保育士さんの就職活動において、最大の難関ともいえる「面接」。面接官があなたという人間を見極め、「一緒に働いてもらいたいかどうか」を決める、大切なステップです。
選考の行方を左右する局面だけに、「何を聞かれるだろう」「面接官はどんなことに注目しているんだろう……」と不安に思う方も多いかもしれません。しかし、万全の準備をして挑めば、あなたにとっても、自分自身をアピールする絶好のチャンスになります。
今回は、保育士さんの面接において、面接官がチェックするポイント、そしてよくある質問と回答のポイントをご紹介します!
面接官が見ているのはココ!注目されるポイントとは
面接に挑むにあたっては、「面接官がどんなところに注目しているのか」を確認しておく必要があります。それらのポイントを意識して受け答えをすることで、面接官によりよい印象を与えることができるでしょう。
面接官が注目する、基本的なポイントには次のようなものが挙げられます。
- 身だしなみに清潔感はあるか
- 社会人としてのマナーは身についているか
- 人柄がよいか
- 熱意・やる気があるか
- 求める経験やスキルを持っているか
- 園の雰囲気・考え方にマッチするか
- 正しい言葉遣いができるか
- 志望動機をきちんと伝えられるか
- 自分の考えをしっかり持ち、キャリアビジョンを描けているか
園ごとに、重視するポイントは若干異なりますが、面接官は、あなたが「この園で働いてほしいと思える人物か」を確認しています。
短時間の面接でも、面接官はさまざまな点に注目しています。限られた時間のなかでアピールできるように、しっかり準備しておきましょう!
面接前に必ずチェック!準備しておくべきこと
落ち着いて面接に挑むため、また、質問にスムーズに答えるためには、しっかりと事前準備をしておく必要があります。
面接の前には、少なくとも以下の点を確認しておくようにしましょう。
- 応募先の園の保育理念・保育方針
- 求人情報(勤務体系や賃金等の条件など)
- 志望動機・面接でアピールしたい内容
- 面接会場までのアクセス・所要時間
- 持ち物(筆記用具・履歴書など)
- 当日の衣服(アイロンはかかっているかなど)
- 緊急連絡先
◆園の保育理念・保育方針のチェックはしっかりと!
とくに、面接を受ける園の保育方針などは、ホームページなどできちんと確認しておきましょう。特徴的な保育プログラム実践していたり、とくに力を入れている活動がある場合には、その内容も把握しておきます。
面接官に熱意を伝えるため、また話の内容に「なぜこの保育園でなくてはならないのか」という説得力を持たせるためにも、しっかりチェックしておきましょう!
◆面接での保育園の呼び方は……?
書類では「貴園」と書く保育園の敬称ですが、面接でも「貴園(きえん)」と呼びます。ただし、各保育園ごとの面接ではなく、運営主体が株式会社の場合には「御社(おんしゃ)」と呼びます。
保育士の面接でよくある質問は?
では、ここからは、保育士さんの面接でよくある質問と、回答のポイントをご紹介していきます。
◆志望動機は?
「なぜこの保育園を選んだのか」という志望動機は、必ずと言ってよいほど、聞かれる可能性の高い質問です。「ありきたりな内容でないか」「説得力のある回答ができるか」「きちんと園のことを調べてきているか」などがチェックされます。
- 【回答のポイント】
- 給与や通勤時間などの表面的なメリットを前面に出すのではなく、園の保育理念や方針、自分のなりたい保育士の姿などに関連する内容を、伝えるとよいでしょう。
- 【回答例】
- 貴園を志望したのは、貴園の「子どもの自主性を尊重する」という保育理念に共感したためです。私は、これまで保育に携わるなかで、子どもの育ちは十人十色だと感じ、枠にはめるのではなく、それぞれの育ちに寄り添うような保育がしたいと考えるようになりました。貴園で自分の目指す保育をしたいと思い、応募いたしました。
◆なぜ保育士になろうと思ったのですか?
保育士さんの面接では、とくに聞かれやすい質問のひとつです。求職者の保育に対する思いや、熱意を確認するだけでなく、どのような人物なのかという「人間性」も注目されます。
- 【回答のポイント】
- 「子どもが好きだったので……」といったありきたりな回答ではなく、個人的なエピソードも盛り込んで、保育への思いを伝えましょう。
- 【回答例】
- 私は小さい頃から年下の子どもたちと遊んだり、お世話をしたりするのが好きでした。高校生の頃、職業体験で保育園に行った際、子どもたちが自分を「〇〇先生!」と慕ってくれ、とても嬉しかったこと、そしてそこで出会った保育士さんの姿に憧れたことから、保育の道に進むことを決めました。
◆自己紹介をしてください
わかりやすく相手に伝える能力があるか、また、自己分析がきちんとできているかが問われます。氏名と経歴のほか、アピールできる特技などがあればあわせて伝えましょう。
- 【回答のポイント】
- 長々と経歴を話すのではなく、アピールしたいポイントに絞って、簡潔にまとめるようにしましょう。
- 【回答例】
- 私は〇〇〇〇(氏名)と申します。私は〇〇大学児童福祉科を卒業後、〇〇保育園に入職、6年間で、0歳児から4歳児クラスまでの担任を務めてまいりました。在職中に小規模保育について学んだことから、より子どもたち一人ひとりに寄り添える環境で、保育士としてより成長したいと考えております。
◆自分の長所・短所は?
自分自身を客観的に捉えることは、仕事において欠かせない能力です。今の自分をどのように捉えているか、短所を補うためにどのような努力をしているかなどを確認する質問です。
- 【回答のポイント】
- 短所については、「頑固なところです」などマイナス表現で終わらせるのではなく、必ずその短所をどのようにフォローしているかも、あわせて伝えましょう。
- 【回答例】
- 私の長所は、妥協せずに努力ができるところです。前職では、働きながら、さらに保育の知識と技術を高めるために、自治体の研修に参加したり、通信教育で講座を受講して、チャイルドマインダーの資格を取得したりと、尽力しました。
- ただし、一方で、少しこだわりが強いところがあります。保育においては、多くの仕事を決められた時間でこなすことも必要ですので、期限と優先順位を決めたうえで取り組み、その短所を補うよう努力しております。
◆目指す保育士像・理想の保育士像は?
求職者の保育に対する考え方、つまり保育観を聞き出す質問です。面接官は、この質問で「園の考え方と合うかどうか」をチェックしています。
- 【回答のポイント】
- 園の保育理念や保育方針などを確認し、それに沿った内容にすることを心がけましょう。漠然とした内容にならないよう、注意が必要です。
- 【回答例】
- 私は、子どもの気持ちに寄り添い、笑顔を引き出せるような保育士になりたいと思っております。私は園児が10名程度の小規模な保育園に通っていました。幼い頃から預けられて寂しい思いはありましたが、ベテランの保育士さんが、いつも私の気持ちを受け入れ、寄り添ってくれたため、毎日楽しく過ごすことができました。私もそんな保育を目指したいと考えております。
- ただし、一方で、少しこだわりが強いところがあります。保育においては、多くの仕事を決められた時間でこなすことも必要ですので、期限と優先順位を決めたうえで取り組み、その短所を補うよう努力しております。
◆そのほかのよくある質問集
ここまでお伝えした質問以外で、保育士さんの面接でよく聞かれることを、まとめました。
- ここでどんな保育を実践したいと思いますか?
- 自己PRをしてください
- 前職でとくに力を入れて取り組んだことは?
- 特技・得意なことはありますか?
- 趣味はなんですか?
- 前職の退職理由は何ですか?
- ほかにも応募している保育園はありますか?
転職・中途採用の場合には、いままでの職歴や、転職理由について問われることも多くあります。今後に役立てられるような経験や学びは、自己分析で棚卸しをしておくよう、心がけましょう。
予想外の質問をされたときは?
面接では、回答を準備していない質問をされることもあるでしょう。「どうしよう!」と焦って、頭が真っ白になってしまいがちですが、そんなときこそ、ひと呼吸。あわてて答えようとせず、考えをまとめてから、回答するようにしましょう。
どんな質問であっても、まずは「面接官はこの質問で、何を知りたいと思っているんだろう?」と考えると、的外れな回答を避けることができます。
【応用編】質問はありますか?と聞かれたら
面接の最後に、面接官から「なにか質問はありますか?」と逆質問をされることがあります。まったく聞きたいことがなければ、質問をしなくても問題はありませんが、熱意や志望度の高さを伝えるためにも、聞きたいことを事前に考えておくと、よいでしょう。
◆質問が浮かばない場合の回答例
緊張して質問が浮かばないときなどは、「とくにありません」と答えるのではなく、面接のお礼も兼ねて、丁寧に回答するようにしましょう。
- 【回答例】
- これまで丁寧にご説明いただきましたので、お聞きしたいことはすべてお伺いできました。お話をうかがって、貴園で働きたい気持ちが、より強くなりました。ありがとうございました。
◆熱意が伝わる質問の例
保育に対する思いの強さや、熱意が伝わる質問には、次のようなものがあります。
- 中途採用で入職する保育士に対して、とくに期待することは何でしょうか?
- 〇〇様にとって、保育のすばらしさとはどのようなところでしょうか?
- 入職までの間に、学んでおくべきことがあれば教えていただけませんか?
◆質問NG!聞いてはいけないことは?
質問といっても、なんでも「聞けばよい」というものではありません。面接官に悪い印象を与えてしまいかねない質問には、次のようなものがあります。
- 保育園のホームページや資料に書かれている内容
- 募集要項に書かれている内容
- 面接や説明会ですでに話された内容
- はい・いいえで答えられるような単純な内容
- 金や福利厚生など条件に関する内容
- 業務とまったく関係のない内容
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編集者より
一挙手一投足を審査されているような、気の抜けないピリッとした空気……何度経験しても、面接はやはり緊張するものです。しかし、しっかり準備をすれば、質問に対して、自信を持って答えることができるようになるでしょう。
しどろもどろになりながら話すのと、堂々と話すのとでは、同じ内容でも印象が大きく異なります。事前にしっかりとイメージトレーニングをして、万全の状態で面接に挑めるとよいですね。
あなたの就職活動がうまくいくことを、心から願っています!
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