月案や週案、連絡帳の記入、行事の準備……日々の保育のほかにも、保育士さんの仕事は多くあります。とくに新人のうちは「やることが多くてどれからやったらいいのか迷ってしまう」「うっかりやることを忘れてしまった」など、無駄な時間やミスにつながってしまいがちです。それが続くと残業や持ち帰り仕事になってしまうようでは、「できる保育士」とは言えません。
『先輩が教えてくれる!新人保育士のきほん(翔泳社刊)』の中から、ベテラン保育士さんが教える仕事術を紹介する連載の第4回となる今回は、「優先順位をつけてリスト化する」という業務管理方法をピックアップします。無駄なく作業を行えたり、ミスを避けることにもつながるので、新人保育士さんは要チェックです!
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やることの優先順位をつけて業務を管理する
保育士さんは1日のスケジュールに沿った保育のほかに、「週案や月案の作成」、「行事の準備」などいくつかのやらなければならないことを抱えていますが、みなさんは普段はどのように仕事を管理していますか?
実はちょっとした管理方法の違いで、精神的な負担を軽減して、計画性のある仕事の取り組み方ができるようになり、結果的に仕事にかかる時間を減らすことができます。
その管理方法とは「優先順位」をつけることです。
優先順位をつけるメリット
やることに優先度をつけることには以下のようなメリットがあります。
また、優先順位をつけることで、「あれもやらなきゃ……これもやらなきゃ……」といった余裕のない状況が避けられ、仕事に追われて精神的なストレスのたまりやすい状況を回避することができます。
リストにして業務を「見える化」する
ただ「優先順位をつけましょう」と言われても困ってしまいますよね。そこで、いくつかの仕事を同時に抱えているときには、まず最初に「やるべき業務をリスト化」してみましょう。
リスト化することが時間短縮にもつながる
まずは、自分の管理しやすい方法で構いません。リスト項目には業務内容、必要な時間、期日、優先度を記入し、完了した業務はチェックしていきます。
抱えている業務を「見える化」してスケジュール管理することで、何をいつまでに終わらせなくてはいけないかがすぐにわかり、忘れてしまうといったことも予防できます。
このようにリスト化して目で見て見通しが立てるようになると「今日までにこれを終わらせる」「まだ時間に余裕がある」「ほかの先生に手伝いを頼もう」といった判断や選択が取りやすく、結果的に時間をうまく使えるようになり、業務の時間短縮につながります。
新人のうちは、慣れない業務でやるべきことが終わらないことも多くあるでしょう。そんなときも見通しが立っていれば、主任や先輩の保育士、同僚などに早めに相談することもできます。
ITスキルを上げてさらにスピードアップ
保育園によってはまだ業務を手作業で行っているところも多く、パソコンや業務支援アプリなどを導入することで大幅に業務を軽減できる余地があります。
現状では保育士一人につき、1台ずつパソコンが整備されている園は少ないですが、今後保育園でパソコンを使用する機会は増えていきます。今のうちからパソコンを積極的に使うよう心がけてITスキルを磨いていくことをおすすめします。
まとめ
今回紹介した「優先順位をつけてリスト化する」という業務の管理方法は、社会人の仕事のノウハウとしては一般的なものですが、保育士さんの業務管理にも十分に役立つものです。
やることを書き出すと、頭の中が整理されて無駄な焦りもなくなるので精神的なストレスを軽減できます。「日々の業務に追われている」と感じている新人保育士さんは、まずはここから実践してみてはいかがでしょうか。
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『先輩が教えてくれる! 新人保育士のきほん』の著者紹介
- 中野悠人
保育士資格・幼稚園教諭二種免許を取得。私立幼稚園勤務後、現役保育士や児童福祉施設に関わる人を取材し、ウェブサイト『やさしい保育士入門』を制作・運営。 - 山下智子
九州大谷短期大学幼児教育学科卒業後、私立・公立の保育所で保育士として勤務。その後大学で心理学も学び、現在は学校法人滋慶学園東京スポーツ・レクリエーション専門学校こども保育スポーツ科で実習担当として多くの学生指導にあたる。近畿大学九州短期大学通信教育部保育科の非常勤講師としても勤務。
※この記事は、株式会社 翔泳社とのコラボ企画です。記事の無断転載や引用などは禁止しています。