いにくい空気を生み出してしまっている傾向にあるようです。
指摘やアドバイスは後輩を責めるためではなく、成長に期待し、より良い保育ができるようにと願って実施されるものです。「怒られるから…」と過度に委縮せずに、成長のチャンスと捉えられる前向きな姿勢が大切ですね。
「これだけはやめて!」先輩からのアドバイス
最後に後輩に絶対に取ってほしくない行動と求める行動をひとつずつ聞いてみました。すると「取ってほしくない行動」には「受け身姿勢であること」、次いで「決められたことをきちんとやらないこと」「助言や指摘に対してふてくされたような態度を取らないこと」が挙げられました。
求められるのはこんな行動
一方で後輩に求められる行動としては「早めの相談や報告」「挨拶やありがとうなどの感謝の気持ちをきちんと言葉にする」「素直な気持ちでいること」などが挙げられました。
なにも高度なことが求められている訳ではありません。また保育士ならではの特殊な知識や技能が要求されているわけでもありません。まずは基本的な大人として、社会人としての基本を重んじること、それが先輩との良好な関係を築くために最も必要なことと言えるのではないでしょうか。
編集者より
報告・連絡・相談も、挨拶や感謝の言葉も、謝罪の言葉も、先輩や上司など共に働く人が皆気持ちよく過ごせるために必要不可欠なものであり、同時に自分自身を守り、円滑な人間関係を築くために欠かせないものでもあります。
日々これらを実践できているか、見直し、謙虚な気持ちで改善していく、後輩にとって必要なのは、まずそういった地道な努力とも言えるでしょう。ピラミッドは土台がしっかりしていなければ崩れてしまいます。保育者として一人前を目指すには、まず社会人としての基礎を固めることこそが大切であるのだと、今回のアンケートからも感じました。
・実施期間:2015年10月29日~11月16日
・実施対象:
保育士(70.6%)・幼稚園教諭(17.6%)・主婦(5.9%)・その他(5.9%)
・回答者数:34人(平均年齢:33.5歳)
・男女割合:女性/97.1%・男性/2.9%
※ご協力いただきました皆さま、貴重なご意見をありがとうございました!