願いごとを書いた色とりどりの短冊で笹を飾り、夜空に輝く星々に祈りをささげる「七夕」。保育園でも短冊を書いたり、七夕飾りの準備をしながら「願いごとが叶うかな……」とワクワクしている子ども達がたくさんいることでしょう。
今回は、七夕飾りの作り方や織姫・彦星をモチーフにした製作など、七夕をもっと楽しくしてくれるような製作アイデアを紹介していきます。ぜひ保育園や家庭で作ってみてくださいね!
七夕が待ち遠しくなる!製作アイデア
まずは、年齢別に楽しむことのできる製作アイデアを紹介していきましょう。
【0~1歳向け】指スタンプの織姫&彦星
指スタンプ(フィンガーペインティング)は、小さな子どもでも楽しむことのできる製作技法のひとつ。
ひんやりとした絵の具の感触を指先で感じながら、スタンプのようにポンポンと押したり、指を滑らせてみたり……。自由に造形を楽しみましょう!
【材料】
・色画用紙
・絵の具(スタンプ台でも可)
・ホログラム折り紙
・のりまたは両面テープ
・リボン
・はさみ
・穴あけパンチ
織姫と彦星、台紙のパーツを切り出す
色画用紙で織姫や彦星、台紙のパーツを切り出しておきます。
ホログラム折り紙で星をつくる
ホログラムなどの加工がされた華やかな折り紙(ラッピング材などでも可)を星の形に切っておきます。
四つ折りなどにして重ねて一度に切ると、より効率的に作業を進められます。
四つ折りなどにして重ねて一度に切ると、より効率的に作業を進められます。あらかじめ裏に両面テープを貼っておくとシールのように仕上げることができ、あとの工程が楽になります。
織姫と彦星の顔を組み立てる
織姫・彦星の顔を組み立てておきます。0歳児クラスでも月齢が高い子の場合には、保育士さんが補助しながら、顔パーツを自分で貼るようにしてもよいでしょう。
絵の具をパレットや紙皿に用意する
絵の具をパレットや紙皿の上に数色出し、指先で色をつけやすいように筆などで少しのばしておきます。絵の具がそのままでは固い場合には、少量の水で溶いておきましょう。
織姫と彦星の服に指スタンプをする
新聞紙等を敷いたうえに織姫と彦星の服を置き、子ども達に指スタンプを押してもらいます。できたら絵の具をよく乾かしましょう。
月齢や指先の発達の段階に応じて、保育士さんが補助してあげるようにしましょう。
ある程度上手に指スタンプを押せる場合には、「ここに押すんだよ」などと強要はせず、自由に絵の具の感触や色の広がりを楽しませてあげましょう。
台紙に織姫・彦星を貼る
絵の具が乾いたら、のりや両面テープで織姫・彦星の顔と体を貼りつけ、台紙に取りつけましょう。
星を貼る
折り紙を切って作っておいた星のパーツを台紙に貼ります。
保育士さんが補助しながら子どもに星を持たせ、一緒に貼ると製作をより楽しめるでしょう。
台紙にリボンを飾って完成!
子どもたちの興味の度合いや集中力にあわせて、数日に分けて製作スケジュールを組むのもひとつのアイデアです。
その場合は、製作技法に変化をつけ、製作日それぞれのねらいや活動内容に変化をつけるとよいでしょう。(例:1日目……台座にフィンガーペインティングを施す/2日目:織姫と彦星の着物を手形で作り組み立てるなど)
【0~1歳向け】お花紙(フラワーペーパー)の織姫&彦星
【材料】
・お花紙
・ビニール袋
・セロハンテープ
・色画用紙
・クレヨン
・のり
・両面テープ
・はさみ
色画用紙で顏を作る
織姫と彦星の顔のパーツを、色画用紙で作っておきます。作例は色画用紙にクレヨンで髪や顔を描いていますが、色画用紙で作ったパーツや丸シールを活用して顏を作ってもよいでしょう。
着物のパーツを作る
幅1.5cm、長さ20cmほどのテープを織姫・彦星それぞれ3本ずつ作ります。(3本のうち1本は帯になるため、異なる色で作っておくとよいでしょう)
お花紙を丸めてビニールに詰める
好きな色のお花紙をくしゃくしゃと丸め、透明なビニール袋に詰めます。これを2つ作っておきます。
手のひらサイズに収まるくらいの枚数(5枚程度)が目安です。ビニールが大きすぎる場合には、あらかじめカットして小さくしておくか、折ってテープでとめるようにしましょう。
衣装のパーツを貼る
先に作っておいた3本のテープのうち2本を、袋をくるっと巻くように十字状に巻いて、両面テープでとめます。
帯を貼る
残ったテープの1本を横にくるりと巻いて貼り、着物の帯にします。
顔を貼って完成!
あらかじめ作っておいた顔のパーツを両面テープで貼りつければ完成です!
【2~3歳向け】模様が浮き上がる!はじき絵の天の川
画用紙にクレヨンで絵を描いて青い絵の具を重ねて塗れば……きれいな天の川があらわれます!できあがりだけでなく製作途中の変化も楽しめる製作レシピです。
【材料】
・白い画用紙
・絵の具
・オイルクレヨン
・色画用紙や折り紙等(飾り用)
・のりまたは両面テープ
・はさみ
白い画用紙にクレヨンで絵を描く
白い画用紙に、クレヨンで天の川や星の絵を描きます。
できるだけ白や黄色など、目立ちにくい色のクレヨンで絵を描くと、模様が浮き上がる様がよくわかります。
絵の具を薄めて描いた絵の上から塗る
絵の具を重ねて塗ると、クレヨンで描いた部分だけはじいて模様が浮き出てきます。
作品が乾いたら画用紙などに貼り、飾りつける
作品はよく乾かしたあとに色画用紙などで裏打ちし、星飾りや織姫・彦星、子どもの写真などで飾ると楽しい作品に仕上がります。
【2~3歳向け】ちぎり絵着物の織姫&彦星
「ちぎる」動作が手先の器用さを養うのにピッタリ! 好きな色の折り紙をちぎって、織姫と彦星の着物を作りましょう。
【材料】
・色画用紙
・クレヨン
・折り紙や千代紙
・のり
・はさみ
貼り絵の土台を作る
色画用紙を切り抜いて、貼り絵の土台となる織姫・彦星の体のパーツを作ります。
織姫と彦星の顔を作る
ペールピンクの色画用紙を顏の形に切り抜いて、クレヨンで髪や目・口などを描き、織姫と彦星の顔を作ります。
色画用紙で作った飾りなどを貼りつけるとより織姫・彦星らしくなります。
折り紙をちぎってのりで貼る
折り紙をちぎって、のりなどで土台に貼りつけていきます。
複数の色の折り紙を使うと、鮮やかな作品に仕上がります。
顔を取り付けて完成!
のりがしっかりと乾いたら、先に作っておいた織姫・彦星の顔をそれぞれ貼りつけましょう。
【4~5歳向け】ペーパー芯の織姫&彦星
トイレットペーパーの芯をお花紙で包んで、立体的な織姫&彦星を作ります。「包む」「はさみで切る」「貼る」などさまざまな工程が楽しめます!
【材料】
・色画用紙
・トイレットペーパーの芯2本
・キラキラ折り紙
・お花紙
・のりまたは両面テープ
・はさみ
織姫と彦星の顔を作る
色画用紙であらかじめパーツを作っておき、織姫と彦星の顔を作ります。目と口は子ども達に貼ってもらってもよいでしょう。
色鉛筆やマジックで自由に表情を描きこんでもよいでしょう。
トイレットペーパーの芯をお花紙で包む
トイレットペーパーの芯をお花紙でくるくると巻き、余った部分を内側に折りこんで包みます。
お花紙は薄く芯が透けて見えてしまうため、この工程を2回くらい繰り返すのがオススメです。
巻き終わりの部分はのりで軽くとめておきましょう。
キラキラ折り紙をテープ状に細くカットする
加工が施された折り紙を約1.5cm程度の幅にカットし、細いテープを2本作ります。
折り紙を芯に巻き付けて貼る
切り出した折り紙を、のりや両面テープでトイレットペーパーの芯の体に巻き付けるようにして貼ります。
顔を貼りつけて完成
あらかじめ作っておいた織姫と彦星の顔を貼ったら完成です!
【4~5歳向け】スパッタリングの天の川
絵の具をつけた歯ブラシを網にこすりつけたり、指ではじいて描画する「スパッタリング」を活かせば、美しい天の川を簡単に描くことができます。
子ども達一人ひとりの製作としてだけでなく、クラス全体としてダイナミックに楽しむのもよいでしょう。
【材料】
・黒または青の色画用紙
・白の絵の具(水彩・ポスターカラー等)
・歯ブラシ(固めのもの)
・金網(目の細かいもの)
白い絵の具を水で溶く
白色の絵の具と水を1:1の割合で溶き、浅いパレットやお皿に入れておきます。
歯ブラシの先に絵の具をつけ金網にこすりつける
歯ブラシの先に絵の具を少量付け、金網にこすりつけて絵の具を飛ばし、スプレーのように星空を描いていきます。
絵の具が固すぎたり、ブラシに絵の具をつけすぎるとうまく絵の具が飛びません。絵の具の濃度やブラシにつける絵の具の量を調節しながら試してみましょう。
(色の薄い画用紙の場合にはうまく発色しない場合があります)
個性的で楽しい!短冊&笹飾り
ここからは、笹を鮮やかに彩る楽しい短冊や笹飾りの作り方を紹介していきます。
◆すいかの短冊
【材料】
・色画用紙
・絵の具
・タコ糸
・のりまたは両面テープ
・穴あけパンチ
・はさみ
【1】色画用紙でタネのない状態のすいかを作っておきます。
【2】すいかのタネをフィンガーペインティングで描き、よく乾かします。
【3】願いごとを書いた短冊をすいかの裏にのりなどで貼りつけ、てっぺんに穴を開けてタコ糸をつければ完成です!
すいかのタネは布で作ったたんぽやシール、クレヨンなどでも楽しく描けます。年齢や発達段階、製作のねらいに応じてアレンジしてみるとよいでしょう。
◆流れ星の短冊
【材料】
・色画用紙
・ホログラム折り紙
・梱包用ビニール平テープ
・ホチキス
・セロハンテープ
・タコ糸
・のりまたは両面テープ
・はさみ
・穴あけパンチ
【1】色画用紙とホログラム折り紙を星の形に切っておきます。色画用紙で作る星の1枚は短冊のてっぺんに飾るため、大きめに作っておきましょう。
【2】梱包用のビニール平テープを20cm程度にカットしたものを5枚ほど重ね、上部をホチキスで留めます。
【3】テープを縦方向に細かく割きます。
【4】割き終わったら平テープを横方向に丸め、セロハンテープでとめます。
【5】てっぺんに願いごとを書いた大きな星を貼りつけ、平テープの部分に小さな星を散りばめます。
てっぺんの星は2枚作っておき、平テープを挟むように貼るときれいに仕上がります。表面に願いごと、裏に名前を書いてもよいでしょう。
【6】星の頂点に穴を開けてタコ糸を通せば完成です!
◆ちょうちん飾り
【材料】
・色画用紙
・ホログラムやオーロラなどの加工折り紙
・トイレットペーパーの芯
・タコ糸
・セロハンテープ
・のり
・両面テープ
・はさみ
【1】トイレットペーパーの芯に、ホログラムなどの加工が施された折り紙を貼りつけます。上下の余った部分ははさみでカットしておきましょう。
【2】色画用紙を、横=トイレットペーパーの芯の直径(約12cm)、縦=14cmの長方形にカットします。
【3】縦半分で山折りにし、山になっている側に切り込みを入れます。
【4】トイレットペーパーの高さにあわせて両面テープで貼りつけます。
【4】トイレットペーパーの高さにあわせて両面テープで貼りつけます。
【7】タコ糸をトイレットペーパーの芯の内側に貼りつければ完成です!
ちょうちんの本体に自由にシールや色画用紙で作った星などを貼って飾りつけてもよいでしょう。
◆ねじり輪飾り
【材料】
・色画用紙
・ホログラム折り紙
・折り紙
・タコ糸
・のりまたは両面テープ
・はさみ
【1】折り紙を2枚つなげて貼りあわせ、それを1.5cm程度の幅にはさみで切っておきます。
【2】ホログラム折り紙を【1】の工程で作ったテープの約2倍の太さにカットし、縦に切れ目をいれておきます。
【3】折り紙で作ったテープを2回ひねり、両端を貼り合わせます。
【4】中央に画用紙で作った星を貼ります。
【5】できたリング同士を、ホログラム折り紙でつなぎます。写真のようにそれぞれのリングに通して、両端を貼り合わせましょう。
【6】【5】の工程を繰り返して飾りを長くつなげ、タコ糸をつければ完成です!
七夕にちなんだおりがみ遊び
最後に、製作のワンポイントとしても、笹飾りのひとつとしても楽しめる折り紙の折り方を3つ紹介します。
◆星かざりの折り方
折り紙を半分に折って三角形を作ります。
さらに半分に折ります。
袋のように開いてつぶし、四角形を作ります。
裏返して反対側もおなじように開いてつぶします。
半分に折り、折り目が中央になるように星の形を鉛筆などで描いておきます。
星の形にはさみでカットします。
折り目を立てて、上から見て十字になるよう、形を整えます。
カットした星をのりで貼ってつなげ、本体に貼りつけます。てっぺんにタコ糸を通せばできあがり!
◆立体的なお星さまの折り方
折り紙を1.5cm幅に折ります。
さらに2回折り、広げます。
折り目に沿ってテープ状にカットしておきます。
できあがった3本の色のついていない面をセロハンテープで貼りあわせ、長い一本のテープを作ります。
テープの端を結んで五角形を作ります。
結んだ両端のテープのうち短い方を点線の部分で手前に折り、折り目に差し込みます。
長い方のテープを点線で奥に向かって山折りにします。
裏返し、また点線の部分を手前に折ります。
テープの残り部分がなくなるまでこの工程を繰り返し、端の部分を折り目に差し込んで隠します。
五角形のそれぞれの辺の中央を指で中央に向かって押しこみます。
形を整えれば完成です!
◆織姫と彦星の折り方
体のパーツの折り方
折り紙の中央で谷折りにし、折り目をつけます。
点線の部分を山折りにします。
上部に3分の1のところで折り目をつけたら、①、②の順に谷折りにします。
裏返します。
縦中央より少し下のところで手前側に折りあげます。
点線の部分を手前に折ります。
裏返して体のパーツは完成です!
顏のパーツの折り方(彦星)
十字に折り目をつけて戻します。
折り目にあわせ、上部を中央に向かって折り、三角形にします。
裏返して点線の部分を手前に折ります。
左右を中央に向けて谷折りにします。
上部の三角形の部分を手前に折ります。
折った部分の手前3分の1程度を上に折り返します。
裏返し、中央の部分ををそれぞれ内側に折り込みます。
四隅を後ろ側に折り、丸みを持った形に整えます。
てっぺんの三角形の部分をほんの少し後ろに折り返します。
顔を描いて完成です!
顏のパーツの折り方(織姫)
基本的な折り方は彦星と同じですが、髪型を作るときに一工夫!
髪型を作るときには、彦星より少し大き目に折り返すようにしましょう。
髪型のトップの部分は、中央に切れ込みをいれ、左右を裏側にそれぞれ折り返します。
丸シールなどを貼って織姫の髪型を再現しましょう。
最後に顔を描いて完成です!
組み立てよう!
最後に体と顔のパーツをのりなどで貼りつければ完成です!
色画用紙で作った着物の飾りを貼ったり、織姫・彦星のいずれかを子どもの顔写真で作ったりすると、個性的な作品に仕上がります。
編集者より
初夏を彩る年中行事である七夕。織姫と彦星の物語や、星に願いをかけるという慣わしは、どこまでも続く星空の世界へと子ども達の心をいざなってくれることでしょう。
今回はそんな七夕をより楽しめる製作遊びのレシピを紹介してきました。子ども達と作ってみたい製作アイデアは見つかったでしょうか?
梅雨時期とも重なることから、室内で過ごすことも多くなる七夕シーズンですが、ぜひ美しく輝く天の川や、願いごとに思いを馳せながら、製作遊びを楽しんでみてくださいね!
参考文献・サイト
- PriPri(プリプリ)2018年6月号『決定版七夕特集』世界文化社
- 柳沢裕子編(2017)『必ず役立つ!保育の年中行事まるごとアイデア』ナツメ社
- おりがみクラブ『たなばた』(2019/5/31)