「忘れる」ということは、大きなミスや信頼関係に直結します。自分の記憶を過信しないで、こまめにメモを取る習慣をつけておきましょう。
ただし、できるだけ時間をかけず、メモすることに気をとらわれすぎないことが大切です。メモが上手に取れるようになると、うっかりミスを減らせることはもちろんのこと、子どもの様子など後で書類に書きたかったことも思い出しやすくスムーズにペンが進むようになります。
『先輩が教えてくれる!新人保育士のきほん(翔泳社刊)』の中から、ベテラン保育士さんが教える仕事術を紹介する連載の第3回となる今回は、「上手なメモの取り方」をピックアップします。メモの取り方ひとつで、作業の効率も段違いなので新人保育士さんは要チェックです!
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忙しいからこそメモを取ろう!
「あれ?なにかしなくてはいけないはずだったけれど思い出せない」そんな経験はありませんか?
保育現場では、不意にやることが増えたり、後で連絡や報告しなくてはいけないことが突然やってきます。聞いた直後は頭に入っているものの、覚えておく内容が思っていたよりも多くなってしまったり、ちょっとした伝達事項も子どもたちとの保育指導などで慌ただしく過ごしたりしていくうちに、いつの間にか忘れてしまうかもしれません。
そんなミスを減らすためにもこまめにメモを取っていくことが大切です。エプロンのポケットの中に、小さなメモ帳を携帯しておき、要点だけをさっと書きます。読み返したときに自分がわかればよいので、単語を並べるだけでも問題ありません。
メモが難しいときは「ICレコーダー」を活用すべし!
会議の内容が複雑で要点を書ききれないときや園児と関わっていてメモが取りづらいときなど、状況によってはメモすることが難しい場面が出てきます。そんなときはICレコーダーの併用がおすすめです。大切な内容を取り忘れることが減り、書く負担も軽減できます。
また、議事録代わりにも使えるので、積極的に活用していきましょう。
メモを取るときの3つのポイント
効率よく、すばやくメモを取るにはいくつかポイントがあります。ここでは、3つのポイントに絞ってメモの取り方を解説します。
①単語で記録すればすばやく、簡潔にメモを取れる!
上手にメモを取るポイントのひとつは、「単語で記録する」こと。「時間」や「人」、「対象(誰が誰に)」、「やらなければならないこと」を単語のみでメモすれば、時間をかけずに要点を押さえたメモを取ることができます。
以下に「実際の出来事」と「単語で記録した場合」で見てみましょう。
実際の出来事
単語で記録
①の場合は、「誰が誰に」を「矢印(→)」で示し、さらに時間帯と行動のみの単語でメモすればグッと書く時間を減らすことができます。
②の場合は、「Cくん 牛乳なし」という、しなくてはならないことだけをメモしておきましょう。
②保護者向けのメモは丁寧に書こう!
保護者にお願いがあるときにメモを渡せば、忘れずに持ってきてくれる可能性が高まります。気遣いにもなるためおすすめです。
ただし、急いで殴り書きのようなメモは厳禁。短くてもいいので、丁寧に書きましょう。
③後でやる仕事の記録は付せんが便利!
付せんに後でやらなくてはいけないことをメモしておいて、デスクなどに貼っておけばスムーズに仕事が進みます。
付せんに書いたことが終わったら、捨ててしまえばいいので、残りのやらなくてはならないことの把握にも役立ちます。
ペンにもこだわろう!
ペンは子どもの誤飲を防ぐためにも、キャップのないノック式にしましょう。3色ペンなどで内容によってカラーの使い分けをするのもおすすめです。
まとめ
新人の慣れないうちは、メモをすること自体に時間がかかったり、そもそもメモを取り忘れてしまったり上手くいかないことも多いでしょう。
ですが、この記事で示したメモの取り方を覚えれば、あなたも「できる保育士」に一歩近づきます。ぜひ、この記事を参考に実践してみてください!
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『先輩が教えてくれる! 新人保育士のきほん』の著者紹介
- 中野悠人
保育士資格・幼稚園教諭二種免許を取得。私立幼稚園勤務後、現役保育士や児童福祉施設に関わる人を取材し、ウェブサイト『やさしい保育士入門』を制作・運営。 - 山下智子
九州大谷短期大学幼児教育学科卒業後、私立・公立の保育所で保育士として勤務。その後大学で心理学も学び、現在は学校法人滋慶学園東京スポーツ・レクリエーション専門学校こども保育スポーツ科で実習担当として多くの学生指導にあたる。近畿大学九州短期大学通信教育部保育科の非常勤講師としても勤務。
※この記事は、株式会社 翔泳社とのコラボ企画です。記事の無断転載や引用などは禁止しています。