転職活動のスタートラインともいえる自己分析。
今回は転職を考える保育士さんやこれから保育業界を目指す方へ自己分析をするメリットや方法をお伝えします。
元保育士で保育転職のプロであるキャリアドバイザー(以下、CA)の助言もあるのでぜひ参考にしてみてください。
保育士がするべき自己分析とは?
「そもそも自己分析って何?」「保育士の転職でも自己分析は必要なの?」そう考える保育士さんもいるかもしれません。
現職や家事と並行して行う転職活動は効率的に行うことが重要です。
- 自分がどんな価値観を持っているか考えることで、希望条件が絞り込める
- 今までの経験業務やスキルの棚おろしができる
- 職務経歴書や志望動機の作成、面接時に役立つ
- 転職後のミスマッチを防ぐ
転職を考えたら効率よく動くためにもまず、自己分析から取り掛かってみましょう。
CAからひとこと:
「子どもが第一、保育士は献身的であるべき」という風潮が強かった保育業界。
しかしこの保育士不足の時代、保育士さんにとっては様々な園から自分にピッタリの働き方を選べるようになり、園自体も「保育士さんを大切にしよう」という風潮が高まっています。
だからこそ自己分析に取り組み、「自分の理想や実現したいこと」を考えてみても良いかもしれないですね。
CA直伝・自己分析のポイント
子どもと接したときに考えた・感じたこと、そして自分で行動・改善をしたことを具体的なエピソードとして語れると好印象です。
エピソードの深堀り方法はこちらやこちらで詳しくお伝えします。
また、自己分析は「わかりやすく伝えるための整理」と気楽に考えてみてください。転職の時に大切な志望動機書や面接で話す内容につながってきます。
ご相談いただければキャリアアドバイザーがあなたにぴったりの職場を探します!
長期のライフプランを考える
まずは「私はこのまま園長になりたいのかな? それともいずれ自分で保育園をたてたいのかな?」という理想の保育士としてのキャリアを描くこと。
さらに、「子どもと一生付き合っていきたい。それならば結婚や出産しても働き続けられるところがいいな」といったキャリアイベントについても考えてみてください。
+α「これだけは譲れないこと」を考えてみて
◆「給料が第一!」と思っていた保育士さんの転職失敗エピソード
ある保育士さんは「私は残業などが多くて大変でも給料の高い園が良い!」という希望のもと、転職をしました。
しかし残念ながらしばらくしてその園も退職することに……。
その理由は「保育の方針が合わなかった」からというもの。転職した園では園長先生が「こういう教育をすべき!」というのがはっきりしていて、子どもを強く叱るといったことが起きていました。
「いくら給料が高くても、それだけは許せなかった……」
その保育士さんにとってはお金だけでなく、子どもへの接し方が保育士として働く上で大切にしたいことだと気づきました。
転職を考える際には、給料など条件ばかりを考えてしまいがちです。
しかし、子どもを相手に働く以上、普段の保育の中で「こんなことが嫌だったな」「この保育方針は合わなさそうだな」と気づくことはあるでしょう。
保育方針などは面接で聞いてみよう
保育方針や子どもへの接し方などは園のホームページからは分かりづらいこともあります。
【質問例】
私は子どもがいたずらをした時にはまず『なんでこれをしたの?』と子どもに聞いた上で、解決できることだったらしていく……というように対応するように心がけています。
こちらの園(または園長先生)なら、子どもがそのようなことをした時どういう対応をされますか?
園としても聞かれ慣れていないことなので、普段の保育の様子や園で本当に大切にしている保育方針がうかがえるはずです。
自己分析をした際に「譲れないこと・許せないこと・嫌だったこと」をメモしておき、面接用の質問リストにしておいてもよいでしょう。
「理想」の前に現在の収入を確認
手取り額ではなく額面の年収がいくらか(社会保険料・賞与は何か月分か)が重要です。
その上で、より高い給料が欲しいのか、多少給料が下がっても自分の理想とする保育を実現できる園に行きたいのかも考えていきましょう!
「自分史」を作る【シート付】
ここからは、自分の過去・現在・未来を考えるための自己分析方法を紹介していきます。
まず、価値観を探るために取り組みやすいのが過去の経験の振り返りです。
その際に役立つのが「自分史」作りです。
下の図のように今までにあったできごとを思いつくまま書き出してみましょう。
書き出したら、自分の価値観に影響したと思われる出来事をピックアップし「その時どう感じたか」「その出来事が今の自分にどう影響を与えているか」を書いてみましょう。
自分史作成用のシートを用意したのでよろしければ実践してみてください。
自由保育と設定保育、どちらが向いている?
将来を考える
自分史ができたら、未来の自分にも目を向けてみましょう。なりたい自分の将来像を分析してみると、自分が何を大切にしたいか=価値観がわかってきます。
将来像を明確にするためには、以下のような3つの視点がヒントになります。
①【Be】どんな人間・保育士になりたいか
②【Have】 何を手に入れたいか(評価や収入)
③【Give】社会や人にどんな影響を与えたいか
キャリアの棚おろしをする
転職活動が学生時代の就活と大きく異なるのが「キャリアの棚おろし」の必要性です。
中途採用の場合は「即戦力」としての活躍が期待されています。
ここは、履歴書に書く自己PRはもちろん、保育士さんが転職でつまづきやすい職務経歴書にも関わる部分です。
配属にも影響する可能性があるのでしっかり行いたいですね。
園が気にするポイントは「何歳クラスの担任をしていて、何人の子どもをみていたのか」、そして「主任や学年リーダーなどの経験の有無」です。
仕事での成功体験から強みを知ろう
業務において成功した事例を書き出してみましょう。客観的な評価があるならばベストですが、自分の中で計画、実行し改善できたことでも構いません。
【成功した事例】
…Aちゃんは折り紙が苦手だったが、折り方を歌にして教えてあげることで口ずさみながら折れるようになった。歌を他の子にも教えてみんなで楽しそうに折り紙を折るようになった。
【なぜ成功したのか】
…Aちゃんは歌が大好きということを知っていたため。
【役立った能力】子どもの得意や不得意を把握して接し方に配慮する能力。
【成功の土台になった価値観】
…子どもの心の変化に気付きサポートできる保育士になりたい。
(いつもは楽しそうなのに工作の時間つまらなそうな表情をするのが放っておけない)
上記の例ならば、子どもの表情の変化に気づける、個々の得意・不得意を保育に活かせる…といった「強み」が見えてきます。
主任や園長を目指したい場合は?
「自分一人でこんなに頑張った!」という実績もよいですが……
仕事での失敗から弱みを知ろう
失敗・課題を振り返るのも大切です。
「なぜ失敗したか」
「どんな経験や能力があれば解決できたのか」
「失敗や短所に対してどう反省して、乗り越えようと努力したか」
を分かりやすく伝えられないか考えてみましょう。
【失敗した事例】
…園児の記録や連絡帳の記入などに時間がかかりすぎ、非効率だと指摘を受けた。
【なぜ失敗したのか】
…子どもにじっくり向き合いたい気持ちが強く妥協ができなかったため。時間管理が出来ていなかったため。
【不足していた能力】
…限られた時間の中で仕事の組み立てをする能力、作業を効率化する能力。
上記の例ならば、一人ひとりに向き合いすぎる傾向にあるために、時間の管理がおろそかになる、妥協が出来ない…といった「弱み」が見えてきます。
ただ、失敗を自分なりにどう受け止めて改善していこうとしているのかを伝えられるとよいです。
ネガティブなだけで終わってしまうのはマイナスな印象を与えてしまいます。
反対に向上心がある方はどの職場でも好まれます。
診断ツールを使う
客観的・科学的な視点を取り入れるために性格診断などの自己分析ツールを試してみても!
ここでは無料のおすすめ診断ツールを紹介します。
●日本エニアグラム学会「簡易タイプ診断」
https://www.enneagram.ne.jp/about/diagnosis
●16Personalities
https://www.16personalities.com/ja
「自分のことをなかなか言葉で表せないな」と困った際のヒントにもなるかもしれません。
他者の意見を聞く
自分一人で考えるだけでなく客観的な意見を聞いてみることも大切です。
気づいていない強みも発見できるかもしれません。
家族や親しい友達、職場の同僚などからどんなイメージをもたれているか聞いてみましょう。
編集者より
自己分析をやりすぎる必要はありませんが、自分の保育への思いを再確認するよい機会になるはずです。
自己分析に限らずお仕事の悩みがあるようでしたら、身近な人やキャリアアドバイザーにも頼ってみてくださいね!
参考文献・サイト
- ダイヤモンド・オンライン「そういえば、自己分析って何すればいいの?就活スタート時に必ず押さえたい2つのポイント」(2019/11/19)
- マインドマップの学校「マインドマップとは?」(2019/11/19)
- 「日本コラージュ療法学会」(2019/11/19)
- 「無料性格診断テスト」(2019/11/19)
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