アンケート

約7割の保育士さんが「気になる」と回答!保育中の子どもの声や足音

保育園などでの騒音トラブルが相次いでいます。中には訴訟や脅迫、園への嫌がらせなどに発展しているケースもあり、対策に気を使っている保育士さんも多いそう。本日は読者の皆さまを対象に行ったアンケート結果から、保育中の音に対する保育士さんの意識や対策例、実際のトラブル事例を探ってみましょう。

「保育中の音が気になる」が67%!調査結果発表

イクミ
保育士、幼稚園教諭の皆さまに、保育中の音が気になるかアンケート調査を行ってみたところ、回答者の約7割が「気になる」と答える結果に。中でも、多くの方が子どもたちの声、特に泣き声や叫び声を気にされていました。


保育中の音に関する調査グラフ


保育中の音に関する調査グラフ2

【アンケート実施概要】
・実施期間:2015年1月16日~2月9日
・実施対象:保育士/58.3%・幼稚園教諭/16.7%
      その他保育教育関連/12.5%・その他/12.5%
・回答者数:24人
・平均年齢:38.5歳
・男女割合:女性/95.8% 男性/4.2%

アナタの園はどうしてる?音に対する対策例

ヒナ
では、気になる保育中の音に対しては、どのような対策をとっているのでしょうか。意外なことに、音に対して気にはなるものの、特に対策は取っていないという回答が6割程度を占めていました。「保育中の音は仕方のないこと」というご意見も多く、気になりながらも、現状は変えずに保育を行っている方も多いことが伺えます。

保育中の音に関する調査グラフ3

保育中の音に対するその他の対策の例
◆ 子どもたちに騒がしくならないように伝えたり、保育士同士も声の大きさに気をつけました。(30代女性)
◆ 夏はエアコンで窓はあまり開けないようにしています。(40代女性)
◆ ピアノの時間を決めています。(50代女性)
◆ 天気がいい日のメイン活動は外に行くようにしています。(20代女性)
◆ 行事の前に近所の方にあいさつしておく、イベントに招待するなど、常日頃からコミュニケーションをとっています。(20代女性)

回答者の30%は苦情を受けた経験あり?!

縄跳びする子どもたち
東京都の調査では、全体の約7割の自治体で、子どもの声などへの苦情を受けているとのこと。皆さまの園では、実際に苦情を受けた事例はどの程度あるのでしょうか。アンケート結果では、保育中の音が原因のクレームが発生したという回答は、全体の29.2%。通常保育時の音だけでなく、運動会などの行事の音響が原因となっているケースも多いようです。
 

実際に発生した苦情の例
◆ 子どもの声がうるさい(園内・園外)
◆ 運動会や発表会の際の音響がうるさい
◆ ピアノの音がうるさい

 

近隣の理解は得られるのか…保育士さんの心の声

ブランコで遊ぶ子ども
練馬区や神戸市では、近隣トラブルが訴訟まで発展。神戸市では保育所の近くに「ドクロ」の描かれた看板を設置されるなどの嫌がらせも発生しています。また西国分寺市では、保育園の近所に住む男が、「園児の声がうるさい」などとして保護者を脅迫し、逮捕された事件も…。保育の現場に立つ皆さまは、こういった状況について、どのように感じているのか、伺ってみました。
 

残念…悲しい…
◆ とても残念…いやな時代だなと思います。誰にでも幼少期があるので、子どもは元気が一番と思ってもらいたいです。子どもは日本の将来を背負う宝だと認識してもらいたいです。(20代女性)
◆ 悲しく感じます。子育ては社会全体の仕事です(50代女性)
◆ 悲しいです。他者を思いやり共存できることを願います(50代女性)
仕方のないこと
◆ 新しい保育所が増えて、突然住環境の変化が起こると、訴訟トラブル等仕方ない場合もあり得ると考えています(40代女性)
◆ 人それぞれで何とも言えないが神経にさわる音(声)っていうのがあって 不快に思う人がいるのは仕方がない。(40代女性)
歩み寄りが大切
◆ 理解してもらいたいが、保育も多少工夫していく必要もあると思う。(20代女性)
◆ 話し合い折り合いをつけてお互い歩み寄ることが理想だと感じます。(30代女性)
◆ 静かに生活したい人もたくさんいるので常に低姿勢でいたいです。(50代女性)
◆ 普段からのコミュニケーション不足だと思います。近隣の方に普段からご挨拶したり、うるさくないか気にかけたり、そういうことを怠っていると、トラブルの原因になるのではと思います。(40代女性)
理解と協力を…
◆ 近隣の協力があってこそ地域の健全な子育てが成り立つものとしてご理解・ご協力をいただきたい。(40代女性)
◆ 子どもは騒いだり泣いたりするのが常であり、元気な証拠であると思います。それをわかってほしいと感じています。(30代女性)

編集者より

ほいくん
音を聞いて騒音と感じるか否かは、個人の価値観によって大きく異なるものです。地域のコミュニティー機能が弱まりつつある社会の変化も、子どもの声などを”騒音”と感じる人を増やしている、ひとつの要因なのではないでしょうか。
 
子どもはその家族や保育者だけでなく、社会全体で見守り育てていくもの…異なる事情や価値観を持つなかで、全ての人に浸透することは難しいかもしれませんが、そういった視点を持つことも大切ではないでしょうか。
 
読者への感謝のメッセージ
アンケートにご協力いただきました皆さま、貴重なご意見ありがとうございました!

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