人の心は難しいもの。無意識に発した一言が相手を傷つけたり、怒らせたりということはよくあることです。
今回は保護者の皆さまを対象に、今までに不快に感じた保育士の言動について伺ってみました。保護者との関係性を円満に保つためにもぜひチェックしてみてくださいね!
6割以上の保護者が保育士の言葉にイラッとした経験あり?!
今回アンケートにご協力いただいたのは、保育園にお子さまを預けた経験のある56人の保護者の皆さま。まずは今までの保育士さんと話す中で、イラッとしたり、傷ついたり…不快に感じたご経験があるか伺ってみました。
すると60.7%が「不快に感じた経験がある」と回答する結果となりました。意外にも、保育士さんの言葉を不快に感じたことがある方は多くいらっしゃることがわかります。
保護者のホンネ!「こんな言葉が不愉快だった…」
では実際に、保護者の方が不快に感じたという言葉をチェックしてみましょう。思わず口に出してしまったことのある言葉はありませんでしょうか?ぜひチェックしてみてくださいね。
◆子どもを侮辱する発言
保育士は、子どもたちの成長を傍で見守り、励まし、適切に支援する立場です。そんな保育士が子どもを侮辱したり、傷つけるようなことを平気で口にするならば、保護者からの信頼は一気に失墜してしまいます。
▲子どもの育ちを支えていく立場として、明らかに不適切な発言です。言われた子どもはどのように思うでしょうか…。失敗しながらも頑張っている姿を認めてあげる、という根本的な姿勢から見直す必要がありそうですね。
▲「できなかったとしても、舞台に立てたことを褒めてやってほしかった」と保護者の方は述べています。あわせて保護者に対するフォローも必要なところを侮辱するというのは、保育士としていかがなものでしょうか…。
▲それを支え、子どもの気持ちに寄り添うのが保育士の仕事でもあります。言葉を話せない子どもは、行動を通じて自分の感情をアピールするもの。にもかかわらず、適切な支援もせずに「困った子、ヒドイ子」などと言われたのでは「呆れたし怒りを覚えた」という保護者の感情ももっともでしょう。
◆保護者の立場を理解していない発言
保護者は毎日、家庭と仕事とを両立する忙しい生活を送っています。我が子を優先させたい気持ちは誰しもあるでしょうが、その中で社会的責任を持ち家計も支えていかなくてはならない…そのような事情をくみ取る姿勢も、子育て支援に携わる立場として必要でしょう。
▲社会に出れば、会議が長引くこともあれば、重要な顧客からの依頼で残業が発生することもあります。定時ぴったりであがれる仕事の方が少ないでしょう。保護者だってお迎えの時間を気にしながら、なかなか抜けられないもどかしさを感じているのです。もちろん園側の事情はありますが、保護者の立場や気持ちへの共感は忘れないようにしたいものですね…。
▲すぐにでも病院に連れて行ってやりたい気持ちがあっても、業務に穴をあけられないのが社会人です。中には「病院にも連れて行ってもらえなくて子どもがかわいそう」とまで言う保育士もいるようですが、家庭の事情も知らずに「〇〇すべき」と伝えることは、保護者にとって大きなストレスになってしまいます。
▲世の中にはさまざまな仕事があります。土日が必ず休めるとは限りませんし、保護者とてそれを好きで選んでいるわけではありません。保護者は好き勝手をするために子どもを預けているわけではないのです。その心苦しさや不安に共感し、安心して預けてもらえる関係性を構築するのも、大切な職務なのではないでしょうか。
▲保護者を追い詰める一言です。人を取り巻く環境はそれぞれ違います。だからこそできることも一人ひとり異なるのは当たり前のこと。自分の価値基準に子どもや保護者を当てはめて、相手を追い詰めてしまわないよう注意が必要です。
◆信頼失墜…ありえない「言い訳」
自らの非を認めることは、保育士ならずとも当たり前のこと。自分の責任を免れようと言い訳をすることは、社会人としても信頼を失う行為です。
▲急に子どもがぶつかったり、倒れ込んできたりするリスクを考えなかった保育士に非はないと言えるのでしょうか?まずは謝罪をすべきであることは明らかでしょう。
◆自分がいつも正しいの?「決めつけ」発言
自分の方が子どものことをよくわかっている…そんな慢心は無意識のうちに断定的な「決めつけ」の発言として現れます。そのような発言は保護者にとってはとても不愉快なものでしょう。
▲我が子の発達は誰もが心配しナイーブになる部分です。断定的に発達の遅れを示唆したり、発達障害の名前を挙げることは避けるべきでしょう。励ましているつもりなのかもしれませんが、無神経に保護者を傷つけてしまっている一言です。
相手の立場に立った視点が大切!
人はそれぞれ価値観も異なれば、生活環境も育ってきた環境も異なります。そのすべて心の底から理解したうえで接することは不可能でしょう。しかし、少なくとも自分とは異なることに理解を示しながら対応していくことはできるはずです。
保育士さんはいわば子育ての専門家。保育に関する知識は保護者よりも豊富な部分もあるかもしれません。しかし「自分はこの子のことを保護者よりわかっている」というような姿勢は保護者にとって大変不愉快ですし、理想論を述べられても、仕事をしながらの子育てでは不可能なこともあります。
保護者対応に限ったことではありませんが、相手の立場を考慮し、気持ちに配慮をしたうえで発言することが円満な信頼関係を築いていくためには大切なのです。
編集者より
相手の立場に立ってものを考えるというのはとても難しいことで、自分自身痛みを経験しないと、なかなか相手の痛みがわからない部分もあります。
しかしながら「想像することができる」という点は、人間に与えらえた素晴らしい能力です。保護者になにか伝えようと思った時には、ほんの一瞬立ち止まって、相手がどのように捉えるかを想像する…そのひと時が、保護者とのすれ違いを防ぎ、信頼関係を保つことにつながっていくかもしれません。
・実施期間:2015年12月4日~12月10日
・回答者数:59人(平均年齢:33.7歳)
・男女割合:女性/94.6%・男性/5.4%
※ご協力いただきました皆さま、貴重なご意見をありがとうございました!