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「臨時保育士」って?パートと何が違う?公立保育園の気になる募集枠を解説

保育士と一口に言っても、その働き方はさまざまです。
正規職員として常勤で働く人もいれば、パートやアルバイト、派遣保育士など自分のライフスタイルにあわせた雇用形態を選択する人もいます。
臨時保育士」もその選択肢のうちのひとつ。ですが、臨時保育士という存在をよく知らない……という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、この「臨時保育士」についてくわしく解説していきます。

臨時保育士とは?


臨時保育士とは、公立の保育園で臨時職員として働く保育士のことを指します。
「非常勤保育士」や「定数外職員」といった呼ばれ方をすることもあり、ある程度の決まった期間で契約して働くパターンが多いそうです。

市区町村に臨時保育士として登録し、役所からの要請を受けてから選考を受け、採用されれば現場に赴いて働きます。
市区町村に雇用されている派遣社員、といったイメージが近いかもしれません。ただし、雇用元が自治体となるため、肩書は「公務員」ということになります。

事前登録が必要で、働くにも要請が来るのを待たなければいけないという特殊な環境です。
そのため、時間に余裕がある方や、家事・育児と仕事を両立させたい方、保育の現場に出たいという方であれば向いているかもしれませんね。

保育士はその半数が非正規職員である、とされている、非正規雇用の多い職種です。
なかでも公立保育園は、正社員の保育士さんよりも臨時保育士の方が多いケースがほとんど。
日本の保育を支える上で、臨時保育士の存在は欠かせないものになっています。

臨時保育士の仕事内容


仕事内容については各園によるところも大きいので、明確な基準はありません。
しかし、正規職員よりも臨時保育士の方が多くなっているのが現状。臨時保育士の仕事は正規職員のものとそう変わらないケースがほとんどであるようです。
クラス担任や保護者対応、月案作成といったある程度責任ある仕事を任されることもあります。

臨時保育士の待遇


臨時保育士は働く時間や日数を調整することができますが、保育園の中では、正規職員と変わらず8時間のフルタイム勤務をすることもあります。
正規職員と変わらない仕事内容を任されることもあるだけに、勤務時間もそれに見合う形となるようです。

給料は園によって時給制・月給制とさまざまですが、その市町村ごとによって大きく差が開くケースもあるそう。
ただし、臨時保育士には交通費・ボーナス・退職金が出ないということが多いので、それを考えると全体的にあまり良い待遇とは言えません。
臨時保育士の仕事量と給与が釣り合っていない、ということは、多くの不満として挙がっているようです。

臨時保育士になるには?


臨時保育士の求人は各市町村のホームページや広報誌、ハローワークなどさまざまなところで募集されています。
たとえば、東京都板橋区の臨時保育士の募集要項を見てみると、以下のような条件が提示されています。

【職種】
 保育補助(有資格・無資格)※有資格…保育士資格をお持ちの方

【対象】
 保育に関する知識・関心のある方
 月20日(週5日)程度で勤務可能な方
 ※週3~4日程度の勤務も可能です。ご相談ください。

【勤務時間】
  保育補助(無資格) 8:30~17:15の7時間45分(1時間休憩)
  保育補助(有資格) 8:00~18:00の間で7時間45分(1時間休憩)
  ※1日7時間45分未満の勤務も可能です。ご相談ください。

【勤務期間】
 原則6か月以内(更新により最長1年)

【勤務場所】
 板橋区立保育園

【賃金(日給)】
  保育補助(無資格) 平日7,830円  土曜 10,571円 (7時間45分の場合)
 保育補助(有資格) 平日8,760円   土曜 11,826円 (7時間45分の場合)
  ※ 公共交通機関利用者には、1日1,000円を限度に交通実費を支給

【申込方法】
  履歴書を直接または郵送で、保育サービス課に提出してください。
【その他】
  通年募集しています。締切は特にございません。
  登録期間は、受付時から1年間です。
 登録期間内に雇用されない場合もあります。
  登録期間を過ぎた履歴書は、責任を持って破棄します。

引用:板橋区「区立保育園臨時職員募集」

板橋区の場合は事前登録が必要で、一年間の間に欠員の出た園に派遣されるスタイルをとっているようです。
交通費が支給されるのはありがたいですね。

ほかにも、さまざまな自治体が臨時保育士の募集をしています。
市町村によってどのような違いがあるのか、ぜひチェックしてみましょう。

臨時保育士になるメリットはあるの?


「正規職員と同じ業務量にもかかわらず待遇や給与が低い」「正規職員の補佐扱いをされている」など、臨時保育士の扱いについてはまだまだ改善の余地があります。
ですが、臨時保育士になるメリットがまったくない、というわけではありません。

まず、臨時保育士になることで経験の浅いうちから責任のある仕事を担当できるという側面もあります。保育士としての経験は確実に積めるので、今後のキャリアやスキルを考えると必ずしも悪いとは言えないでしょう。
今後資格を取得して保育士を目指したい、といった方や、保育の現場からしばらく離れていた有資格者の方などにおすすめです。

また、正規職員と変わらない業務量とはいいつつ、やはり時間や曜日を限定して働ける臨時保育士は、正規職員に比べて自分の時間を確保することができます。
ダブルワークをしていたり、家事や育児で時間が必要な方の場合は、臨時保育士の働き方の方が都合がいいということもあります。

自分がどのようなライフワークバランスを考えているのか、臨時保育士はそれにそぐうものなのか、一度考えてみるのがいいですね。

編集者より


非常勤の職員でありながら、実質的には正規職員と同等のレベルを求められる臨時保育士。
「ベテランさんを雇いたいけれど人件費は押さえたい」といった園では、正規職員よりも臨時保育を多く採用する傾向などもあるようです。

今の段階では、臨時保育士になるメリットよりもデメリットの方が目立ってしまっています。
しかし、今後臨時保育士も含め保育士の待遇改善がなされれば、臨時保育士もまたひとつの魅力的な働き方になるかもしれませんね。

参考文献・サイト

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