保育の基礎知識

完全マスター!保育士資格の取り方・更新方法まとめ

保育士になりたい!そんな夢を持った方がまず疑問に思うのが「どうやったら保育士になれるのか」という点でしょう。
保育士として働くにはいくつか方法があり、ご自身に合った道を選択する必要があります。
今回は保育士を目指す方のために資格取得の方法と、実際に就職するために必要なことをお伝えしていきます。

保育士になるには大きく2つの方法がある!

小鳥のイラスト
保育士として働くには、まず2003年より国家資格として定められている保育士資格を取得する必要があります。保育士資格を取得するためには、大きく分けて以下の2つの方法があります。

◆保育士資格を取得する方法◆
保育士試験 年に2度、各都道府県で行われる保育士試験を受験して合格する方法。
試験内容や日程は全国で統一されています。なお試験は筆記試験と実技試験に分かれています。
(※幼稚園教諭免許状所有者で実務経験など所定の要件を満たす場合には、その要件によって一定の試験科目が免除される場合があります。)※保育士試験の詳細については下記に詳しく掲載されています。
⇒全国保育士養成協議会ホームページへ
指定保育士養成施設 厚生労働大臣が指定する保育士養成校やその他の施設で、所定の過程・科目を履修し卒業する方法。
必要な単位を取得して卒業すれば、保育士試験に合格しなくても資格取得が可能です。

◆保育士試験で資格取得するなら…

保育士試験の場合には、応募資格を満たしていれば誰でも受験が可能です。
年齢に上限がなく、保育に関係のない学部・学科の出身であっても受験可能なので、社会人の方でもチャレンジしやすい方法ですね。
ただし、保育士試験の合格率はあまり高いとは言えません。特に筆記試験はすべての科目で6割以上正答しなければならないため、合格率は毎年20%台となっています。
独学でもチャレンジは可能ですが、容易な試験ではないのでしっかりと勉強しておきましょう。多少費用が掛かりますが、通信教育などで学びながら資格取得を目指すのも良いですね。

【地域限定保育士について】
平成27年度からは、大阪府、神奈川県、千葉県(成田市)、沖縄県などの地域で「地域限定保育士」となるための試験実施が始まっています。

地域限定保育士とは、資格取得後3年間は当該自治体内のみで保育士として働くことができ、4年目以降は全国で働けるという条件付きの保育士資格。
資格取得のためには全国統一の保育士試験とはまた別に実施される試験に合格する必要があります。
まずは特定の地域において保育士として活躍したいという方は、地域限定保育士試験から資格取得を目指す方法を検討しても良いでしょう。

https://hoiku-shigoto.com/report/news/selected-area-male-nurse/

◆指定保育士養成施設で資格を取得するなら…

一方、指定保育士養成施設を卒業する場合については、保育士試験の受験をせずに資格が取得できるというメリットがあります。
しっかりと所定の過程・科目を履修し単位を取得していけば、確実に保育士資格が取得できるので、これから進学を考えている若い方には利点が大きいと言えるでしょう。
また中には夜間通学部、通信教育部などを設けているところもあるので、社会人で仕事と両立しつつ資格取得を目指す方もいらっしゃいます。

【全国の指定保育士養成施設一覧】
⇒指定保育士養成施設一覧PDF(全国保育士養成協議会)

【大学・短大・専門学校…どれを選べばいいの?】
保育士資格を取得できる養成施設には4年制大学、短期大学、専門学校などがあるホィ。まず大きく異なるのは費用と卒業までにかかる年数だホィ。
短期大学や専門学校では、4年制大学に比べ早く資格取得が可能なので、短期間で保育に必要な知識をしっかりと習得することができるメリットがあるホィ。4年制大学よりも学費が安く済ませられるのも魅力ホィね。
一方で短期間で知識を習得するためにとても忙しい毎日になることは覚悟が必要だホィ。

一方で4年制大学は、じっくりと時間をかけて学ぶことができ、保育以外の勉強など幅広い知識を蓄えられるので、保育園にこだわらずさまざまなキャリアの可能性を探れるホィ。
場合によっては短大や専門卒より高い初任給からスタートできることもあるホィ。ただし学費が高いこと、保育士として働き始めるまでに時間がかかることは、ご家族にも相談しながら検討する必要があるホィね!

資格取得だけじゃダメ!登録の必要性

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保育士試験合格あるいは指定保育士養成施設卒業をもって、晴れて保育士資格を取得したあなた。
しかしそれだけでは、保育士として働けません。

保育士として実際に働くためには、資格取得後、児童福祉法の規定に基づいて、事前に保育士登録の手続きを行う必要があります。
保育士試験に合格した場合は合格地の都道府県、指定保育士養成施設を卒業した場合は申請書を提出した時点で住民票住所地のある都道府県に保育士登録を済ませ、保育士証が交付されてはじめて保育士としてお仕事ができるようになるのです。

◆保育士登録の手順の基本◆
1 「保育士登録の手引き」を登録事務処理センターから取り寄せる。
2 登録事務処理センターから「手引き」が郵送されて来たら登録手数料(一人あたり4,200円)を郵便局窓口で払い込む。
3 申請に必要な書類を準備する。(保育士登録申請書/振替払込受付証明書/保育士試験合格通知書など保育士となる資格を証明する書類の原本/現在の戸籍抄本※戸籍の個人事項証明書)
4 申請書類を登録事務処理センターへ簡易書留郵便で郵送する。
5 保育士証の交付⇒手続完了!
保育士登録に期限はありませんが、申請から保育士証の交付までには約2カ月かかります。必要になる場合には早めに手続きを済ませておきましょうね!

就職の仕方はさまざま!

ニコニコと笑顔を見せる女性
無事に保育士証を受け取ったら、いよいよ保育士として働くことができます。しかし就職するためにもさまざまな方法があります。

まず、保育園は大きく公立と私立に分かれます。
公立の場合には働く保育士は地方公務員となりますので、まず各自治体の試験を受けて合格する必要があります。
公務員試験はだいたい6~9月に実施されることが多いですが、臨時採用を行う場合や逆に採用を行わない年度もあります。
募集期間や人数、受験資格や選考の方法には自治体ごとに異なりますので、就業を希望する自治体のホームページなどでこまめにチェックしてみましょう。

公立の保育士さんのメリットとしては、給与水準が比較的高く、勤続年数も長い傾向にあることなどが挙げられるホィ。
ただし各自治体の試験に合格して、採用者名簿に登録されても、保育施設から採用希望がなければ就職できない可能性もあるんだホィ。(※名簿への登録有効期限は1年間)
また、公務員なので異動もあるホィ。場合によっては保育園以外の施設に配属されることもあるので注意が必要だホィね!

一方、私立保育園に就業を希望する場合には、各事業所の求人に応募して直接選考に進みます。応募には各事業所のホームページやハローワーク、人材紹介会社による紹介、合同説明会や就職フェアを通じたエントリーなどさまざまな方法があります。

希望する地域の保育園などの求人情報をこまめにチェックする他、保育士の求人を集めたサイトにいくつか登録しておいたり、人材紹介会社に希望の条件を伝え、それに合った求人を紹介してもらったりと、複数の手段を用いてお仕事探しをすると、比較的スムーズに希望の就業先を見つけることができるでしょう。

最近では保育士不足が深刻な問題になっていて、保育士さんは引く手あまた!
自治体によっては保育士さんのための就業セミナーやマッチングを行っているところもありますよ。

幼稚園、認定こども園で働きたい!

幼稚園や認定こども園を就職先にしたい場合は、保育士資格ではなく幼稚園教諭免許が必要になります。
認定こども園などの幼保一体型施設の場合は、保育士資格と幼稚園教諭免許がどちらも必要になるため注意しましょう。

幼稚園教諭免許には「幼稚園教諭二種免許状」「幼稚園教諭一種免許状」「幼稚園教諭専修免許状」の3種類があり、取得方法によって名称が変わります。

タイトル
幼稚園教諭二種免許状 短大・専門学校で幼稚園教諭養成課程を修了し、卒業することで取得できる
通信教育でも取得可能
幼稚園教諭一種免許状 四年制大学で幼稚園教諭養成課程を修了し、卒業することで取得できる
幼稚園教諭専修免許状 四年制大学卒業後、大学院にて修士課程を修了することで取得できる

資格の更新ってどうやるの?

保育士資格の場合

保育士資格は免許ではないため、更新は必要ありません。

幼稚園教諭免許の場合

幼稚園教諭免許の場合、特に2009年度以降に発行された新しい免許状には10年間の有効期限が設けられているため、その期限の満了前に更新が必要となります。
2009年以前に取得した免許状であっても、生年月日により最初の修了期限が設定されているため、以降は10年ごとで更新手続きをしなくてはなりません。
文部科学省のホームページで詳しい期限が確認できるのでチェックしておきましょう。

更新の仕方
(1)有効期限の切れる日を確認
免許更新のための講習は、期限満了日の2年2か月前から受けられます。
(2)受講資格があるかどうかを確認
自分が講習の対象になるかどうかも、文部科学省のホームページで確認できます。
(3)各自で文部科学省・大学のホームページを確認し、受講したい免許状更新講習を選択。申し込み
(4)講習を受講、修了
30時間以上の講習の課程を修了した場合は各大学から認定を受け、修了証明書を発行してもらえます。
(5)有効期限の更新を申請
各自が修了証明書、または合算して30時間以上となる履修証明書を添付して、免許管理者か住所地の都道府県教育委員会に申請を行います。
(6)有効期間更新証明書または更新講習修了確認証明書の発行
免許管理者から、有効期間更新証明書または更新講習修了確認証明書を発行してもらいます。

無資格でも保育園で働ける?

保育士さんのイラスト
保育士資格を取得する前に、現場での経験を積みたい!あるいは保育士として本格的に就業することは考えていないけれど保育に関わってみたい…という方には、保育補助のお仕事やアルバイト、ボランティアなどがオススメです。
もちろん無資格なので保育士としては働けませんが、保育士さんのサポートなどを通じて保育に携わることができるでしょう。

働きながら保育士資格の取得を目指している方もいらっしゃいます。無資格で応募が可能な求人も中にはあるので、探してみるのも良いですね。

編集者より

ハートの木
保育士とひとくちに言っても、職場によって保育方針や預かり人数などはまちまちです。だからこそ保育士になりたいと考える方は、保育士資格を取るための勉強をしている段階から、自分はどのような保育が実践したいのか、その想いを実現するためにはどのような保育施設が合っているのかなど、キャリアプランをイメージしておくことが大切になります。

公立が良いのか、私立が良いのか…大規模園か小規模園か…一緒に働く保育士さんの人数は…事業所の保育方針は…?そういった細かなところまで、じっくり検討することで、入職後のミスマッチを減らし、長く活躍できたら良いですね!

保育士は、なることがゴールではなく、その後もさまざまな学びのある、やりがいのあるお仕事です。保育士になるために日々頑張っている皆さまが保育の未来を担っていくことを心から願っています。

参考文献・サイト

全国保育士養成協議会
なりたい!しりたい!保育士『保育士公務員試験』
やさしい保育士入門

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